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フルーツは冷やすと甘くなる?その理屈を徹底解説!!冷蔵庫に入れず常温が良い果物は?

フルーツを冷やす


フレッシュなフルーツを手に入れると悩むのが保存の方法。


果物によっても違ってきますが、特に保存する温度・・・すなわち冷蔵庫にいれるべきか否かというのは果物の種類にも状態によっても異なってきます。


そこで本記事では冷やしたほうがいいフルーツ、常温の方がいいフルーツについてまとめていきます。

フルーツは冷やすと甘くなる?

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結論から先に言えばフルーツは冷やすことによって甘くなる性質があるといえます。


ただしこれはフルーツの種類・・・もっといえばフルーツに含まれている糖の種類によって変わってきます。


そこでまずフルーツを冷やすとなぜ甘くなるのかについて解説していきましょう。

フルーツの甘さの構造が温度と関係している

フルーツの甘み成分は主にショ糖、ブドウ糖、果糖によって構成されています。


そしてこれらの糖類はそれぞれ同じ量でも感じる甘みが異なります


ショ糖とブドウ糖は甘みが安定していますが、果糖に関しては条件によって甘さの感じられ方にも幅が存在するのです。



ブドウ糖を直接舐めたことのある人であればわかると思いますが、ショ糖(砂糖)に比べるとブドウ糖の甘みは7~8割程度だとされています。


いっぽうの果糖はブドウ糖と同等程度からショ糖の1.5倍程度まで感じられる甘みに幅があるのです


この果糖の甘さの感じ方を変える条件こそが温度です。


果糖にはαとβのふたつの分子構造の型が存在します


この型は常に一定の割合で存在するのではなく、低温になればβ型が多くα型が少なくなり、高温になるとその逆になります


この特性こそが温度によって果物の味が変わって感じる最大の要因なのです。

果糖は温度によって甘さの感じ方が変わる

さて、温度によって甘さ成分のひとつである果糖の構造が変化するということがわかりました。


そして面白いことにこのふたつの分子はそれぞれで(人間に対する)甘さの感じさせ方が異なるのです。



βはαの三倍もの甘さを感じさせるパワーがあります。


βは温度低いほうが多くなるわけですので、果糖は同量であれば低温状態のほうが甘さを感じやすい性質があることになります。


果物に含まれる果糖の量は種類によって異なるのはもちろん、個体差もあります。


しかし一般的に果物の種類・品種ごとに糖分のなかで果糖が占める割合というのは決まっています


つまり果糖の占める割合が多いフルーツであれば冷やすことによって甘みが増したように感じるということになるのです。

フルーツを冷やして甘くするためには法則がある

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フルーツを冷やして甘くするためにはいくかつのポイントをおさえる必要があります。

一概にすべてのフルーツが冷やすの推奨ではない?

フルーツである以上一定量の果糖は含まれているわけですから、一見するとすべてのフルーツは冷やした方が甘くなると考えてしまいそうです。


これは確かに正しい考えなのですが、一概にすべてのフルーツをキンキンに冷やすべきかというとそうではありません。


フルーツによっては果糖の割合が非常に少ないものも少なくありません。


こうしたフルーツは温度を下げることによって生じる変化が小さくなってしまいます


変化が小さくても甘くなるのは変わりないのでは?思うかもしれませんが、基本的に人間の味覚は温度が下がれば下がるほど感度が鈍くなります。


果糖が少ないフルーツは、微量な果糖がβ型になることによって甘くなるよりも温度が下がることによって甘みそのものを感じにくくなってしまう方が大きくなってしまうので常温に近いほうが甘みが強く感じられる傾向にあるのです。

フルーツを冷やす場合も温度に気を付けよう

冷やすといってもとにかく冷たくすればいいわけではありません。


さきほども述べたようにヒトの舌が鈍くならない程度の温度で、かつβ型を活発にするためには10度前後がバランスがよいと考えられています。


つまり冷蔵庫の冷風のあたる場所や奥の方の冷たい場所はあまり推奨できません。


いちばんいいのはワインセラーのような温度管理の出来る設備を導入することですが、ご家庭でしたら野菜室を活用するのがオススメです。


さらに温度を安定させて乾燥を防ぐために新聞紙などでくるんでおくのが理想の冷やし方となります。

低温障害を起こすフルーツに気を付ける

フルーツのなかには低温障害を引き起こすものがあります。


マンゴーやレモン、バナナ、パッションフルーツといった主に南国系の果物にその傾向があります。


これらのフルーツはそもそも冷たい場所にいる前提がないため、冷蔵庫などの冷たい場所に保管されると甘さが抜けたり、水っぽくなったり、最悪腐敗が進んでしまうといった問題が起こってしまうのです。


こうしたフルーツは基本的には常温冷所で保管しつつ、食べる1~2時間前くらいに冷蔵庫に入れて少しだけ冷たくしてから食べるのがおすすめです。

冷やすと甘くなるフルーツ、冷蔵庫にいれない方がいいフルーツ


ここまで見てきたように果糖の割合によって果物は温度による甘さの感じ方が異なります。


つまりフルーツの種類によって冷やした方がいいものと冷やさない方がいいものがあることになるのです。

冷やすと甘くなるフルーツ

冷やすと甘くなるフルーツは果糖の含有量が多いフルーツです。ここに挙げるフルーツは基本的に冷蔵庫でしっかりと冷やしてから食べるのがオススメです。

果糖の量が少なく冷やして甘くなることがあまりないフルーツ

ここに挙げるフルーツは果糖の量が少ないため、冷やすことによって特別甘くなることのないフルーツです。

みかんなどは常温のほうが甘く感じる経験をしたことのある人も多いと思いますが、冬場に冷蔵庫にいれてキンキンになったみかんよりもこたつの近くにある常温のみかんのほうが甘みが感じやすいためそう思うのですね。

低温障害を起こしやすいため扱いに気を付けたいフルーツ

最後に低温障害を起こしやすいフルーツの代表も挙げておきましょう。


例外もありますが、おもしろいことに低温障害を起こしやすいフルーツは果糖の占める割合が比較的少ない傾向にあります。


もうひとつの特徴として、ここに挙げられるフルーツは追熟を必要とするフルーツが多いということです。


追熟は原則常温下で行う必要がある点にも注意しましょう。



ここで挙げたフルーツは必ずしも常温のほうがいいというワケではなく、食べる前には少し温度を下げた方が美味しく感じるものばかりです。


食べごろになったこれらのフルーツは食べる1~2時間前に冷蔵庫にいれて軽く冷やしてから食べると美味しく食べられます。冷やし過ぎて低温障害を起こさないように意識してみましょう。


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フルーツは冷やすと甘くなる?のまとめ

フルーツが冷やすと甘くなることがあるのは、糖類の一種である果糖が温度が低いときに強く甘みを感じやすい性質があるからだということがわかりました。


果糖の占める割合によって冷やすことによる甘さの強さは変わり、またフルーツによっては低温での保存が好ましくないものがあることもわかりましたね。


フルーツをご自宅で保存するときはぜひそのフルーツの特徴を理解し、それに適した保存をしてよりおいしく頂けるようにしましょう。



最近は安価で小型のワインセラーなども流通しています。


当ブログでも紹介することの多いチーズチョコレートなども温度管理ができるとより楽しめますが、フルーツもそうした傾向にあります。


ご家庭で導入している方も多いので、もしスペースに余裕があればぜひ見当してみてください。





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