おいしけりゃなんでもいい!

身近にある美味しいものを探したい。おいしけりゃ、なんでもいいんだけれど。

スポンサーリンク

フランスの乾燥加工肉「ソシソンセック」とは?サラミとの違いを解説。おいしいソシソンセックも紹介


ソシソンセック(Le Saucisson sec)という食べ物をご存知でしょうか?


これはフランス版のサラミのような食べ物なのですが、加工肉愛好家からするとソシソンセックをサラミとして語ることを嫌がる人も少なくないでしょう。


ぱっと見は似ていても中身は結構違うもの・・・今回は筆者お気に入りのショップ(ハイ食材室)から取り寄せたおいしいソシソンセックを食べながら、ソシソンセックとはどんなものなのか?サラミとの違いはどこにあるのかをまとめていきたいと思います。

フランスを代表する加工肉ソシソン(セック)とは?

フランスにはソシス(saucisse)と呼ばれる加工肉製品があり、これは日本人に馴染のある言葉で言うところのソーセージにあたります。より厳密にいえばソシスは非加熱の生ソーセージのことです。


これに加熱調理ないしは乾燥処理を施したものをソシソンと呼びます。一般的に訳せばソーセージないしはサラミ。ソーセージとして捉える場合は、イタリア語でサルシッチャ、スペイン語でサルシチョン、ドイツ語ならブルストなどと原則同義語として捉えてよいでしょう。




「ソシソン」が、日本でいうサラミとソーセージ(腸詰した加工肉を処理して基本的にそのまま食べられるようにしたモノ全般)を包括しているイメージ。


さて、フランス語にはSecという言葉があり、これは英語でいうDryにあたります。お酒の味わい表現などでは「辛口」という意味で使われますが、本来の意味は「乾燥」です。


つまりソシソンにセックがついたソシソンセックは「乾燥ソーセージ」を意味していて、そのまま日本人に馴染みのある言葉でいうところの「サラミ」となります。



ヨーロッパは肉食文化なので各国各地域に根差した特有の肉料理が存在します。


ソシソンやソシソンセックもフランス国内どこの地方かによって味付けや製法に微妙な違いがあり、パリなど都市部のお肉屋さんには驚きの品数でこれらの加工肉が販売されているという話もあるほどです。



日本ではサラミのほうが有名なので、ソシソンセックという名の加工肉を食べる機会は少ないかもしれませんが、この機会に作られた土地の歴史や文化にも目を向けて加工肉を楽しんでみませんか?


ソシソンセックとサラミの違いとは?

そもそも同じ意味を持つソシソンセックとサラミに違いがあるのか、と疑問に思うかもしれませんが、加工肉が好きな人やイタリア人、フランス人からすればこれらは明確に異なる食材だということになります。



日本ではサラミという言葉が定着し過ぎているので違和感があるかもしれませんが、日本の食文化に置き換えるなら「関東風のお雑煮」と「関西風のお雑煮」を同じ食べ物として認識しないで欲しいと考えるのと同じ感覚でしょう。


サラミもソシソンセックも基本的には乾燥させたソーセージ。塩や香辛料で調味した挽肉をケーシング(腸詰)して乾燥させる点では一緒です。


では、なにが違うのかというと、一番大きな違いは練り込まれる挽肉の赤身と脂の比率にあるといわれています。ソシソンセックは、イタリアのサラミと比べると脂の量が絞られているため、味わいは肉感が強くしっとりとしているのが特徴です。



ただこれは日本に輸入されている数少ないソシソンセック(後ほどご紹介するレジスセナンのもの)がこのような特徴を持っているためそういわれている節もあり・・・個人的にはサラミとソシソンセックには厳密な違いはない?と思っていたりします。要は名称の問題ですね。


もちろん、フランス国内でも地域やメーカーごとに味わいは異なりますし、サラミという言葉を使用したフランス産の加工肉が売っていることも。ここでは、「フランス風サラミ」として発展したソシソンセックが一分野として確立していることだけ覚えておきましょう。

おすすめのソシソン・セック「レジス・セナン」と食べ方

レジス・セナンのソシソンセックがおいしい

ソシソンセックは日本に輸入されている商品があまりありません。通販などで買えるモノになると絶望的で、たまに都心のおしゃれな肉屋さんで販売しているのを見る程度です。



一説では、日本でソシソン・セックをあまり見かけないのはフランスから日本へソシソンセックを輸出しようと考えているフランス人が少ないことに原因があるそうです。輸出するためのライセンスを持ってる生産者もほとんどいないのだとか。地産地消を基本として作られている食材なのでしょうね。


そんな稀少なソシソンセックですが、いま市場に流通しているなかにもおいしいモノがあります。


それがこのレジス・セナン氏が作るソシソンセック。


レジスセナンのソシソンセック


ソシソンセックの名産地でもあるブルターニュの生産者で、半世紀以上続く伝統ある造り手です。


レジスセナンのソシソンセック(裏面)


脂身をおさえる傾向にあるソシソンセックのなかでも特に脂身の量が少なく、およそ9;1(赤身:脂身)の割合の挽肉で作られています。


レジスセナンはこのスタンダードなソシソンセック以外にもブルターニュらしいシャルキュトリー(加工肉)を多数生産しているシャルキュティエ(食肉加工職人)で、舌の肥えた方々からも大変評判の良いブランドでもあるんですよね。

ソシンソセックの食べ方

ソシソンセックの食べ方です。



パッケージから取り出しました。



食べたい分だけ切り分けます。


残ったソシソンセックは、切り口にしっかりとラップをしてジップロックなどで保存します。




ケーシング*1を剥きます。


レジスセナンのソシソンセックのケーシングは天然の豚腸由来なので食べても害はありませんが、食感が悪くなるので取り除いた方が無難でしょう。


縦に切れ込みをいれて、そこから少しずつはがすようにして取り除くと綺麗に剥がせます。



あとは薄くスライスするだけです。

ソシンソセックの味

今回記事用に紹介したレジスセナンのソシソンセックについていえば、その味わいは非常に肉肉しく、脂のくどさはほとんど感じません。たしかにこれはサラミとは別の食べ物。


香辛料も強くないので、肉本来の旨味がしっかりと感じられます。シンプルにパンとチーズであわせて食べるとそれだけで至高の食事になりそうです。


スライスする際はなるべく薄くするのがポイント。特にこのレジスセナンのソシソンセックのように脂身が少ないタイプは薄い方が歯応えが心地よくなり、肉の旨みをより堪能できます。

うまいソシソンセックを食す|フランス版乾燥加工肉、サラミとの違いは?のまとめ

ソシソンセックというフランスの加工肉について解説しました。


サラミとソシソンセックの違いについてはハッキリしたことがいえないのがもどかしいのですが、このあたりは感覚の問題です。ざっくりとソシソンセックは「サラミに限りなく近いフランスの加工肉」と覚えておけば問題ないでしょう。


日本で食べる機会は少ないと思いますが、気になった人はぜひ今回ご紹介したレジスセナンのソシソンセックを取り寄せてみてはいかがでしょうか?アマゾン、楽天などを経由して気軽に購入できます。





*1:ソーセージを成形している外側の皮状のもの。