昨今ウイスキーブームが盛り上がるなかで、価格の高騰やラインナップの変更などが相次ぎ、本当に美味しいウイスキーを探し出してなおかつ飲み続けるのは難しくなってきています。
そんななかで、微妙な変化はあるものの、長い間味わいを安定させていてファンを納得させ続けている銘柄があるのも事実。
そのようなウイスキーは愛好家から敬意を持って楽しまれており、またこれからウイスキーを愉しみたい初心者にも積極的におすすめされて飲まれるべきだと思います。
そこで今回はいま筆者がスタンダードに手に入るウイスキーのなかで最も優れたバランスを誇っていると感じている「タリスカー10年」とタリスカー蒸留所の生み出すウイスキーそのものの魅力について紹介していきたいと思います。
スコッチウイスキーの雄、タリスカー
スコッチウイスキーのなかでも初心者からマニアまで幅広く愛されている稀有なブランド「タリスカー」の秘密に迫ります。
自然豊かなスカイ島で作られるタリスカー
タリスカーはスコッチシングルモルトウイスキーのひとつで、スコットランドはスカイ島で作られています。
まるで鳥が翼を広げたような形をしていることからスカイ島と名づけられている島はスコットランド北部にある島のひとつで、島内にはタリスカー蒸留所はもちろんのこと、豊かな自然とそれが織りなす景観が広がっており、特に夏場には観光客が多い名所としても知られています。
一方で「霧の島」ともいわれるように、非常に天候の変化が激しい場所でもあり、冬場は海が大荒れすることも多いという一面も持っています。
こうした島で作られるタリスカーはまさにスカイ島そのものを表したようなウイスキーで、表面上は荒々しく力強い味わいを見せますが、じっくりと付き合うとそのなかにスカイ島の自然を想像させるような豊かな香り、甘さ、コクといった複雑な要素を感じ取ることができるのです。
数々の名誉と賛辞、まさしくスコッチの雄であるタリスカー
タリスカーは昔からウイスキーラバーにとっては魅力的な蒸留所でした。
ここ20年前後も世界中さまざまなお酒のコンペティションで高い評価を獲得し続け、イギリスの文豪であるロバート・ルイス・スティーブンソンには「酒の王者」と言わしめるほどの存在です。
じっさいに本当にウイスキーに詳しいマニアな人たちもタリスカーに対する評価は非常に高く、その道のプロであるバーテンダーさんのなかにも「家で気軽に飲むのはタリスカー10年」という人が非常に多い印象を受けます。
まさしくスコッチウイスキーの雄と呼べる存在感を放つ、絶対に知っておきたいブランドのひとつだといえるのです。
安定して高いクオリティ出し続けるタリスカーとその10年モノ
タリスカーのスタンダードラインナップである10年。
現在発売されているスタンダードなウイスキーのなかでここまでコスパのいい仕上がりを見せているボトルは他にないのではないでしょうか。
安定感バツグンのタリスカーは今、知るべき一本
数あるウイスキーのなかで、いままでも絶大な信頼や評価を得た銘柄多数存在しました。
しかしウイスキー造りが時代と共に変わりゆくなかで、味わいが落ちたり、経営不振によって廃業したり・・・意外なほどに長年の間その味わいをブレさせずにきた銘柄は少ないといわれています。
タリスカーもまた時代と共にその味わいを少しずつ変化させてきておりなかには「昔のほうが素晴らしかった」という人もいます。
しかし、それでもタリスカーの味わいはいまなお高い水準に保たれているのは間違いありません。
価格の変動も少なく、まだまだ十分にいろいろな人におすすめできるウイスキーとして君臨し続けていると筆者は思います。
周りの有名銘柄たちが味わい、価格、生産量などのバランスで軒並み苦戦しているなかで、いま最も飲むべきウイスキーはタリスカーなのではないかとすら思えてくるほどではないでしょうか?
タリスカー10年のコスパは非常に高い
タリスカーのスタンダードラインナップであるタリスカー10年は3000円前後で販売されているウイスキーです。
スコッチのシングルモルトウイスキーでこの価格帯で購入できるものは今現在非常に少なく、加えてここまで個性的かつ味わいがしっかりしているものを探そうとすると、ほぼタリスカー以外には存在しないとも言えると思います。
そのような点から考えてタリスカー10年はとてもコスパが高いウイスキーであり、3000円クラスのウイスキーを一本購入したい、試してみたいという方にとってはまず間違いのない銘柄なのです。
他にこの価格帯でオススメを挙げるとすればグレンリベットの12年とグレンモーレンジのオリジナルあたりが筆頭でしょうか。それでもタリスカーの安定感を考えると個人的にはタリスカーをおすすめしたいところですが。タリスカーの味わいは?
タリスカーの味わいは非常に個性的でありながらバランスがとれています。
アルコール度数は45.8度。これはタリスカーの拘りのアルコール度数です。タリスカーの味わいを最もバランスよく引き出せるパーセンテージなんでしょう。
香りを嗅いでみるとスモーキーな香りがまっさきに鼻腔ほ支配しますが、さらに嗅ぎ進めると奥に柑橘のような爽やかなフルーツ香やバニラのような甘い香りを見つけることができます。
じっさいに口に含んで味わってみると、燻製、潮、フルーツの酸味、ドライフルーツを連想させるようなフレーバーが広がり、中盤に酒質に由来するボディのある甘み、そしてそれらが一瞬絡み合った後、ドライかつスパイシーに口内から味わいが引いていくのが分かります。
「舌の上で爆発するような」と表現されるタリスカーらしい胡椒感がいいスパイスなって、ただ尖っているだけでなく、非常にバランスの良い味わいに
完成されているのがタリスカー10年の特徴です。
そしてスタンダードボトルであるタリスカー10年の持つこの個性こそが、タリスカーというウイスキーそのものが持つ特徴(ハウススタイル)をそのま体現しているといえるでしょう。
タリスカーの飲み方
タリスカーはスタンダードボトルである10年ですでに完成された味わいを持っています。
そのためストレートやロックといった「ウイスキーそのものの味を楽しむ」飲み方でもじゅうぶんに楽しめるのですが、タリスカー10年はこれに加えて非常にソーダ割り(ハイボール)に適したウイスキーとしても知られています。
タリスカー10年の持つふくよかなボディとスパイシー感がソーダ割りにすることでより強調され、さらに液体としてはスムースに飲みやすくなるため、「ハイボールはタリスカーに限る」という人も少なくありせん。*1
10年以外のラインナップでは基本的にはストレートで楽しむことを推奨しますが、どの商品もタリスカーの個性を秘めた逸品なので、贅沢にいろいろな飲み方を試してみるのも一興かもしれませんね。
タリスカーの種類
タリスカーのラインナップについて解説します。
タリスカー10年
まずはスタンダードボトルのタリスカー10年。これを飲まずしてタリスカーは語れません。
先ほどもテイスティングしたようにしっかりとしたボディにスパイス感とドライなニュアンスが味を占め、ウイスキーとして非常に完成されたボトル。
それでいてソーダ割りなどライトな飲み方でも楽しめるポテンシャルと価格帯でもはや言うことはありません。ぜひ自宅に一本持って置きたいウイスキーのひとつです。
タリスカー ストーム
タリスカーの持つ荒々しい個性の部分を強調したタリスカーストーム。嵐のような風味を持つタリスカーの一面をより引き出すため、数ある原酒からスパイシーなものを選別してブレンドすることで作られています。
タリスカーの特徴である潮の香り、そして黒コショウのようなスパイシーさがしっかりと感じられる半面で、蜜のような甘みが10年よりも強く表れている不思議なボトルで、10年よりも飲みやすいと評価する人もいますね。
こちらも10年同様ソーダ割りにも適したボトルで、10年のソーダ割りより甘みも感じられる仕上がりを楽しめます。
タリスカー18年
18年の熟成を経たタリスカーは10年よりより複雑でエレガントな佇まいに。
フルーツ感とやわらかな甘みが引き立ち、10年に感じられる荒々しい部分は削られ、優しさが見え隠れしています。しかし余韻にかけて確かにタリスカーのスパイシーさが感じられます。
10年飲み比べると、まるで人間の少年から青年への成長を見届けているような感情が湧いてきて、ウイスキーもまた生きているんだと実感させられるボトル。タリスカーのラインナップでも一番完成されていると評価する人も少なくありません。
タリスカー25年
毎年限定数量発売されているタリスカーの25年。
25歳といえば人間であれば大人として成熟し始める段階に差し掛かる時期ですが、ウイスキーは少しばかり成長が早いようで、酸いも甘いも経験した円熟の領域に差し掛かっているボトルです。
濃厚な蜜のような甘みが全体を支配しており、奥からはふんわりとフルーツの香りが広がります。しかしそのなかにはタリスカー特有のスパイシー感がほんのりと共存しており、長い時間をかけて個性が身体に馴染んで"ひとつの味"になったことが分かります。
これはぜひともストレートで。高額ですがタリスカーに魅了されたなら一度は飲んでみたい銘酒です。
その他
タリスカーは他にもさまざまなラインナップが限定で発売されています。
例えば25年同様に長期熟成シリーズとして定期的にリリースされているタリスカー30年、2018年に限定発売されたタリスカー8年など。
海外通販一度やりだすととまんないよねー。前評判通りとってもおいしいボトルでした。 pic.twitter.com/nXz9QnW470
— おいしけりゃなんでもいい! (@bollet_jp) 2018年10月18日
こうしたラインナップをいろいろと楽しむのであればバーなどで少しずつ飲み比べするしかないのですが、一般的に購入できるタリスカーを楽しんでその魅力にハマったのであれば、そうした専門店へ足をのばしてみるのもいいかもしれませんね。
タリスカーの飲み方や種類は?のまとめ
タリスカーはウイスキー戦国時代にある現在において、最もコストパフォーンスよく楽しめる一本だと断言できるでしょう。
じっさいに筆者をはじめ周りのウイスキー好きの間でもタリスカーは絶大な人気を得ており、新商品の発売に目を光らせている人や日常的に゛宅でタリスカーを楽しむ人も少なくありません。
これを機会にぜひタリスカーの魅力を存分に味わってみてはいかがでしょうか?
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*1:じっさいにバーなどでもハイボールはタリスカーベースで作るお店も多いですね。