いまやビールに次ぐといってもいいくらい一般的なドリンクとなったハイボール。
最近ではビールは頼まずいきなりハイボールを飲むという人も少なくないのではないでしょうか。
ハイボールは食事にあうというだけでなく、糖質がなくダイエット中にも楽しめたりボトルでウイスキーを買って自分でソーダで割れば意外とコスパもよかったりと魅力も多いドリンクです。
さらにベースのウイスキーの銘柄を変えるだけで味の幅がぐっと広がるため飲み飽きしないのも魅力。
そこで本記事ではぜひ一度は試してほしいハイボールに使いたいウイスキー銘柄を厳選紹介していきます。
もちろん人によって味の好みが異なるためここに書いてある作り方が全てではありませんが、どうしてそういう手順で作るのかという理屈を理解することで自分好みの味わいにもアレンジできると思います。
ぜひ自分にとって最高のハイボールを自宅で気軽に再現できるようにしてみましょう。
- ハイボールにおすすめのウイスキーの選び方は?
- ハイボールに向いているウイスキーかどうかは甘さを引き出せるかどうかでわかる
- 自宅で楽しめるハイボールにおすすめのウイスキー銘柄
- ハイボールにおすすめのウイスキーを紹介のまとめ
ハイボールにおすすめのウイスキーの選び方は?
ハイボールはウイスキーを炭酸で割っただけのシンプルなカクテルですが、それ故にベースに使うウイスキーを変えるだけで劇的に味の変化を楽しめます。
しかし無数に存在するウイスキーからハイボールにしておいしい銘柄を探すのはもとからウイスキーに詳しい人でないと難しいでしょう。
ではじっさいのところハイボールにあうウイスキーとはどのようなウイスキーなのか、その選び方のポイントを解説していきます。
高品質のウイスキーだからハイボールに向いているわけではない
ウイスキーの品質の基準はさまざまですが、熟成年数や価格帯がもっとも分かりやすい指標になります。
では長い熟成をされて高いウイスキーはハイボールに向いているのか?
じつは一概にそうとはいえません。
ハイボール=ソーダ割りという飲み方はウイスキーを薄めて飲み側面も持っているため、繊細すぎるウイスキー、複雑すぎるウイスキーはあまり向いていません。
また熟成によって樽の味わいが強く出すぎてしまったウイスキーはソーダや水を加えると苦味やエグミが浮き出てくるものもあります。
そのためハイボールに向いているウイスキーは値段や熟成年数で決定することは難しいといえるでしょう。
好きな味、飲みたい味を明確にする
ウイスキーとひとくちにいっても産地から製法までさまざま。
味わいに非常に幅があるのが特徴です。
どんな味のウイスキーをソーダで割るのかでハイボールの味は当然変わってきます。
ウイスキーの好みを正確にするのは難しいかもしれませんが、せめて「スッキリ」しているほうがいいのか「濃厚」なほうがいいのか。
フレーバーにクセがあったほうがいいのか(スモーキーさや樽の強さなど)、ナチュラルなほうがいいのかといった指標をハッキリさせておくと格段に選びやすくなります。
ハイボールにあう銘柄は「自分にあったウイスキーの味」によって変わってくるのです。
予算から選ぶ
本記事ではコスパのいい銘柄から少し贅沢な銘柄まで紹介していますが、価格の安い銘柄であれば1000円前後から購入できます。
仮に1本1500円のウイスキーであれば、ハイボール1杯に30ml使うとして23杯程度楽しめることになります。
ソーダと氷代を無視すれば原価は65円。すべて含んでも一杯あたり100円前後で収まるので缶ビールよりも安い計算になりますね。
ただしあまり安い価格帯のウイスキーはロックやストレートで楽しむのには不向きなものも多く、その場合はハイボール専用で買う必要がでてきます。
高価格帯のものはハイボール以外にもロックやストレートで楽しめるので汎用性が高く、そうした点も頭に入れつつ予算を決定するといいかもしれませんね。
1本あたりの価格はもちろん大切ですが、1杯あたりの価格も計算してみると意外と手が出せる範囲は広いかもしれませんよ。
ハイボールに向いているウイスキーかどうかは甘さを引き出せるかどうかでわかる
ハイボールにあうウイスキーについて調べるとさまざまなサイトで多様なウイスキーがおすすめされていますが、意外に特定の銘柄に偏っているのに気づかれる方も多いのではないでしょうか?
星の数ほどあるウイスキーのなかでハイボールにあうウイスキーはじつはいくらでもあるわけではありません。
「高品質のウイスキーだからハイボールにあうわけではない」で解説したようにハイボール向きではウイスキーはそれなりに存在します。
ではハイボールに合うと判断する基準はなにか?
いろいろとあると思うのですが、筆者が考える基準はソーダで割ったときに甘さを引き出せるかどうかです。
このポイントはあまり語っている人を見たことがないのですが、少なくとも筆者はこのポイントは最重視しています。
ウイスキーは不思議なことにそのまま割らずに飲むと感じられなかった味が水やソーダで割った時に感じられるようになることがあるのですが、そのうちのひとつが甘さです。
これは決して糖分の甘さではなく、おそらく樽の味やアルコールのボリュームからくる厚みのようなものでこれがないウイスキーはソーダで割るとスカスカに感じておいしくありません。
しかもこの甘さ、じつはきちんと作らないと出てこないものなので、感じたことのない人はぜひ一度バーなどでプロの作るハイボールを頼んでみてください。甘さを感じることができるはずです。
自宅で楽しめるハイボールにおすすめのウイスキー銘柄
コスパ部門
デュワーズ ホワイトラベル |
ティーチャーズ ハイランドクリーム |
ブッシュミルズ オリジナル |
|
---|---|---|---|
産地 | スコットランド | スコットランド | アイルランド |
クセの強さ | 普通 | 強め | 弱い |
コスパ部門では日々の晩酌にも適した一本あたり1000円前後のウイスキーを紹介します。
1杯あたりビール1缶の半額以下で楽しめるハイボールを楽しみましょう。
デュワーズ ホワイトラベル
デュワーズはスコッチウイスキーの一種でブレンデッドと呼ばれる複数のウイスキーを混ぜ合わせて作られている銘柄です。
デュワーズのなかでもホワイトラベルは価格が1000円前後と安く、1899年の誕生以来多くのファンに愛されているウイスキーです。
ライト&スムースな味わいはハイボールに最適な一本ともいわれており、じっさいに輸入元でもハイボールウイスキーとして押し出しているほどです。
クセがなく飲み口のよいデュワーズハイボールはもっと広がってもいいと思うのですが、まだまだ一般的な認知度は高くありません。
ためしに買いやすい価格帯ですし、ぜひこの機会にその魅力を知っておきたいですね。
ティーチャーズ ハイランドクリーム
ティーチャーズはデュワーズよりさらに知名度の低い銘柄で、そこそこウイスキーに詳しくないと知っている人も少ないかもしれません。
価格は1000円前後で低価格帯ですが、特筆すべきはこの価格帯でスモーキーフレーバーがしっかりと出ていることでしょう。
スコッチ特有のこのスモーキーフレーバーは特定蒸留所のシングルモルトに強く出るもので、低価格帯のブレンデッドでここまで強く感じられることはあまりありません。
最近ハイボールでよく飲んでるティーチャーズハイランドクリーム。お店によっては900円台で買えるうえに低価格スコッチにありがちなアルコール臭さもなく、しっかりめに効いたピート感が魅力。普段のみはしばらくコイツにお世話になりそう。 pic.twitter.com/egLG0CGYtO
— "おいしい"を探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) March 20, 2019
全体的にライトでスムースな味わいですが、このスモーキーフレーバーがアクセントになっているためグビグビと飲めてしまうおいしいハイボールに仕上がります。
ハイボール要因として1本持っておくと選択肢が広がっておすすめですね。
ブッシュミルズ オリジナル
アイルランドはスコッチと並んで歴史の古いウイスキーの故郷で、そのなかでも現在稼働している蒸留所で最も古いといわれているのがこのブッシュミルズ蒸留所です。
アイリッシュウイスキー伝統の3回蒸溜にこだわり、ノンピートでクセのない非常に穏やかな味わいを持っているブッシュミルズはハイボールにすることで綺麗に麦の味わいが伸びる佳酒。
デュワーズやティーチャーズと比べてもクリーンな味わいですが、しっかりと余韻に広がる甘みが良質なウイスキーであることを感じさせます。
スコッチは少しクセが強い・・・という方に一度試してもらいたいウイスキーですね。
スッキリ部門
メーカーズマーク | グレンリベット12年 | 宮城狭 | |
---|---|---|---|
産地 | アメリカ | スコットランド | 日本 |
クセの強さ | 普通 | 普通 | 弱め |
価格 | 2000円前後 | 3000円前後 | 4000円前後 |
スッキリ部門ではハイボールに合うウイスキーのなかでもキリッとした飲み口が特徴のウイスキーを紹介します。
コスパ部門のウイスキーと比べると価格的には1000~2000円ほど高いですが、この価格帯の1000円の違いはかなり大きくていっきに味わいがランクアップする印象です。
その違いにも注目して味わってみましょう。
メーカーズマーク レッドトップ
メーカーズマークはアメリカで作られるバーボンウイスキーの銘柄。
バーボンはトウモロコシをメイン材料に作られるウイスキーで、樽の内側を焦がした樽で寝かせることで生まれるバニラやキャラメルのような甘く香ばしい香りが特徴です。
メーカーズマークはアクの強いバーボンのなかでは非常に綺麗な味わいで、ハイボールにすると華やかな香りと甘みが絶妙のバランスで楽しめます。
とはいえボディ自体は軽いウイスキーなのでスッキリとした飲み口で、いくらでも飲めてしまいそうな一杯です。
グレンリベット12年
グレンリベットはスコッチシングルモルトを代表する銘柄で、スコッチウイスキーとして初の政府公認蒸留所となったこんにちのスコッチの発展において欠かすことのできないウイスキーです。
その実力は自社製品に箔を付けるためにグレンリベットという名を勝手に語る造り手が現れたり、高品質の証として形容詞のようにグレンリベットという名前を使ったりされるほど。
青りんごを思わせるようなフルーティーなフレーバーや蜜のような味わいが特徴的で、ボディはライトミディアムでスムース。
ストレートやロックでじゅうぶんに楽しめる銘柄ですが、ハイボールにすることで華やかな香りとキレのある飲み口を楽しめるお酒でもあり、スッキリ系のハイボールがお好きな方には一度試してもらいたい銘酒です。
宮城峡
ニッカウイスキーが作る国産ウイスキーは国内外から高い評価を得ています。
2014年9月から放映されたNHK続テレビ小説「マッサン」の影響もあり一時期は入手困難に陥りましたが、最近では比較的安定供給されるようになってきました。
宮城峡は宮城県仙台市にある蒸留所でクリアな酒質にフルーティーな風味のある国産らしい繊細なウイスキーです。
日本のウイスキーはもともと日本人がお酒に強くないこともあってかソーダや水で割ってもバランスが崩れないように作られているものも多く、宮城峡もまたハイボールでもじゅうぶんに楽しめるポテンシャルを秘めていますね。
濃厚部門
タリスカー10年 | ベンリアック シェリーウッド |
オールドグランダッド 114 |
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---|---|---|---|
産地 | スコットランド | スコットランド | アメリカ |
クセの強さ | 強い | 普通 | 強め |
価格 | 4000円前後 | 6000円前後 | 3000円前後 |
濃厚部門ではどっしりとしたボディを持っていて、ハイボールにしても濃い味わいを楽しめるウイスキーをピックアップしています。
ウイスキーに少し慣れてきたくらいの人はこれくらい濃いウイスキーをハイボールにした時のおいしさも理解できると思います。ぜひ試してみましょう。
タリスカー
タリスカーはスコットランド北西部にあるスカイ島という島で作られているシングルモルトウイスキーです。
比較的しっかりめのスモーキーな香りの奥にバニラのような甘みやフルーツのふくよかなニュアンスを見つけることができる非常に複雑で味わい深い銘酒。
アルコール度数は45.8%と中途半端な感じですが、これがタリスカーの個性を最大限に生かせるこだわりのアルコール濃度になっています。
骨太でしっかりとしたフレーバーもあるためハイボールにしてもソーダに負けることはなく、非常に濃厚な味わいを楽しめます。
タリソー(タリスカーソーダ)などと呼ばれるほどハイボールの定番銘柄としてバーなどで愛されているんですよ。
ベンリアック シェリーウッド
ベンリアックはスコッチ通からは非常にフルーティーで個性のしっかりとしたモルトウイスキーとして人気が高い銘柄です。
最近ではオーナーが切り替わりラインナップの整理が行われましたが、リニューアルして再発売されたこちらのシェリーウッドは個人的にハイボールで楽しみたい一本。
以前よりハイボールにすることでシェリー樽由来の甘みと華やかさを楽しめるまったり濃口系ハイボールのベースとして注目されていました。
シェリー樽はスペインの酒精強化ワインの一種で、このベンリアックは2種類のシェリー樽を使用。
多彩なフルーツ感とスパイシーなエッセンスが絶妙で、味わい深いハイボールが楽しめます。
オールドグランダッド114
数あるバーボンウィスキーの銘柄のなかでも昔ながらのファンから絶大な支持を集めるオールドグランダッド。
そのなかでも114はアルコール度数57度のリッチでパワフルな味わいが特徴です。
バーボン特有のバニラ香のなかに広がる酸味のきいた柑橘やベリーを思わせるフルーツ香りが満足度を高めます。
本来ならロックやストレートで楽しむことが推奨されるかもしれませんが、濃厚でパンチのきいたハイボールを飲みたい方にぜひ試してもらいたい一本です。
ハイボールにおすすめのウイスキーを紹介のまとめ
本記事では個人的にハイボールにおすすめしたいウイスキーの銘柄をジャンル別に紹介して参りました。
味わいの好みは最終的には人によって異なるので一概にコレ!というのを挙げることは難しいです。
ここではあまりマニアック過ぎない銘柄のなかから、それでいて少しセンスの光りそうなアイテムをチョイスしてみました。
ハイボール用にご自宅で常備したい気のきいたウイスキーをお探しの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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