年間通してさまざまなフルーツを楽しめるのが日本に住むうえでの魅力。
なかでも、冬から春にかけてフルーツ売り場を彩る存在と言えば『いちご』でしょう。
人気のフルーツだけに品種ごとの競争も熾烈で、年々新しい品種が生まれてはなかには人知れず市場から淘汰されるものもあるほどです。
今回はそんな中から比較的入手が容易な品種をピックアップして食べ比べて味わい、糖度などをデータ化した上で、筆者の個人的な観点も踏まえてランキング化してみました。
改めて食べ比べると味の違いは明確になりますね。
今後他の品種も手に入り次第データを追加していければと思います。
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- ランキングにエントリーするいちご品種の選定基準
- いちごの品種別の味の違いとランキング
- その他のおすすめいちご品種
- いちごを楽しむならふるさと納税を狙おう!
- いちごの品種別の味の違いとランキングのまとめ
ランキングにエントリーするいちご品種の選定基準
本ランキングでは新品種から定番の人気品種の中から5つのいちご品種はピックアップしています。
まずはどのようにしてこの5品種をチョイスしたのか、そしてランキングをつけるうえでの基準などを確認します。
ランキングにエントリーする人気のいちご5品種
それではまずエントリーするいちごの品種をご紹介します。
エントリー品種は以上5品種。左から福岡より"あまおう"、栃木より"スカイベリー"と"ロイヤルクイーン"、静岡より"きらぴ香"、茨城より"とちおとめ"がエントリー。
安心安定の"とちおとめ"やもはや定番となった"あまおう"は知っている方も多いことでしょうが、それと比べるとDQNネームのような雰囲気を漂わせる"きらぴ香"や"ロイヤルクイーン"なども気になるところ。
アングルを変えて、今度はヘタ方向からのビジュアルもチェックしてみましょう。
どれも素敵な色合いを持ったいちごがエントリーしてくれました。これを今から食べ比べられると思うといちご好きとしては興奮冷めやらぬ思いです。
ランキングを参考にするさいの注意点
さて、ランキング前に注意事項です。
まず今回揃えたいちごは全てスーパーで購入したため鮮度にバラつきがあります。
特に値段も高く粒が大きい贈答用のような形で売られていた1~3番は4~5番に比べて少し鮮度落ちしている印象がありますので、実際に食した後に各いちごの客観的な食味をインターネット上で補てんした上でデータ化、ランキング化したいと思います。あしからずご了承ください。
また、本ランキングは筆者の個人的な好みと意見によって決定づけられるもので、どのいちご品種も大変優秀かつ素晴らしいものであり、そこに根本的な優劣を決めるものではないことはご理解くださいませ。
それでは各いちごのデータ化とランキングへと参りましょう。
いちごの品種別の味の違いとランキング
いちご品種ランキング第1位「スカイベリー」
堂々第一にランクインしましたのは栃木の新星であるスカイベリー。日本で最もいちごを生産する栃木県で生まれた"栃木i27号"という品種に一般公募で命名を依頼し、大空にとどほどの大きさ、美味しさを持ち、栃木の名山である「皇海山(すかいさん)」にちなんで名付けられました。
もともと栃木を代表するいちごといえば"とちおとめ"ですが、現在とちおとめは全国で栽培が許されています。それに対してスカイベリーはとちおとめの後継者として栃木のいちご市場を差別化するブランドで、現在栃木県のみがその生産権を所有しています。
スカイベリーの味わい
スカイベリーはまさにとちおとめをそのまま昇華させたよう存在感を放っています。
ズバリ、スカイベリーの味わいの特徴は酸味と甘みのバランス、適度な果肉感、そしてとちおとめには無いサイズ感です。
近年、いちごに限らずフルーツが「甘ければ高級」という嗜好性を見せる中で、スカイベリーは甘すぎず、酸味も絡ませたバランス重視の味わいで、いちごに必要な"甘酸っぱさ"を表現しています。
かつやわらかすぎない歯ごたえのある食感は食べごたえにも繋がり、サイズ感も大きいため贈答用にも適し、存在感と高級感も。
後述するとちおとめと甲乙つけがたい部分もありますが、現状ではとちおとめよりもブランドイメージを重視した生産・販売体制がしかれているためハズレ個体をひく可能性も低く、個体も大きめ、生産者や食べる場所を限定しない条件下では一粒当たりの満足感という意味では個人的にはこちらに軍配があがるかなという印象です。
いちご品種ランキング第2位 「きらぴ香」
静岡県はフルーツ好きなら注目度の高い県で、多種多様なフルーツを数より品質で勝負して生産しています。
いちごに関しては今まで紅ほっぺという品種を主力として頑張っていたものの個人的に今一つピンとこない印象でしたが、今回食べたきらぴ香が予想以上に完成度が高く、今後への期待も込めて上位にランクインしました。
きらぴ香は2017年に品種登録が完了したばかりの新品種で紅ほっぺの血を用いて17年にわたる育成の末に行き着いた静岡の自信作で、今後はきらぴ香をメインに栽培を切り替えたいと意気込むほど。
フルーツの隠れた名産地である静岡の送りだす刺客が今後いちご市場にどのような影響を与えるのか注目です。
きらぴ香の味わい
甘みがしっかりとしつつ酸味が少し穏やかで、総じて甘さをしっかりと感じられつつもあとに酸味がさわやかに乗ってくるという印象。
粒もさほど大きくはないですが、果肉感はしっかりとしていて"ちょうどいい"感じ。香りも良く、こちらもバランスのとれた味わいで、値付けが他のブランドものと比べると安価なのも嬉しいポイント。
今後より日常使いとしてのいちご品種として知名度を上げてほしい品種です。もちろん贈答用として大玉になってきても美味しいと予想され、まだまだ知られていない新人だけに贈答用として新しいもの好きな方にもオススメできそう。
いちご品種ランキング第3位 「とちおとめ」
今や栃木のみならず全国的に栽培されているとちおとめは日本のいちご市場を代表する品種。
特に東日本では圧倒的な知名度と存在感を放っています。
とちおとめの魅力は生産者の豊富さと栽培技術の浸透によってもはや同一品種とは思えないほど味の違いを持ったとちおとめを楽しめる点。実際に筆者が購入したスーパーにもとちおとめだけで4パッケージほど存在し、粒感も異なるものばかりでした。
正直筆者が今まで食べたことのあるいちごの中で最も美味しかったのはとちおとめでした。
いちごは鮮度も重要なので、採れたてでかつ贈答用を意識した大粒のとちおとめで、かつこだわりの生産者さんのつくったものはまさに王者の風格をもっています。
その反面で安価なものにはハズレも多く、高価なものは値段的には他の稀少ブランドと変わらないくらい高いのに珍しさはないということで、嗜好品フルーツとしては物の真価が分かる方向きになりつつあるようにあるという点でここにランクインしました。
とちおとめの味わい
一見すると平凡なとちおとめですが、とちおとめの魅力はこのニュートラルな味わいにあります。
まさしくすっぴん美人で素材の良い女性というイメージで、化粧やファッションをいじればスターダムにのし上がれる可能性を秘めているのがとちおとめの特徴です。
もちろんそれは今回挙げた他のいちごにもいえることなのですが、とちおとめ最大のメリットは豊富な栽培経験が培われていることだと思います。
いわば化粧やファッションの技術を研究しつくしたカリスマスタイリストがついているような状態なのです。
美味しいとちおとめに出会いたい方はぜひ生産者に注目してみましょう。近場に直売所のようなフルーツ売り場があればラッキーで、美味しいとちおとめに出会えるかもしれません。
いちご品種ランキング第4位 「あまおう」
東日本はとちおとめ、西日本はあまおうと言われているほど日本を代表するいちごのひとつ。赤くて丸くて大きくてうまいという意味をこめて名づけられました。
苺品種のなかでは大玉で赤みがつよく、みるからに美味しそうなビジュアルが魅力。
あまおうを押し出した加工商品も多く、派手な存在感はいちご界随一と言えるでしょう。
昔と比べると値段も落ち着いてきている印象でお求めやすくなっていること、栽培技術の確立もどんどん進んでいるように思われることから、今後はやはりとちおとめ的な位置づけになっていくのではないでしょうか。
あまおうの味わい
あまおうを食べてまず驚くのはその甘さ。いちごの中でも随一の甘みを持つあまおうを一番好きないちごに挙げる方も多いことでしょう。
味の濃度・・・特に甘さにおいてはスバ抜けたいちごですが、反面で甘さがクドく感じることも多く個人的にはこの順位付とさせて頂きました。
また、東日本住まいの筆者は残念ながら産直の気合の入ったあまおうを食べる機会が少なく、それどころからスーパーに陳列されているものの中には若干劣化がみられるものも多いことからあまおうの真価を体験したことがないのも要因のひとつ。
その点においてはあまおうは西日本の方にとってはスカイベリーやきらぴ香といった今回の上位品種よりも美味しく感じやすい品種かもしれませんね。
いちご品種ランキング第5位 「ロイヤルクイーン」
ロイヤルクイーンは赤木博さんという苺界で有名な方が炭そ病に強い品種として生み出した品種。2011年に登録された比較的新しい品種で、出光興産の微生物農薬「ボトキラー」を使用するなど、栽培方法にも細かい決まりがあり、値段も比較的高値でつけられています。
濃い深紅の色合いと溢れるジューシーな果肉が特徴。口に入れて噛むとほどけるようなやわらかい食感で、ジュワジュワした感じがお好みの方にはたまらないいちごです。
ロイヤルクイーンの味わい
ロイヤルクイーンはあまおうほどでは無いですが甘さ重視の味わいで酸味はあまり感じません。やわらかい果肉で果汁の量も多く、子供などには特に受けそうな味わいです。
今回食べ比べた品種のなかでは単体で食べた時のバランスはいまひとつで、どちらかというと加工用に適しているのではないかと感じました。
出荷に際してもスポンジ乗せで出荷されるなど、家庭消費用というよりは贈答用や特別な用途を狙っている印象で、新しいもの好きな方にはオススメできるかも。
その他のおすすめいちご品種

いちごは品種が多すぎてなかなかすべてを追いきれないのですが、今回のランキング以外でもおいしいものがたくさんあります。
基本的には市場に出回っている時点で不味くて食べられない・・・というものはないのですが、ここでは惜しくもランキングにはランクインしなかったものの、見つけたら一度は食べたい魅力的ないちご品種を紹介していきます。
ゆめのか
ゆめのかの繊細さは最近の濃い味で派手派手ないちごに飽きた人にはウケそう。すっぴん美人という感じ。ゆうべには色が濃く香りもいいのですが、口に含んだ味わいとしては中途半端感があるかなぁ。まだまだ栽培環境整ってないだろうから今後に期待!
— おいしけりゃなんでもいい! (@bollet_jp) 2019年1月22日
さっぱりとした味わいで軽めのいちごが好きな人にウケそうな品種でした。
いちごはフルーツのなかでも競争が激しい傾向にあります。新品種の開発なども盛んに行われていて、まだまだ知らないいちごに出会う機会がありそうですね。
おいCベリー
苺シーズンもそろそろ佳境ですが、2018~19で最も食べたのが「おいCベリー」。冗談みたいな名前ですが、さちのかを親に持つ2010年発表の新品種。糖度17度前後で甘味がかなり強く、ビタミンCが既存品種より多いのが特徴。香りも強くて今後主要品種になっていくかもと感じました。 pic.twitter.com/l0HdGVGL4N
— おいしけりゃなんでもいい! (@bollet_jp) March 20, 2019
2018~19年で一番食べたいちごは「おいCベリー」でした。ビタミンCの含有量が多いことと食味よさをかけた名前。甘味が強くねっとり系。濃い味好きなら注目したいですね。
やよいひめ

近年とちおとめ、あまおうに次いで見かける機会が増えてきたやよいひめ。
群馬生まれのいちごで甘みと酸味のバランスが優れた品種です。

弥生の名の通り果肉がしっかりしていて、本来味が落ち始める3月以降の春先にもクオリティを維持できるのが特徴。
価格もいちごのなかではお求めやすいことが多く、その使い勝手の良さから今後ますますいちごの主要品種として注目されるのではないかと思います。
しなのベリー
2019~2020年にかけて新たに魅力を発見したのがしなのベリー。
甘さと酸味のバランスに濃厚な香りが突き抜ける素晴らしい品種だと思います。
まだまだ市場で見かける機会はすくないですが、取り寄せてでも食べる価値のある完成度だと感じましたので紹介しておきます。
個人的にはもう少し安定供給されるようになったらランキングにも食い込んできそうな勢いですね。
いちごを楽しむならふるさと納税を狙おう!
いちごはフルーツのなかでも特に個体差の激しい果実のひとつです。また傷みやすいというのも特徴です。
そのため、おいしいいちごを楽しむなら鮮度がいいもの、そして選果された商品を選ぶことが必須になります。
小粒で中途半端に安いものを買うと傷んでいたり味が落ちていたりして損をするケースも少なくないので、信頼のおける青果店で買うか近くにそうしたお店が無い場合はネットで産地直送を狙いたいものです。
最近ではふるさと納税がおすすめで、特に高級フルーツに関しては産地直送で鮮度も質も高いものをお得に手に入れることも可能です。
うまく使えば数万円分のフルーツも実質2000円で手に入れられるのがふるさと納税のメリット。
ふるさと納税を活用していちごを楽しんでみてもいいかもしれませんね。
いちごの品種別の味の違いとランキングのまとめ
今や戦国時代とも揶揄れる苺業界では常に新しい品種が生み出され、次世代のとちおとめやあまおうの座を狙って味わいやストーリーにまで演出を行っています。
一方で長い栽培経験を活かしたとちおとめなどの主要品種は味にばらつきこそあるものの、美味しい生産者に出会えれば他をよせつけないクオリティを誇ることも・・・。
いちご一つとっても楽しみ方はそれぞれですが、スーパーなどの量販店で購入する場合は品種重視、生産の者の顔が見えるお店なら生産者重視でいちごを選ぶと感動的ないちごとの出会いに恵まれるかもしれません。
ぜひ美味しいいちごとの出会いに挑戦してみてください。
www.oishikerya.com
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