おいしけりゃなんでもいい!

身近にある美味しいものを探したい。おいしけりゃ、なんでもいいんだけれど。

スポンサーリンク

甘いワイン・ポートワインの特徴や種類、飲み方、温度について解説

f:id:bollet:20180408184054j:plain

世の中には甘いワイン、デザートワインというジャンルが存在します。日本では甘いお酒の認知度がさほど高くないため、必然的にデザートワインの知名度も低いままになっていますが、その奥深さにハマると抜け出せなること間違いなし。


そこで今回は甘いワインのなかでも世界的な知名度が非常に高いポートワインに注目し、その特徴や種類、飲み方、温度について解説していきます。


お酒好き必見!二日酔い対策にオススメ
医学博士監修の新世代サプリ「エカス」のレビューをみる


甘いワイン・ポートワインの特徴とは

  • ポルトガルで作られるワイン
  • ワインの発酵途中にブランデーを添加して発酵を停止させて作るワイン
  • 葡萄由来の糖分が残っている甘いワイン
  • 普通のワインより長持ちするワイン


ポートワインの概要はこの4点にほぼまとめられています。まずはもう少しこの特徴について掘り下げていってみましょう。

ポートワインはポルトガルのお酒

ポートワインはポルトガルで作られるワインの一種です。


ポルトガルのなかでもドウロ地方上流であるアルト・ドウロ地区のみが法定区域としてポートワイン用の葡萄として使用できます。ここで栽培された葡萄を醸造したあとに船で下流へ下りヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアという場所まで運ばれます。この場所にはポートワインを貯蔵・熟成するための倉庫(ロッジ)とそれを管理する商社(シッパー)が多数存在していて、ここで寝かされたもののみがポートワインとして名乗ることを許されます。


完成したポートワインは近くのポルト港という場所から世界各地へ出荷されていくのです。特にイギリスからの需要が昔から高く、portwineがポルトではなくポートと呼ばれるのも「イギリス人がそのように発音して世界に広がったから」と言われているほどです。

ポルトガルワインと日本の関係

これは余談になりますが、ポルトガル=ワインのイメージは日本人に少ないかもしれませんが、じつは日本に初めてワインを持ち込んだのはポルトガル人だったと考えられています。

www.oishikerya.com


当時の輸送技術のことを考えても、もしかしたら日本に持ち込まれていたワインのなかには、輸送にも適したポートワインのようなものが混じっていたかもしれません。


また、サントリーが発売する赤玉スイートワインは、もともと赤玉ポートワインという名で販売されていましたが、ポルトガル側から「ポートワイン」という名称を使わないでほしいという要請があり、改名するに至っています。



この赤玉スイートワインはいまや昭和のお酒のイメージが強くなっていますが、最近では森見登美彦著の「夜は短し歩けよ乙女」という作品内で取り上げられたことで若者の間でも一部で再び脚光を浴びているという話もあります。



そう考えるとポートワインは日本人にとってもゆかりのあるお酒のように思えてきますね。

ポートワインの製法と味わい

ブランデーを添加して作るポートワイン

ポートワインの製法の特徴は、ワインを通常通り発酵(糖分をアルコールへ変換する作業)させる過程において、完全に発酵を済ませる前にブランデー(この場合は葡萄の蒸留酒)を添加することで発酵を停止させることにあります。


ブランデーを添加することによる作用としては大きく分けて以下の2点が挙げられます。

  • アルコール度数を高めたワインを作ることができる→酒精強化ワイン
  • 葡萄の糖分を残した状態のワインを作ることができる→甘口デザートワイン


それぞれについてもう少し細かく解説してみましょう。

アルコールを添加して作る酒精強化ワイン

アルコール度数を高めたワインのことを酒精強化ワイン(フォーティファイド・ワイン)と呼びます*1。通常、ワインというとアルコール10~13%程度が基本で、この程度のアルコール量だと保存がシビアで輸送も難しいという欠点があります。一方の酒精強化ワインはアルコールも10%後半から20%弱あり、ワインの弱点となる酸化に比較的強く、保存も通常のワインよりも難易度が下がります。


もともとは冷蔵や輸送技術の発達していない時代に試行錯誤の末うまれたワイン分野で、数百年の歴史のなかで洗練され独特の風味や味わいを確立してきました。スペインのシェリーやイタリアのマルサラなどもこの仲間です。

甘口に仕上がるポートワイン

さて、ポートワインにおいてはこのブランデーの添加をアルコール発酵中に行うという特徴があります。


発酵過程でアルコール濃度を高めると、発酵を促す酵母などが活動を停止するため発酵もそれに伴い停止、糖分の多くがアルコールに変換されていないため甘味を残した(普通のワインより糖分残留量がとても多い)ワインに仕上がるというワケです。


ポートワインを飲んだことのない人は「甘口ワイン」と聞いて、いわゆる日本酒の甘口/辛口くらいの違いを想定している人も多いと思われますが、ポートワインの甘口はあきらかに糖分を持った甘さであり、ケーキやアイス、すなわちデザートのような甘さであることを覚えておきましょう。

ポートワインの種類

ポートワインにはその原料や製法、熟成によって以下のような分類が存在します。ひとくちにポートといってもその味や価格は種類によってさまざまです。

一般的なポートワインの分類

ルビーポート

その名の通り赤色のポートワイン。ポートワインにおいて最もポピュラーなタイプで、年数の違う複数のポートワインをブレンドして作られる。ブレンド後3年ほど樽で寝かせてから瓶詰・出荷する。色合いと味の品質を保つため熟成中は通常のワイン同様極力酸素と接触させないようにする。


各ブランドのスタンダード商品であることが多い。

ホワイトポート

白ぶどうをベースにして作られるポートワイン。こちらも3年ほどの熟成を経て瓶詰されるが、ルビーポートよりもキリっとした飲み口で甘さが控えめのものもある。


ルビーポートとホワイトポートはポートワインというくくりの中でテーブル赤ワインとテーブル白ワインくらいの関係性だと思えばよい。

特別なタイプのポートワインの分類

トゥニーポート

トゥニーポートはトゥニーカラー(黄褐色)のポートワイン。一般的にトゥニーと呼ばれるものはルビーポートを樽内で10年以上のスパンで熟成させたものを指す。10年から40年くらいまでがよく出回っている。樽内で長期熟成する過程で酸化が進み、色合いが褐色味を帯びる。


なかにはホワイトポートとルビーポートを混ぜて作る安価なものもあるので注意

ヴィンテージポート

ポートワインの最高級クラス。単一年の葡萄のみを使用して作られるためヴィンテージがボトルに記載されている。このポートは葡萄の出来、ワインの出来が良い時のみ"ヴィンテージ宣言"がなされ製品化される。良い年であってもブランドによっても発売するところとしないところがある。


ヴィンテージポートは樽で1~2年という短い熟成を行った後、澱つきのまま瓶詰し、瓶に入れてから長い時間をかけて瓶熟させる。年にもよるが飲み頃は20~30年は先と言われる気の遠くなる飲み物。

コルヘイタ

ヴィンテージポートと並んでポートワインの最高級品として位置づけられる。

ヴィンテージポート同様に単一年の葡萄のみを使用し、ラベルにもその旨が表示される。その後に樽でヴィンテージポートよりも長い7年以上の熟成を経て瓶詰。瓶詰のタイミングは各社に任され、瓶詰年もラベルに表示される。


ヴィンテージポートとは異なり澱ひきする。瓶詰後すぐに飲んで美味しい仕上がりになっていることが基本。単一年の葡萄で作られるトゥニーポートのスペシャル版だと思えばよい。

レイト・ボトルド・ヴィンテージ

ヴィンテージポートといえるほどの年ではないが、まずまず良好な年に作られる。ヴィンテージポートの廉価版的存在。樽内で5年前後熟成されたのちに澱引きして瓶詰。ラベルに収穫年が表示される。コルヘイタとヴィンテージポートの中間的存在もいえる。

ライト・ドライ

ホワイトポートの発酵過程で、通常よりも長く発酵期間をとってからブランデーを添加して作られる。長く発酵させるということは消費される糖分も多いため、仕上がりは辛口になる。

ポートワインの飲み方と保存について

ポートワインの飲み方

ポートワインは基本的に甘口のワインに分類されます。そのなかでも甘口/辛口は存在しますが、製法の特性上、通常のワインよりも甘みを残しており、特有の風味を持っています。


ホワイトポートやライトドライタイプであれば食前に飲むというのもアリですが、基本的には食後に楽しむのがスタンダートな楽しみ方です。チーズやチョコレートなどと相性が良いとされていて、フルコースのあとの食後酒として非常に高いパフォーマンスを発揮します。


熟成を経たコルヘイタやヴィンテージポートはそれぞれより複雑な味わいを持っているので、食後に単体で味わうのが理想でしょう。このレベルになると扱っているお店も少なく、ボトルで買って飲む機会もないかもしれませんが、長期熟成に耐えうるという意味では生まれ年のワインなどが欲しい場合に探してみるのもアリですね。


安価なルビーポートやホワイトポートはカクテルの材料として使われたり、炭酸などで割って楽しまれることもあります。

ポートワインの保存方法と保存期限の目安

ポートワインは糖分を残しているため、普通のワインのように開けたらすぐに飲む必要はありません。ものにもよりますが、通常のルビーポートやホワイトポートは冷蔵庫で保存すれば長期の保管が可能です。


じゅうぶんに樽で酸化したトゥニーなどは耐久性も高いため一年スパンでの保存も可能でしょう。最も繊細なヴィンテージポートも筆者の経験以上、抜栓してから1か月~2か月程度は味の変化を愉しみながら美味しく飲むことが可能です。


いずれにしろ基本的には普通のワインのように酸っぱくて飲めない・・・ということにはあまりなりません。もちろん早めに飲むにこしたことはないですが、一日一杯ずつ少しずつ飲んでいって味の変化を愉しめるのもポートワインの魅力。自宅で長期保管してどこかのタイミングで明らかな味の変化を感じたら早めに飲み干すか煮込み料理やソース、スイーツに使ってしまいましょう。


保存場所は冷暗所が基本。ワインセラーがあればセラーが理想です。特にコルヘイタやヴィンテージポートのような上質なポートワインは可能であれば12~13度くらいの温度で保管し、温度を高めながら香りや味の奥行を感じながらゆっくりとやりたいところ。安価なタイプのものであれば冷蔵庫くらいの温度でキリリと冷やして飲むのも良いでしょう。

まとめ

イギリス紳士のたしなみのひとつとまで言われるポートワインについて解説して参りました。数百年に渡る歴史が紡いできた伝統的なワインは最近では日本でも飲める飲食店が増えてきています。ネットを使ってボトルで購入することも可能ですね。


ポルトガルの文化を語る上では欠かせない存在ですから、ぜひこれを機に頭の片隅にその存在をインプットしてみましょう。


合わせて読みたい記事
www.oishikerya.com
www.oishikerya.com
www.oishikerya.com

*1:日本では酒税法の定義上「甘味果実酒」として分類されています。