オランデーズソースとはフレンチにおける基本的なソースのひとつです。
ちょっとだけ作るのにコツがいるソースですが、一度コツを掴んでしまえば時間もかからず気軽に作れるうえ多少の保存も可能なのが嬉しいですね。
本記事ではそもそもオランデーズソースとはどんなものなのかを解説しつつ、ご家庭で再現可能な簡単で基本的なレシピに挑戦していきます。
じっさいにご覧いただければ特別な道具や材料などなくてもごく簡単に本格的なオランデーズソースが作れますのでぜひ皆さんも挑戦してみてください。
オランデーズソースはフランス料理の歴史を知るうえでもポイントになるソースのひとつなので今回はレシピ以外の前置きが少し長いです。
めんどうなことはすっ飛ばしてレシピだけ知りたい方は「オランデースソースのレシピ」へジャンプしましょう!
オランデーズソースとは?
オランデーズソースはもともとはオランダで親しまれていたソースをベースにしているからオランダ風という意味でそう呼ばれています。
卵黄、バター、水を乳化させて作る濃厚なソースで、子供から大人まで嫌いな人はいない味わいのソースでしょう。
またフランス料理における基本の5つのソースのひとつに数えられており、古典的な味わいながらフレンチにおいてはオランデーズソース抜きにしては語れない非常に重要なソースでもあります。
基本の5つのソース
19世紀の名シェフ、アントナン=カレームが著した『19世紀の料理術』のなかに記されている4つのソース(アルマンド、ベシャメル、エスパニョール、ブルーテ)に「近代フランス料理の父」と呼ばれるオーギュスト=エスコフィエがオランデーズ、マヨネーズ、トマトのソースを加えて7つのソースとして紹介しました。
エスコフィエはこれらソースを調理の原理に基づいて分類し、アルマンド、マヨネーズ、オランデーズは一般的に卵を用いた乳化ソースとしてひとつに分類しています。
西洋料理で使われるすべてのソースは突き詰めていくとこのソースのどれかに分類されるといわれています。
そうなるとフレンチにおける5大ソースはベシャメル、エスパニョール、ヴルーテ、トマト、オランデーズってことでいいのかな?
— おいしいを探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) April 4, 2020
ネットとかで調べるとベシャメル、エスパニョール、ヴルーテ、オランデーズ、アルマンドってしてる人多いよね?(+マヨネーズっていう人もいる)。
トマトどこいったの⁈
オランデーズソースはなにに使う?
オランデーズソースはあたたかいマヨネーズともいわれるように、卵、レモン(酸味)、油が交じり合った濃厚なソースです。
マヨネーズとの最大の違いは油にバターを贅沢に用いるという点にあります(マヨネーズはオリーブオイルなどの植物油が基本)。
つまりオランデーズソースは卵を用いた乳化ソースであると同時に、バターが加わることでマヨネーズ以上に濃厚で食材の味をより豊かに引き上げるバターソースの一種なのです。
オランデーズソースは現代においては比較的古臭いソースとして見られる風潮があり最近はレストランなどではあまりみかけないかもしれません。
積極的に使われるのはエッグベネディクトにおいてでしょう。
エッグベネディクト
イングリッシュ・マフィンのうえにハム、ベーコン、サーモン、ポーチドエッグをのせてオランデーズソースをかけたもの。朝食の定番でもあり、日本ではカフェメニューとしても人気が高い。
本日の朝食。
— おいしいを探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) April 6, 2020
最近バター系のソースにこってるのでオランデーズソースを作ってエッグベネディクトに。
コーヒーが飲みたい。 pic.twitter.com/b2sPDAl7jB
また、温野菜、白身魚のソテー、肉料理とも相性がよく、ハーブなどを加えてアレンジしたりなど汎用性が高いのも特徴。
ブールブランのときにも紹介しましたがアスパラとの相性が素晴らしいのもこのソースの特徴です。
特にホワイトアスパラとオランデーズソースの組み合わせは鉄板中の鉄板、ブールブランと異なりソースの色味もキレイな黄色なのでホワイトアスパラによく映えます。
いっけん難易度が高そうなレシピながら分量を間違えずしっかり作っていけばご家庭でも簡単に再現できるので、ぜひご家庭でこそ挑戦してみてほしいソースのひとつですね。
オランデーズソースの簡単レシピ
オランデーズソースの材料3~4人分
- バター・・・・・・・・・・・・・・・・100g
- 卵黄・・・・・・・・・・・・・・・・・2個分
- 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・20cc
- レモン果汁・・・・・・・・・・・・・・1/4~1/5個分
- 塩・こしょう・・・・・・・・・・・・・適量
オランデーズソースの作り方
鍋に溶けやすいように薄くスライスしたバターを入れて火にかけます。
焦げないように注意しながら溶けるまで弱火で熱します。
ボールに分量の卵黄、塩、水、レモン汁を加えます。
ボールの底がつかるくらいのフライパンや鍋でお湯を沸かして湯煎にかけて卵黄をソース状(半生、固まる直前のトロリとした状態)にしていきます
卵黄は60度を超えたくらいから固まる可能性が出てくるので、50度後半くらいの温度になるように意識して火を入れ過ぎないように手を止めずホイッパーでかき混ぜていきます。
湯煎は横からみるとこんな感じです。
フライパンのほうが幅が広くて温まるのが早いので楽ですが、逆に熱も加わりやすくなってしまうので注意しましょう。
固まるとしたら端っこから固まっていく(その部分が薄くて熱が伝わりやすいので)ので、ホイッパーを止めずボールを回しながらムラがないように回していきます。
スプーンですくってこれくらいの粘度になっていたらOKです(固まっている部分はない)。
この状態に近づくにしたがってだんだんツヤが出て香りも立ってくるのでひとつの指標にしてください。
バターを卵黄の入ったボールに少しずつ加えて攪拌して乳化させます。
オランデーズソースには澄ましバター(溶かしたバターの透明な上澄み部分でバターの純粋な脂肪部)のみを使用するというのが一般的です。
では下に沈んでいる白いものはなにかというと乳清と呼ばれるもので、乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液(ホエー)になります。
今回筆者はオランデーズソースを作るにあたって乳清も一緒に加えて(澄ましバターにしないで)作りました。その理由は以下の二点です。
・乳清があった方が乳化が安定しやすい
・バターに対して乳清は1割ほどあるので澄ましバターを作ると原価が高くなる
・乳清には栄養価があるので特別捨てる必要もない(メリットもある)
基本的には乳清のありなしで仕上がりにほとんど変化はありません。ただ乳清にはバター特有のコクなどはないため、これが入ることでバターの濃厚さはほんの少し軽減されると考えてよいでしょう(その分だけ今回のレシピでははじめに入れる水の量を少し減らしています)。
基本通りに澄ましバターで作りたい方はこの乳清をいれないように溶かしバターの上澄みだけを使いましょう。
ソースをしっかりと乳化させたら塩、胡椒で味付けして完成です。
胡椒はふつうの黒コショウで構いませんが、白コショウがあったほうが見た目的にはキレイです(黒コショウは見た目に黒いぶつぶつが入ってしまう)。
完成したオランデーズソースはエッグベネディクト、肉料理、魚料理、温野菜などさまざまな料理と相性のいいソースです。
ぜひいろいろな組み合わせで楽しんでみてください。
オランデーズソースの保存
オランデーズソースは作ってすぐに食べてしまうのが一番いいのですが、まとめて作った場合は2~3日程度であれば保存がききます。
保存する場合は密閉容器にいれて冷蔵保存です。もっと長期に保存したい場合はフリーザーバッグに入れて冷凍してもいいでしょう。
保存したソースは使う直前に再び湯煎にかけて分離しないようにホイッパーで攪拌しなおしてください。
卵黄を使っているのであまり長期の保存には基本的に向いていません。数日ですぐに使い切ってしまうように心がけましょう。
オランデーズソースのレシピまとめ
オランデーズソースは非常にクラシカルなソースのひとつで、現代にある多くのソースの基礎となっているものでもあります。
コツさえつかんでしまえば作るのもさほど難しくないのでぜひ作り方を覚えてご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか?
黄色く輝くツヤのあるソースが見た目も華やか、味もコクもありいろいろな料理にあわせて楽しみたいですね。
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