鴨肉の調理法はいくつかありますが、鴨の風味、食感、見た目をもっとも活かせるのはシンプルにソテーやローストで火を通してソースで楽しむいわゆるステーキ的な食べ方でしょう。
しかし鴨肉は調理が少しだけ難しいためご自宅で挑戦しようとする方も躊躇してしまうかもしれません。(一般的にステーキ用の鴨肉は不均等に厚みがあって火の通し方が難しい傾向にある)
手頃にかつ確実に調理するのであればオーブンを使ってローストしたり低温調理器を使用するのがいいのですが、ローストは簡単なように見えてオーブンの個体差にも左右されるため慣れない食材を一回できれいに仕上げるのはじつは難しいですし低温調理器は導入にコストがかかります。
しかしそんな鴨肉も焼き方のコツさえおさえておけばフライパンで焼いても大きな失敗は起こりません。
他の肉に比べて根気よく手をかけてあげる必要はありますが、ちゃんと焼いてあげればその辺のレストラン顔負けの本格鴨ステーキが楽しめます。
ぜひこの機会にフライパンでの鴨肉の焼き方をマスターしてちょっとした贅沢に鴨肉をご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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鴨肉を焼く前の下準備
鴨肉を用意する
鴨肉は一般的なスーパーに陳列されているような商品ではありませんが、いまでは通販などを利用して気軽に買い求めることができます。
ひとくちに鴨肉といっても産地や品種はさまざまですが、安価に済ませたいのであれば台湾産やフィリピン産、またハンガリー産も品質の割りに比較的安い傾向にあります。
国産やフランス産はどうしても価格的に高くなってしまいますがそのぶん非常に品質に優れています。
いずれにせよステーキのように鴨肉の味勝負な調理に挑戦するのであればできれば質の高いものに挑戦してみてほしいですね。
下処理
鴨肉に限らず肉をソテーするさいの鉄則として冷蔵庫から取り出して常温になった肉を使うというものがあります。
そのため鴨肉を調理するさいは調理する数時間前に冷蔵庫から取り出しておくように。
海外産の鴨肉は購入するときに冷凍の場合も多いですが、その場合は解凍→常温と1日ほど前から準備する必要があります。
冷蔵庫から取り出した鴨肉はまず皮目に格子状の切り込みをいれて皮が反り返らないようにしておきます。
常温の鴨肉の皮は柔らかく処理しづらいので、冷蔵庫からとり出した直後に切れ込みをいれておくとよいでしょう。
鴨肉のフライパンでの焼き方
常温に戻し、軽く塩コショウをふった鴨肉を皮目を下にしてフライパンに敷きます。
このさいフライパンに油をいれる必要はありません。
弱火で焼きはじめ、数分かけて脂が溶けだしてくるのを待ちます。
脂が溜まってきたら火加減はそのままで脂をスプーンで救って表面にかけ、またすくってかけるというのをひたすら繰り返します。
これはフレンチのアロゼと呼ばれる手法で、熱された脂を表面にかけることでフライパンに接していない方からも熱を入れることができます。
鴨肉のソテーは弱火で時間をかけて火をいれていくのが鉄則なので、アロゼが適しているのです。
およそ15分~20分ほどかけて弱火でひたすら根気強くアロゼしながら焼いていきます。
身の厚さにもよりますが、15分でレア、20分でミディアムくらいの火の通り方です(弱火でアロゼをし続けた場合)。
時間がきたらひっくり返して最後に3分ほど身の方も焼いていきます。
肉の食感を崩さないために皮目だけを20~30分かけて焼いて(アロゼしながら)火を通したほうがよいとも言われていますが、この場合焼き加減の見極めがより難しくなります。
鴨肉も個体によって厚みが違うため正確に何分焼くべきとは言えません。
そう考えたときに鴨肉を焼きなれていない人は身の方も3~5分ほど火を通すことで鴨肉を扱いなくても確実に火を通すことができます。
焼き終えたらすかさずアルミホイルで包んで余熱で芯まで火を通します。
およそ20分ほど。長いようですがゆっくり火を通すために必要な行程です。
時間がきたらカットしてお皿に盛り付けて完成です。
今回は非常にシンプルなバルサミコソースをかけていますが、鴨肉はソースや付け合わせにこだわるとより美味しく楽しめるので好みの組み合わせで用意してみてください。
鴨肉のソテーやローストにあうソースや付け合わせ
鴨肉のソテーやローストにはマッシュポテトやりんごのソテーが定番の付け合わせです。
インゲン、アスパラ、トマトなどを添えてあげると彩りも完璧ですね。
ソースはオレンジジュースやマーマレードを白ワインなどで伸ばして作るオレンジソース、バルサミコ酢に砂糖を少し加えて1/3程度まで煮詰めて作るバルサミコソース、ポートワインやマディラ酒を煮詰めて作る甘口ワインのソースなどが相性がいいです。
少し甘口でこってりとしたソースとあわせることでいかにもフレンチっぽい味わいを楽しめますね。
鴨肉の焼き方まとめ
本記事ではなかなか一般のご家庭で調理する機会の少ない鴨肉の焼き方について解説してきました。
食材としては手にすることも少ない鴨肉ですが調理法は基本的には少し厚めのステーキ肉、鶏肉ももや胸肉のソテーなどと大きく変わりません。
この手の肉は弱火でじっくりと加熱して、焼きあげたらアルミホイルで包んで予熱で加熱+肉汁を閉じ込めて肉を安定させるというのが共通のポイント。
ぜひちょっとした贅沢ニ、特別な日のディナー、ホームパーティーなどで鴨肉を調理してみてはいかがでしょうか?
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