いまや世界的に評価が高い日本のウイスキーも作り方の参考にしているスコットランドのウイスキー(スコッチウイスキー)のなかから、「これだけ知っておけばスタートラインには立てる」というスコッチウイスキーの銘酒を紹介していきます。
日本のウイスキーからウイスキーにはまった人、これからスコッチウイスキーを飲んでいきたいという人・・・ウイスキーの奥深い世界に足を踏み入れようとするすべての人におすすめする銘柄ばかりです。
ぜひ自分の好みにあう銘柄をみつけて、ウイスキーの世界を探索する指標にしてみましょう。
- 初心者が知るべきスコッチウイスキーのおすすめ銘柄の基準
- 初心者はココから!ブレンデッドスコッチウイスキーのおすすめ銘柄
- 初心者でも知っておきたいシングルモルトスコッチウイスキーのおすすめ銘柄
- スコッチウイスキーの初心者におすすめする知るべき銘柄16本【保存版】のまとめ
初心者が知るべきスコッチウイスキーのおすすめ銘柄の基準
最近ですと国産のウイスキーに強いこだわりを持っている人も少なくないと思いますが、ウイスキー造りに長い歴史を持っているスコットランド産のスコッチウイスキーにはジャパニーズにはない多様性があります。
多様性がある分だけマニアックになりやすく奥の深いスコッチウイスキーですが、ここではスコッチをほとんど飲んだことがないという人が「まずこれだけは銘柄としておさえておきたい」という点に着目して選んでいきます。
じっさいに飲んでみると好き嫌いはあると思いますが、こんなにも味に違いがあるという点に注目してぜひ好みの味わいの銘柄を見つけてみて欲しいですね。
ブレンデッドウイスキーとシングルモルトに分けて紹介していきますので、この辺りの差がまだあやふやな人は「【五大ウイスキーとその違い】産地別の特徴とは?日本ウイスキーも…?」を参考に、まずはスコッチの分類について予習しておきましょう。
初心者はココから!ブレンデッドスコッチウイスキーのおすすめ銘柄
ブレンデッドは日本のウイスキーでいえば「響」にあたる、複数のウイスキー銘柄を混ぜて独自の味わいを生み出しているウイスキーです。
ひとつひとつの個性は強くありませんが、とっきやすいも味のものが多いのでスコッチ初心者はブレンデッドから攻めていきましょう。
コクのある味わいが万能選手「ジョニーウォーカー黒」
スコッチの銘柄でも特に知名度の高いジョニーウォーカー。
なかでもブラックラベル(通称ジョニ黒)はコクと甘さがありスコッチらしいスモーキーなフレーバーも持ち合わせています。
そのままでもソーダで割っても美味しい万能選手。スコッチに興味があるならまずは飲むべき一本で、この味わいがスコッチの基準といっても過言ではないでしょう。
値段帯的にも味わいを考えれば手を出しやすい価格帯で、日常的に飲むのにも適しています。初心者でもまずは一本おさえたいところですね。
国鳥がラベルを飾る「フェイマスグラウス」
スコットランドの国鳥でもある雷鳥がラベルにたたずむフェイマスグラウスはブレンデッドの中では通好みの一本。
ジョニーウォーカー黒よりも地味な味わいながら、スコッチを飲みなれている人でもじっくり味わえる本格的な味わいの構成になっています。
ブレンデッドのなかでは筆者が最も好きな銘柄でもあります。
ほのかに感じる甘みがソーダ割りや水割りにするとおすすめでより味わいが引き立ちますね。ぜひ他の銘柄と飲み比べてみたいスコッチです。
バラタインの真価を感じるなら「バランタイン17年」
ブレンデッドスコッチのなかで高い人気をほこるバランタイン。
バランタインは年数別にラインナップが豊富ですが、その魅力を掴むなら少し奮発して17年を試しましょう。
バランタインフレーバーと呼ばれる独特の華やかで繊細な香りが17年からはしっかりと堪能できます(逆にこれより若いものは少し荒々しい印象です)。
ジャパニーズウイスキーにも通ずる儚さを感じる銘柄で、響が好きな人にぜひ試してみてほしい一本です。
並行輸入品を狙えば響よりもはるかにコスパの良いお酒だといえるでしょう。初心者ウケの良い銘柄の代表です。
著名人に愛される「オールドパー12年」
斜めにしても倒れないことから、ふんばりが利くお酒として歴代の総理大臣をはじめとした著名人に愛され続けてきたスコッチがオールドパーです。
個性的なデザインのボトルが目を引きますが、味わいも一流。
ブレンデッドのなかでも熟成された感じが強く、円熟味を帯びた味わいはなかなか他のブレンデッドでは出せない仕上がり。
ゆったりロックでオールドパーを傾ければ気分は有名人。一度はボトルを買って飲んでみたい銘柄のひとつです。
ジャパニーズのエッセンスを感じる「シーバスリーガル ミズナラ」
日本人のために作られたシーバスリーガルのスペシャルライン。
熟成の最終段階で日本原産のオーク材であるミズナラの樽にウイスキーを入れることで和のエッセンスを取り込んだスコッチとなっていて、ジャパニーズ愛好家にもおすすめの一本。
スコットランドを代表するウイスキーが日本のために作ったウイスキーと聞くと飲んでみたくなりますよね。
ミズナラは樽材として今世界的に注目されている素材で、山崎などの一部ジャパニーズの個性を表す存在にもなっています。
気軽に飲めるのが魅力り「ホワイトホース」
白馬が印象的なホワイトホースはスモーキーなフレーバーを感じ取れるスコッチブレンデッドのなかでも特にスコッチ色の強い一本。
スコッチウイスキーのなかでは知名度が高く、特に昔からウイスキーを飲んでいた人はご存知の方も多いでしょう。最近ではリバイバルブームがきていて、広告なども積極的に流れていますね。
キリリとした飲み口はソーダ割りに最適。値段も安く日頃の晩酌にもオススメできます。
筆者も晩酌でよくお世話になっています。1000円前後と最低価格帯のスコッチとしては飲みごたえもあり素晴らしいコスパです。
適度にスモーキーな味がソーダと相性抜群「ティーチャーズ ハイランドクリーム」
ホワイトホース同様、1本あたり1000円を切る値段帯が魅力のブレンデッド。
この値段帯のなかではホワイトホースと並んで頭一つ抜けている印象。適度にスモーキーな味わいがブレンデットといえどスコッチウイスキーらしい無骨さを感じさせます。
最近ハイボールでよく飲んでるティーチャーズハイランドクリーム。お店によっては900円台で買えるうえに低価格スコッチにありがちなアルコール臭さもなく、しっかりめに効いたピート感が魅力。普段のみはしばらくコイツにお世話になりそう。 pic.twitter.com/egLG0CGYtO
— おいしけりゃなんでもいい! (@bollet_jp) March 20, 2019
ソーダ割りなどで気軽に飲むのに最適。気軽にはじめるスコッチとしてもオススメできるでしょう。
初心者でも知っておきたいシングルモルトスコッチウイスキーのおすすめ銘柄
続いてはシングルモルトスコッチウイスキーから、これはおさえておきたいという銘柄をピックアップ。
モルトウイスキーは全体的にマニアックな銘柄が多いのですが、ここでは「知名度が高く絶対知っておきたい銘柄」「少しだけマニアックだけれど知っておくと損のない銘柄」に分けて紹介していきます。
初心者も知っておきたいスコッチシングルモルトウイスキー
モルトのロールスロイス「マッカラン」
山崎や白州よろしく需要過多などによってラインナップの整理や味の偏向が続き、マニアックなファンからは近年失望の声も多いマッカラン。
スコッチのロールスロイスなどと呼ばれることも多く、名前を聞いたことのある人も少なくないでしょう。
味わい云々以前に絶対的な王者の貫録から避けては通れません。
ここまで需要過多になる時点でその実力を認めざる負えないでしょう。スコッチを語るうえで一度は手にしたい銘酒です。
マニアからの評価は少し落ちてきましたが、それでもスコッチを飲むうえでは知らないとは言えない銘柄でしょう。
バランスのとれた佳酒「グレンリベット12年」
フルーティで洋ナシや青リンゴのような香りが漂うシングルモルト「グレンリベット」。
スコットランドではじめて政府公認を受けた蒸留所で、その名はスコッチの代名詞のようにもなっています。
バランスのとれたキレイな味わいでクセも少なく、初心者でも味の特徴をつかみやすい。
シングルモルトを楽しめる人でグレンリベットが苦手な人はいないのではないでしょうか。
ストレートで飲んでもソーダ割りなどで飲んでも美味しくコスパが優れた銘酒でおすすめです。
保健室のような香りを持つ「ラフロイグ」
スコッチのいわゆる"クセ"と呼ばれる部分の大半がピートと呼ばれる泥炭に影響を受けた独特なフレーバー。
ヨード香や薫香にも例えられ、苦手な人は受け付けない香りをふんだんに含んだのがラフロイグです。
イソジンの臭いがする、保健室にいるみたいなどおよそ飲み物とは思えないさまざまな感想が飲んだ人から飛び出すウイスキーですが、スコッチラバーになると違和感が全くなくなります。
従来スパイスのような位置づけであるこの香りがものすごく主張するため好みは分かれますが、スコッチを語る上でマッカランやグレンリベット同様に一度は挑戦する必要のあるお酒だといえるでしょう。ハマると抜け出せない魔力を持っています。
本場スコットランドで一番飲まれている「グレンモーレンジ」
スコットランドで最も飲まれているというふれこみがあるのがこの「グレンモーレンジ」です。
世界的にも非常に高い評価を得ていて、ウイスキー造りにおいて重要な要素である「樽」に対する並々ならぬこだわりから生み出されるウイスキーは非常に完成されています。
華やかで芯が通ったウイスキー、洗練された都会っ子というイメージのウイスキーです。
マッカラン、ラフロイグ、グレンリベットと比べると飲んだことのない人は少なくないかもしれませんが、絶対に知っておくべき銘柄のひとつであることに間違いはないでしょう。
初心者も知っておくと損のないスコッチシングルモルトウイスキー
なめらかで洗練された味わい「バルヴェニー」
ここで紹介している銘柄のなかでは特にマイナーなバルヴェニー。
グレンフィディックという非常に有名な蒸留所の姉妹蒸留所で、非常に品質の高いウイキーを作ることで愛好家から支持されているブランドでおすすめです。
フルーティーで華やかな一面も持ちつつ、それを前面に出さない全体的におしとやかで品のあるスコッチ。
しかし単にキレイなだけでなく複雑さ差も兼ね備えている・・・好きな人が一目置くのも理解できる完成度の高さを誇ります。
熱狂的な信者を生む「アードベッグ」
ラフロイグ同様に強烈なスモーキーフレーバーを放つアードベッグ。
単一の蒸留所としては最も強力なクセを持っています。
スモーキー系のスコッチのなかでも特に熱狂的なファンを獲得していて、そうした人々は「アードベギャン」と呼ばれるほどアードベッグの虜になっています。
定期的に発売される新作など、ブランドとしてのプロモーションも上手。そこに確かなクオリティを持っているためファンを獲得するのでしょう。
クセのあるスコッチを知るならラフロイグと並んでおすすめしたいところ。
スパイシーな味わいがクセになる「タリスカー」
「舌の上で爆発するような」と表現されるスパイシーな味わいのタリスカー。
スカイ島と呼ばれる鳥の形をした島で作られる歴史あるウイスキーで、適度なスモーキーフレーバー、スパイシーで骨太な味わいが魅力的。
ソーダ割りからストレートまで幅広く楽しめる汎用性も魅力でクセの行き過ぎないギリギリのバランス感覚がスコッチならではの完成度です。
筆者も常に自宅に常備するモルトウイスキーのひとつで、知人に勧める率も高いです。
スコッチの魅力を詰め込んだ「スプリングバンク」
スコットランドのキャンベルタウンで作られるシングルモルト。
伝統的な製法にこだわるこの蒸留所は常に高いクオリティのウイスキーを世に送り出すことで有名です。
スモーキー、塩気がある、フルーティー、麦の味、フローラル・・・スコッチには特徴的な表現が多々ありますが、代表的な特徴を全て含んでいるといわれるスプリングバンクはまさしくスコッチシングルモルトのど真ん中。
しかしこのバランスを生み出せる蒸留所はスプリングバンク以外にはできないギリギリのバランスを表現しています。
限定アイテムのリリースも多いのですが非常に人気が高く、発売から数分で完売してしまうことも少なくありません。
話題になったキルケランの15年と毎回即完売のスプリングバンクのラムウッド。 pic.twitter.com/icqU9Szn0b
— おいしいを探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) February 20, 2020
コストパフォーマンスに優れたスモーキーウイスキー「ポートシャーロット」
ポートシャーロットはアイラ島のブルイックラディ蒸留所が作っているシングルモルトです。
今回紹介したなかでは比較的マイナーな銘柄ですが、アイラ島のウイスキーが軒並み高騰しているなかで価格と味わいのバランスが非常に優れているのがポートシャーロットの魅力です。
リフィルのワイン樽がいいアクセントで短熟感持たせずいい仕上がり。いっても2011だから初期の頃の5~6年モノと熟成期間にあまり差はないわけで、仕上げ方をブラッシュアップするだけでこうも変わるんだなと再認識。オフィシャルニューリリース久々に買ったけど個人的には大当たりでした。
— Jorge(ホルヘ)@ゆるーくおいしものを探求中 (@bollet_jp) March 22, 2019
ポートシャーロット自体は仕込みはじめて20年程度で、正直少し前まではあまりおいしいと思ったことがなかったのですが、2018年9月にラインナップがリニューアルされとてもいい感じに仕上がってきています。
まだ広くは知られていないけれど本当においしいクセの強いのウイスキーが飲みたいという方は一本買ってじっくりと付き合ってみるのもおすすめです。
スコッチウイスキーの初心者におすすめする知るべき銘柄16本【保存版】のまとめ
16本のスコッチウイスキーの銘酒を紹介してきました。
スコッチに少しでも造詣があればおそらくほとんどは経験済みであろうと思われるほど代表的な銘柄ばかりでしたが、ジャパニーズからウイスキーに興味を持った人やスコッチウイスキー初心者の人にとっては知らないものも多いのでは?
今回紹介した銘柄はぜひおさえておきたい銘酒ばかりです。
これを機にぜひいろいろなスコッチウイスキーに挑戦してみてください。きっとその多様性に驚かさされるはずですよ。
ウイスキーを愉しむために合わせて読みたい記事
www.oishikerya.com
www.oishikerya.com
www.oishikerya.com
www.oishikerya.com
グラスや飲み方、シチュエーションにもこだわってウイスキーを存分に楽しみましょう!