ソシソンセック(Le Saucisson sec)という食べ物をご存知でしょうか?
つまるところフランス版のサラミのような食べ物なのですが、加工肉愛好家からするとソシソンセックをサラミとして語ることを嫌がる人も少なくないでしょう。
ぱっと見は似ていても中身は結構違うもの・・・今回は筆者お気に入りのショップ(ハイ食材室)から取り寄せたおいしいソシソンセックを食べながら、ソシソンセックとはどんなものなのか?サラミとの違いはどこにあるのかをまとめていきたいと思います。
- フランスを代表する加工肉ソシソン(セック)
- ソシソンセックとサラミの違いとは?
- おすすめのレジス・セナンのソシソンセックとその食べ方
- うまいソシソンセックを食す|フランス版乾燥加工肉、サラミとの違いは?のまとめ
フランスを代表する加工肉ソシソン(セック)
フランスにはソシス(saucisse)と呼ばれる加工肉製品があり、これは日本人に馴染のある言葉で言うところのソーセージにあたるものです。より厳密にいえばソシスは非加熱の生ソーセージを指します。
これに加熱調理ないしは乾燥を施したものをソシソンと呼びます。一般的に訳せばソーセージとなり、イタリア語でサルシッチャ、スペイン語でサルシチョン、ドイツ語ならブルストと原則同義語として捉えてよいでしょう。

さて、フランス語にはSecという言葉があり、これは英語でいうDryにあたります。お酒の味わい表現などでは「辛口」という意味で使われますが、本来の意味は「乾燥」です。
つまりソシソンにセックがついたソシソンセックは乾燥ソーセージを意味していて、そのまま日本人に馴染みのある言葉でいうところのサラミとなるんですね。
ヨーロッパは肉食文化なので各国各地域に根差した特有の肉料理が存在します。
ソシソンやソシソンセックもフランス国内どこの地方かによって味付けや製法に微妙な違いがあり、パリなど都市部のお肉屋さんには驚きの品数でこれらの加工肉が販売されているという話はよく聞きます。
そう考えるとソシソンセックをサラミとベツモノとするフランス人の気持ちが分かってくる気がする。あくまでもサラミを別の自分たちの食文化に落とし込んだっていう想いが強いのかも。
— Jorge(ホルヘ)@おいしいをゆるーく探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」運営中 (@bollet_jp) 2019年1月27日
日本ではサラミのほうが有名なので、ソシソンセックという名の加工肉を食べる機会は少ないかもしれませんが、この機会に作られた土地の歴史や文化にも目を向けて加工肉を楽しんでみませんか?
ソシソンセックとサラミの違いとは?
そもそも同じ意味を持つソシソンセックとサラミに違いがあるのかと疑問に思うかもしれません。
けれど加工肉が好きな人やイタリア人、フランス人からすればこれらは明確に異なる食材だということになります(日本ではサラミという言葉が定着し過ぎているので、フランスの方が「ソシソンセックはサラミとは違う」と主張しているパターンが多い気がしますね)。
サラミもソシソンセックも基本的には乾燥させたソーセージ。塩や香辛料で調味した挽肉をケーシング(腸詰)して乾燥させる点では一緒です。
ではなにが違うのかというと、一番大きな違いは練り込まれる挽肉の赤身と脂の比率にあるといわれています。ソシソンセックはイタリアのサラミと比べて脂の量が絞られているため、味わいは肉感が強く、しっとりとしています。*1
もちろんフランス国内でも地域ごとに味わいは異なりますし、そもそもフランス国内でもサラミという言葉を使用したフランス産の加工肉が売っていたりもするそうなのですが、フランス風サラミとして発展したソシソンセックは一分野として確立しているんだということだけここでは覚えておきましょう。
おすすめのレジス・セナンのソシソンセックとその食べ方
レジス・セナンのソシソンセックがおいしい
ソシソンセックは日本に輸入されている商品がほとんどありません。通販などで買えるレベルのものになると絶望的です。(たまに都心のおしゃれな肉屋さんで販売しているのを見る程度)
どうやらフランスから日本へソシソンセックを輸出しようと考えている人が少ないことに原因があるようで、ライセンスを持ってる生産者もほとんどいないのだとか。
そんな稀少なソシソンセックですが、いま市場に流通している中でもおいしいものがあります。
それがこのレジス・セナン氏が作るソシソンセック。
ソシソンセックの名産地でもあるブルターニュの生産者で、半世紀以上続く伝統ある造り手です。
脂身をおさえる傾向にあるソシソンセックのなかでも特に脂身の量が少なく、およそ9;1(赤身:脂身)の割合の挽肉で作られています。
レジスセナンはこのスタンダードなソシソンセック以外にもブルターニュらしいシャルキュトリー(加工肉)を多数生産しているシャルキュティエ(食肉加工職人)で、舌の肥えた方々からも大変評判の良いブランドでもあるんですよね。
ソシンソセックの食べ方
ソシソンセックの食べ方です。
パッケージから取り出しました。
食べたいぶんだけ切り分けます。
残りは切り口をラップしてジップロックなどで保存します。
ケーシング*2を剥きます。
レジスセナンのソシソンセックのケーシングは天然の豚腸由来なので食べても害はありませんが、食感が悪くなるので取り除いた方がいいです。
縦に切れ込みをいれて、そこから少しずつはがすようにして取り除きましょう。
あとはスライスするだけです。
スライスはなるべく薄くしましょう。
ソシンソセックの味
今回記事用に紹介したレジスセナンのソシソンセックについていえば、その味わいは非常に肉肉しく、脂のくどさはほとんど感じません。たしかにこれはサラミとは別の食べ物。
香辛料も強くないので、肉本来の旨味がしっかりと感じられます。シンプルにパンとチーズであわせて食べるとそれだけで至高の食事になりそうです。
なお、サラミについては薄くカットすればいいというものではないと思っているのですが、特にこのレジスセナンのソシソンセックのように脂身が少ないタイプは歯ごたえのバランスを考えてなるべく薄めにスライスすることをオススメします。
うまいソシソンセックを食す|フランス版乾燥加工肉、サラミとの違いは?のまとめ
ソシソンセックというフランスで欠かせない加工肉について見てきました。
サラミとソシソンセックの違いについてはハッキリしたことがいえないのがもどかしいのですが、このあたりは感覚の問題です。とりあえずソシソンセックといわれたら「基本はサラミみたいなものでフランスの加工肉」と覚えておけば問題ないでしょう。
日本で食べる機会は少ないと思いますが、気になった人はぜひ今回ご紹介したレジスセナンのソシソンセックを取り寄せてみてはいかがでしょうか?アマゾン、楽天などを経由して気軽に購入できます。

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