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奥深きリキュールの世界とその種類、飲み方、賞味期限は?疑問を徹底解説

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皆さんはリキュールというとどんなお酒を思い浮かべるでしょうか?


カシスやコーヒーリキュールなんかが有名かもしれませんが、世の中には無数のリキュールがあってそれぞれに味が異なり楽しみ方もさまざまです。


カクテルに使ったりお菓子に使ったりと汎用性の高いお酒で飲み方も幅広くいろいろと楽しめるのですが、意外とその存在は詳しく知られていないような気がします。


本記事ではなかなかスポットライトのあたらないリキュールという分野のお酒が持つ魅力や飲み方に迫っていきましょう。

リキュールとは?

リキュールの定義

そもそもリキュールとはどんなお酒なのでしょうか?


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どこからがリキュール⁈


基本的にはスピリッツ(蒸留酒)にハーブや果実のエキス、これに糖分や場合によっては着色料、保存料などを加えたお酒のことを指します。


お酒の分類は各国の酒税法によって定められているため、この国ではリキュールにあたるけど他の国ではリキュールに分類されない・・・というような誤差も多少はあります。



日本においては「酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料とした酒類でエキス分が2度以上のもの(清酒、合成焼酎、しょうちゅう、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、発泡酒、粉末酒を除く。)」と定義されており、いわゆるチューハイなどもリキュールに分類されます。


細かい規定などは異なるものの、大枠は皆さんがなんとなく把握している通り甘くて色んな味のあるお酒と捉えておいて間違いはないでしょう



中には苦くてほぼ甘さを感じないものなどもあり、一概にすごく甘いお酒というワケではありません。


なおリキュールの多くは20~40%程度のアルコールを有しており、弱いお酒と捉えるのは間違いです。


アルコール分40%を超えるようなリキュールもたくさんあるんですよ。

昔の人にとってリキュールは薬の代わり?

今のご時世でリキュールというとお酒をまともに飲めない人がジュース代わりに割って飲むものという印象があるかもしれません。


しかしもともとリキュールの役割は薬用的な意味合いを含んだものでした。


リキュールの元祖は古代ギリシャにおいてワインに薬草を漬け込んだものとされており、その後蒸留技術の発達とともに蒸留酒に薬草のエキスを含ませた薬酒が生まれ始めます。


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錬金術師たちによって作られたエリクサー(薬酒)がリキュールの原型という見方もできる


お酒に漬け込むことで薬草の成分が効率よく抽出され、当時としては非常に効果的な薬として重宝されていたであろうことが推察されます。



今でいう養命酒ですね。


その後、イタリア・フランス・オランダなどで薬草に限らず香辛料や果実を用いたリキュールが生み出されるようになり、見た目や飲みやすさを意識された嗜好品としてのリキュールが生まれるようになります


嗜好品としてのリキュールは食後に楽しまれるデザート的な意味合いを持つお酒でした。



20世紀前後まではまだカクテルという概念があまりなかったのでリキュールはあくまで単体で楽しむためのお酒であったと考えられるのです。


20世紀に入ってカクテルブームが起こるのと並行してリキュールはより世界的な知名度を持つお酒として認知されていくことになりますが、それと同時にカクテルのためのお酒としてリキュールの地位や飲み方は変化していきます。

多様な飲み方をされていたリキュール

今でこそカクテルのためのものとして認知されているリキュールですが、本来はその多様性のある愉しみ方が魅力的なお酒です。


「フレンチコネクション」という作品内で主人公が食事の後にドランブイ(ウイスキーベースの薬草リキュール)を煽るシーンがあります。



このように食後酒・デザート代わりとして少量を舐める様に楽しむ、というのがリキュールの飲み方のひとつであるということをご存知の方は少ないでしょう。


リキュールをそのまま飲む文化はヨーロッパでも失われつつあり、カクテル材料としての存在価値が高まっているといわれています。


その一方でそのまま飲んでおいしいようなリキュールを精力的に作るブランドも誕生してきており、そういったブランドに注目しているリキュールラバーも少なくありません。


リキュールの楽しみ方はむしろより多様化しているといえるでしょう。

甘いものから苦いもの・・・多種多様なリキュールと飲み方

リキュールと一口にくくってもその種類は本当に多種多様。

それでもざっくり分けるとするならば一般的にリキュールはこれら4つのタイプに分類されています。

果実系リキュールとその飲み方

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代表的な果実系リキュール


果実を使ったリキュール。


冷凍果実を使ったり厳選した果実を使ったり、造り手によるクオリティの差が顕著にでやすいリキュールでもあります。


カシスリキュールやフランボワーズリキュールに代表されるベリーリキュール、オレンジ系リキュール全般を意味するキュラソー、桃のリキュールなどが有名です。


主にカクテルの材料として活躍するほか、ソーダや水で割ったりアイスクリームにかけたりといろいろな楽しみ方ができる最も飲みやすいリキュールでもあります。


カクテルにして飲むことの多いオレンジリキュールのコアントロー。一本持っておくとカクテル作りがはかどります。炭酸で割ってもおいしく、飲み方の幅が広い。


ソーダやミルク割、アイスにかけてもよし。これまた飲み方の幅が広くて使い勝手が良いカシスリキュールも果実系の代表。


種子系リキュールとその飲み方


代表的な種子系リキュール

  • カルーア(コーヒーリキュール)
  • フランジェリコ(ヘーゼルナッツリキュール)
  • アマレット(杏の核のリキュール)


カカオやコーヒーなど、豆や種のエッセンスから作られるタイプのリキュールは種子系という形でくくられています。


原料の味わいを引き出すために香ばしい風味をまとっているものも多いのが特徴。


昔はベースとなる原料に香料を加えて風味を作っていたものが一般的でしたが、近年では高品質な原料を用いてシンプルに素材の風味を引き出すタイプのものも増えています(特にコーヒーリキュールに顕著な気がします)。


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ここ最近で注目度の高いリキュールメーカーのひとつ


飲み方としては牛乳や生クリームなどとあわせてカクテルにしたり、ロックでそのまま楽しんだりと汎用性が高いです。


シメにストレートでチビっと舐めるっていうのも通な飲み方ですよ。


コーヒーリキュールの代表格・カルーア。牛乳で割ってカルアミルクにしてもよし、ロックで飲めばそのままデザートに・・・。


お酒少し詳しい人には知られているアマレット。杏仁豆腐のようなお味が特徴的。実は杏子の種子のエキスから作られます。
カクテルに使われる事はもちろんですが、そのまま舐めても美味しいリキュールです。



薬草系リキュールとその飲み方

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代表的な薬草系リキュール


リキュールはもともと薬用として用いられていた歴史もあり、薬草系リキュールは本来のリキュールの原型とも言えるジャンルです。


恐ろしいほど種類があるのですべてを網羅するのは不可能に近いですが、日本で比較的親しみのある銘柄はある程度決まっています。


またカクテルに使われる材料としても欠かせないリキュールが多く、バーなどでは特定のカクテルのためだけにある程度薬草リキュールを揃えています。



薬草系のリキュールはクセも強いのですが、一度その魅力にハマるとソーダ割りはもちろんストレートやロックで楽しむ人もいるほどです。


代表格としてフランスの修道院で作られる伝統的なリキュール・シャルトリューズ。フランス版の養命酒でそのまま飲んでよし、ソーダで割って良しの逸品。

イタリアを代表する薬草酒カンパリ。飲み方も幅広いですが、日本ではソーダ割りが有名。ロックで飲む人も多い。


その他のリキュールとその飲み方

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代表的な果実系リキュール

  • アドヴォカート
  • ストーンズジンジャー
  • ベイリーズ

上記に分類されないタイプのリキュール。


卵やクリームなど一風変わった素材を原料に作られたリキュールがここに分類されます。



リキュールのなかでは比較的賞味期限が短い傾向にあります。


飲み方や使い方が各リキュールごとにある程度決まっているものが多い印象で、このジャンルのリキュールにハマると他で替えが利かないので好きになるとご自宅で購入する人も多いのではないでしょうか?


卵のリキュール・アドヴォカート。こちらはそんなに賞味期限が長くないリキュールなので冷蔵保存しましょう。
牛乳で割って飲むと卵酒のような味わいに。


白ワインベースに生姜のエキスを加えた生姜リキュール。


リキュールに賞味期限はあってないようなもの?

リキュールの賞味期限が気になる方も多いと思いますが、基本的には質の良いものも悪い物も糖分しっかりと入れて作られていることに変わりはないのでそう簡単にダメになることはありません。


基本的には開けてからでも2~3年なら気にしなくて良いと思います(アルコールが30度以上あるようなタイプであれば4~5年くらいかけてもいけると思いますが)。


開封後のリキュールの保管で気を付けたい点


  • 果実系やクリーム系はできれば冷蔵庫保存

  • 使うたびに注ぎ口を拭く

  • 直射日光を避ける

  • ただし果物系のリキュールでエキス分の濃いものはできれば1年くらいで飲み切りたいものです。アルコール分がしっかり残っていればそうそう腐ることはありませんが、エキス分の濃いリキュールは劣化が早いです。



    エキス分の濃いリキュールとしてはカシス、チェリーなどのベリー系、あとはクリーム系のアドヴォガートやベイリーズなどは開封後に比較的早く劣化します。


    この手のリキュールは劣化を抑えるためにも冷蔵庫で保存してあげるのが理想です。


    また注ぎ口がカビないように使うたびに清潔な布巾で注ぎ口をふき取ってあげるのも大切です。


    いずれにせよワインなどは開けたらなるべく早く飲みきる必要がありますが、リキュールは保存性にとても優れているのも魅力のひとつ。


    100年くらい前のリキュールも飲んだことがありますが、飲めないどころかエキス分がものすごく強くて美味しかったですね。



    開けてから100年経ってるわけではなく未開封の状態で長らく置かれていたのを最近開封したものです。


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    こちらは未開封の状態で手に入れた50年ほど前のベネディクティン。骨董品の領域だが味はとてもおいしい。


    飲みたいときに少しだけ、寝酒でも食後のデザート代わりでも・・・飲み方もおのおののペースで楽しんでみてはいかがでしょうか?

    今、リキュールがアツい⁈そのまま飲める魅力的なリキュールも続々誕生

    じつは最近リキュールは非常に質が高い製品が増えてきて面白くなっています。



    一般的には1950年頃から2000年代に差し掛かるくらいまでリキュールは世界的に品質が低下していたといわれています。


    というのもカクテルブームによるリキュール消費量の増加、それまで地産地消だったリキュールが世界的に有名になって輸出が本格化したことなどを背景に製法やレシピに変化が見られたからです。



    どのブランドも量産体制に入り、味が大きく落ちたブランドが姿を消すことも少なくありませんでした。


    しかし2000年代に入り小規模生産でも良いものを作ろうというリキュールメーカーが徐々に増えてきました。



    これはリキュールだけでなく、ジンやビールなどほかのお酒でも起こっているクラフト系のお酒造りの動きに通ずるものがありますね。



    これらのリキュールはストレートやロックでそのまま飲んでも最高に美味しく、少し贅沢にカクテルの材料に使っても絶品という素晴らしいクオリティです。



    そのぶん価格は高いものも多いですが、純粋にそのクオリティに惹かれてカクテルに使うバーテンダーが増えたり、リキュールのおいしさに気づいた消費者によって楽しまれるケースも増えました。


    いろいろなジャンルのリキュールでこうした気合の入ったアイテムは増えていますので、ぜひバーや酒屋で情報収集してお気に入りの一本を探してみてください。

    奥深きリキュールの世界|飲み方は?賞味期限は?疑問を徹底解説のまとめ

    リキュールと聞くとカクテルベースのように思われがちですが、甘いのに抵抗が無ければロックやストレートでも美味しく飲むことも可能。


    もちろんソーダで割ってもいいし、カクテルに使ってもいい。お酒の中でもっとも汎用性の高い分野だといえます。



    もちろんリキュールばかり大量に飲んだら糖尿病まっしぐらかと思いますが、食後のデザート代わりに、〆の一杯に・・・リキュールも楽しめると酒飲みとしての幅も広がるってもんじゃないかと。


    ぜひこれを機会にお気に入りのリキュール探しをしてみてほしいですね。


    新たな世界が広がるハズですよ!



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