おいしけりゃなんでもいい!

身近にある美味しいものを探したい。おいしけりゃ、なんでもいいんだけれど。

スポンサーリンク

ラフロイグの飲み方と味をレビュー!!正露丸のような風味のアイラウイスキー代表銘柄

f:id:bollet:20180501171430j:plain


スコットランドで作られるスコッチウイスキー。


その中でも特に個性が強い銘柄として知られるラフロイグは、根強いファンがいることでも有名でもあります。


今回は保健室や正露丸に喩えられる強烈な個性を持つラフロイグの魅力に迫っていきましょう。

スコッチウイスキーの聖地、アイラ島で作られるラフロイグ

まずはラフロイグとはどんなウイスキーなのかについてみていきましょう。

スコットランドのウイスキーとその魅力

イングランドの北に広がるスコットランド。


最近ではイギリスからの独立騒動が世界中で注目された国ですが、古くからクオリティの高いウイスキーを生み出すウイスキー大国でもあるのです。


広大な土地を誇るスコットランドで作られるウイスキーはスコッチウィスキーと呼ばれ、国内のどの地域で作られるウイスキーなのかによっても個性があり、さらに作り手ごとの個性が存在するため、結果的に非常に多様な味わいのウイスキーが誕生し、熱狂的なファンを有するお酒の分野としても注目されています。


マッカラングレンリベットといった銘柄はスコッチのなかでも特に人気の高いもので、ラフロイグとならんで名前を聞いたことのある人も多いかもしれませんね。

小さな島、アイラ島で作られるラフロイグ

数あるスコッチウイスキーのなかでも、ファンに一度飲んだら他の物は飲めないとまで言わしめる銘酒がラフロイグです。


作られているのはスコットランドの北西部に浮かぶ小さな島アイラ


この島では昔から伝統的なスコットランド式のウイスキー作りが盛んに行われており、生み出されるウイスキーはラフロイグに限らず、他にはない非常に強烈な個性を持つことで世界中にファンがいます。


アイラウイスキーの特徴はなんといってもスモーキーや薬品っぽいと表現される独特な香り


これはウイスキーの製造工程でピートと呼ばれる資源が豊富に使われるためにつくもの。


アイラ島は島の多くがこのピートで覆われているため、他のスコッチウイスキーよりも強くピート由来の香りが付いたお酒が多いのです。


f:id:bollet:20180928163530j:plain


はじめてアイラウイスキーを飲む人は、おそらくこのクセの強すぎるお酒を拒絶することになるでしょう。もちろん、筆者も例に漏れずはじめはこの味わいを理解できませんでした。


しかし、二回三回と味わっていくうち、気づけばアイラウイスキーの持つ強烈な個性の虜になってしまう・・・不思議な魅力を備えたウイスキーの産地でもあるのです。


こうした非常に個性的で魅力的なウイスキーであるラフロイグは、いつしかファンの間から「You either love it or hate it」(好きになるか嫌いになるか好みが別れる)と語られるようになったのです。

ラフロイグの特徴

ラフロイグはアイラ島にある歴史あるウイスキーの蒸留所とそこで作られるウイスキーの名前です。


創業は1815年、2015年には200周年を迎えました。その名はゲール語で「広い湾の美しい窪地」という意味を持っています。


緑色のボトルが特徴的で、シンプルなラベルからは想像のつかないパンチのある味わいに驚かされます


f:id:bollet:20180501171447j:plain


こちらはスタンダードラインナップである10年熟成のラフロイグ。比較的入手も容易で、少し気の利いたスーパーの酒コーナーに置かれていることも。日本ではサントリーが正規輸入を担当しています。


f:id:bollet:20180501171514j:plain


ラベルにも描かれるこちらの紋章に注目してください。こちらはロイヤルワラントの証です。


ロイヤルワラントとは王室御用達の意。現在のイギリスではエリザベスⅡ世女王、エジンバラ公、チャールズ皇太子のみがその決定権を所持しています。


ラフロイグはチャールズ皇太子によって1994年にロイヤルワラントに認定されているのです。


なにを隠そうチャールズ皇太子ご自身がラフロイグの大ファンですから、本場イギリス人の舌も唸らせる実力に注目しないわけにはいかないでしょう。

ラフロイグの製法

ラフロイグはピート層をかいくぐってきた仕込み水とピートによる乾燥行程によってフェノール値が40~45ppmになるように仕込まれています。


使用される麦はオックスブリッジという品種で、85%は近くのポートエレンという工場に麦芽製造を委託し、残りの15%はラフロイグ蒸溜所で自ら製麦しています。


麦の加工は一昔前までは各造り手が自前の施設で行っていましたが、最近では製麦された原料を仕入れることが一般的になり、味わい個性が均一化する要因にもなっていると考えられます。


そんななかで15%を手間隙かけて自分のところで加工することの意味合いは大きく、ラフロイグがピートの香りの強さと共に個性的な味わいを持つ重要な要素となっています。


熟成にはバーボン樽の1st.フィルをメインで使用し、これがバニラやクリームのような甘くてメローな特徴を与えます。


それと同時に一部にはシェリー樽をはじめとしたさまざまな樽での熟成も行い、より複雑な味わいのラフロイグが産み出されるために無数の樽が熟成庫で眠っているのです。

正露丸味?強烈なインパクトを持つラフロイグの味わいをレビュー

さて、じっさいにラフロイグをグラスに注いでみましょう。


f:id:bollet:20180501171532j:plain


10年の時を経た琥珀色の液体からは、薬品のような香りが放たれます。ヨード香と呼ばれるこの香りは、正露丸を彷彿させる風味です。


ただ香りが強いだけでなく、野太くしっかりとした深みの味わいにキレのいい酒質があわさって飲みごたえもじゅうぶんなウイスキーでもあります。


もしもスコッチウイスキーに興味を持ったのであれば、得意不得意は差し置いても、一度は口にしなければならないお酒だといえるかもしれませんね。


ラフロイグの飲み方

気になるのはラフロイグの飲み方です。ウイスキーの飲み方は人それぞれですが、その特徴を余すことなく愉しむのであればまずはストレートでチャレンジしてみましょう


ウイスキーほどアルコールの高いお酒をそのまま飲むには、それなりのコツと慣れが必要ですが、一度その味わいにハマれば抜け出すことはできません。


また、ラフロイグはソーダ割り(ハイボール)もオススメできます


ソーダで割ることでラフロイグの持つ爽やかな側面が強調され、そこに独特のピート香りが絡みつくことで他のウイスキーでは出し得ないスペシャルな味わいに。


ラフロイグソーダ(ラフロイグハイボール、ラフハイ、ラフソーなどとも呼ばれる)はウイスキー通のなかでは割と一般的な飲み方のひとつです。


f:id:bollet:20180928164244j:plain


他にもロックやトゥワイアップなどさまざまな飲み方で楽しむことが可能なウイスキー・ラフロイグ。


以外にもお湯割りが美味しいという意見も・・・。ぜひ自分だけの飲み方を開拓してみてはいかがでしょうか?


ラフロイグの種類

ひとくちにラフロイグといっても熟成年数や熟成方法、コンセプトによってさまざまなバリエーションが発売されています。


世界中のマニアから愛されているため、中には数十万円するようなプレミアムな商品も存在するほどです。


ここでは蒸留所元詰めのオフィシャルラインナップから先ほど取り上げた10年以外のラインナップをいくつかご紹介しましょう。

今しか買えない特別なバイセンテナリー「ラフロイグ15年」

2015年の200周年を記念して特別に発売された15年もののラフロイグ。スコッチの造り手はこうしたアニバーサリーを特別にしていて、近年では200周年を迎える蒸留所が多いことから「バイセンテナリー(Bicentenary)」などと呼ばれる特別なボトルをリリースしています。


ラフロイグも15年、16年、21年、32年などさまざまなバイセンテナリーボトルを発売していますが、どれもが限定の逸品ばかり。


まだ市場に残っていて手が届くのは15年くらいなのではないでしょうか。数年後にはプレミアがついてもおかしくない商品。今のうちに味わっておきたいところですね。

手軽に手入れたいなら「ラフロイグ セレクトカスク」

セレクトカスクは10年より多少安く手に入るためお手軽さが強いボトルです。


味わいとしてのセレクトカスクと10年の違いは、セレクトカスクのほうが10年より優しく甘さがたつ仕上がりになっています。


ラフロイグにはじめて挑戦するのであればセレクトカスクから・・・というのもオススメできるボトルです。

熟成による円熟味も「ラフロイグ18年」

ラフロイグ18年は10年に次ぐエイジ(熟成年数)表記のあるボトル。


10年と比べてしっかりとした熟成感がのって落ち着きを感じる部分もありますが、ラフロイグの持つ個性はしっかりと奥に潜んでいて、総じて深みのある完成度の高い味わいを持っているといえるでしょう。


じつはこちらの商品、現在終売品となっていて、おそらく在庫限りで市場からなくなってしまうお酒。


ラフロイグの熟成したタイプのボトルはプレミアが付きやすいので、まだなんとか手に入るうちに買っておくのも悪くありません。価値の分かる人と特別な時に開けて飲んでみては?

スイーツのような甘みが加わった異色の味わい「ラフロイグ PXカスク」

PXとはペドロヒメネスのこと。スペインはアンダルシアで作られる特殊なワイン・シェリー。


そのなかでも特に甘口に仕上がるペドロヒメネスと呼ばれるシェリーを熟成した樽でラフロイグを熟成させたものになります。


ウイスキーは熟成させる樽に非常に強い影響を受けるのですが、PXカスクではペドロヒメネ由来の甘みとフルーティさがラフロイグに加わり、まるでクセのあるスイーツのような味わいを生み出しているのです。


バランスをとるためにアメリカンウイスキーで使用されたバーボン樽で5から7年、続いてクォーターカスクという小さな樽でで7~9ヶ月、最後にPX樽で1年熟成と三段階を経て熟成されています。

ラフロイグの飲み方と種類は?正露丸味のアイラウイスキー代表!?のまとめ

スコッチウイスキーのなかでも特にファンの多いラフロイグ、その魅力と特徴を解説して参りました。


おそらくいきなり飲んでハマる人は少ないと思いますが、ウイスキーを好きな人であれば必ずその魅力を感じ取ることができる銘酒です。


ぜひ、まだ飲んだことのない人はその魅力を探ってみてください。きっと新しい価値観が生まれるハズです。


【2019年2月追記】
ラフロイグのスタンダードボトルである10年モノのサントリーが正規輸入している品に出荷制限が行われ、事実上休売に近い状態になるという話が出ています。


詳しくは下記記事を参考にしてください。


www.oishikerya.com



合せて読みたい記事
www.oishikerya.com