アマレットといえば数あるおいしいリキュールのなかでも人気があるもののひとつです。
杏の核である杏仁やアーモンドなどから香りを抽出して作られる非常に甘美な味わいのリキュールですね。
イタリアを代表するアマレットですが、たくさんのメーカーが作っているにも関わらず世界的に知られているのはほぼ「アマレットディサローノ」だけといってもいいでしょう。
おそらくこの記事をご覧の皆さんもこちらのボトルがイコールでアマレットだと思っているのではないでしょうか?
このアマレットディサローノは元祖アマレットともいわれるもので、味わいはもちろんその誕生秘話を含めたブランドストーリーもとても魅力的なことから世界中で親しまれています。
本記事ではこのアマレットディサローノというお酒の魅力を改めて追求してみました。
アマレットというリキュールそのものについてや他のブランドのアマレットの紹介は「甘美なリキュール"アマレット"とは?|カクテルから寝酒まで幅広い飲み方で楽しむ」もあわせてチェックしてみてください。
- ディサローノの歴史
- ディサローノの製法と味
- ディサローノ・アマレットの飲み方とカクテル
- サントリーが展開する日本でのディサローノの広がり
- ディサローノのボトルへのこだわり
- 愛から生まれたディサローノのアマレットのまとめ
ディサローノの歴史
アマレットを代表するディサローノアマレットの誕生は1525年に遡ります。
当時イタリアは芸術の黄金時代ルネッサンスの真っ只中。
レオナルドダヴィンチの弟子とされるベルナルディーノ・ルイーニはサローノの町で教会のフレスコ画を描くことを任されていました。
ルイーニはこの絵に登場する聖母マリアのモデルにサローノ町の宿屋の女性を抜擢。このさいに女性から感謝の想いを込めてプレゼントされたのがアマレットリキュールのような液体であったとされています。
このリキュールのレシピは女性がいた宿屋に残されており、これを後に発見したジョヴァンニ・レイナという女性によって発見され、密かにレイナ家の家庭の味として作り続けられることになります。
20世紀に入った頃にレイナ家の子孫がサローノの町にお店を出店。そこで販売されていたのがレイナ家に数百年もの間伝えられてきたレシピのアマレットでした。
その後1947年には事業拡大に伴いI.L.L.V.A社を設立、1960年代前後にはアメリカにおけるカクテルブームも相まってアマレットは一躍人気リキュールとなり、I.L.L.V.A社もリキュールメーカーとして一大ブランドへ成長。
いまなお唯一無二のアマレットの作り手として世界中で愛されています。
ディサローノの意味
もともとこのアマレットはAmaretto di Sarono(アマレット ディ サローノ)として販売されていました。
Amarettoはリキュールの名前、サローノはサローノ町を示しており、diはイタリア語の所有格で「サローノ町のアマレット」という意味合いを持っていました。
しかし2000年代に入る頃にはアマレットの名を冠する製品がかなり増えていたため、ラベルからアマレットの文字を削り"ディサローノ"そのものを強調するようになったのです。
ディサローノの製法と味
ディサローノの製法は1500年当時のものを守り続けているといわれています。
輸入元のサントリー酒類によればビターアーモンドとバニラビーンズからエキスを抽出して作っているそうです。
2021年より正規輸入代理店がサントリーからウイスクイーに変わりました。
その味わいは数あるアマレットのなかでもやさしくなめらかで上質な香りと甘さを楽しめる逸品です。
ちなみにアマレットという名称は、もともとイタリアの伝統的なクッキーの一種であるアマレッティ(アーモンド風味の焼き菓子)に風味が似ていることから呼ばれ始めたと考えられています。
日本にもいままで数多くのブランドのアマレットが輸入されてきましたが、アマレットを使う多くの飲食店がいまだにディサローノにこだわっているのが品質の高さを証明しているといえるでしょう。
ディサローノ以外のアマレットも気になる方は他のアマレットも紹介している記事を参考にしてみてください。
ディサローノ・アマレットの飲み方とカクテル
ディサローノ・アマレットはアマレットリキュールの代表でもあるため、多くのアマレットカクテルがディサローノ・アマレットをベースに楽しまれています。
おそらくバーに行ってアマレットを使ったカクテルを頼めばその大半はアマレットディサローノをチョイスして作られるのではないでしょうか。
日本国内でも最近ではディサローノ以外のアマレットを積極的に使うバーテンダーさんも増えてきましたが、まだまだ圧倒的なシェアを誇っているのがディサローノです。
お店にもよりますがアマレットを使ったカクテルで最もよく注文されるのがウイスキーとアマレットを1:2~1:3程度で混ぜて作るゴッドファーザー、ゴットファーザーのウイスキーをブランデーに変えたフレンチコネクション、アマレットにレモンを加えてジンジャーエールで割ったアマレットバックなど。
ゴットファーザー
— bar Stationery (@BarStationery) February 4, 2019
とあるバーのマスターに初めて合った時に作ってくれた一杯。
その時は「私の行きついたカクテルです」と言っていた。
それから5年通っているが、その日以降彼がそう言っているのは聞いたことが無い。
カクテル言葉は「偉大」
スコッチウイスキー 45ml
ディサローノアマレット 15ml pic.twitter.com/6X1InuJker
他にもアマレットと牛乳を合わせたアマレットミルク、アマレットとコーラでアマレットコーク、アマレットとオレンジジュースを混ぜたものに炭酸を加えたボッチボールなども人気です。
また、ディサローノ・アマレットはそれ自体でとてもよくできたリキュールなので、シメの一杯にロックでそのまま楽しむというのも通好みの楽しみ方なんですよ。
サントリーが展開する日本でのディサローノの広がり
ディサローノのアマレットは日本国内においては過去にはサントリーが、2021年からウイスクイーが正規輸入代理店としてイタリアから輸入しています。
過去にはヴェルサーチやエトロとのコラボボトルを展開するなど、人気リキュールとして販促にも力をいれていることが伺えますね。
購入も容易で酒屋さんで見かける機会も多いですが、店舗によって価格にも差があるのでネット通販などで安い店舗を探すのもオススメです。
ディサローノのボトルへのこだわり
ディサローノのアマレットといえばスクエア型の目を引くボトルデザインも人気の秘密。
しかしこのデザイン自体は1970年代に入ってからのもの。
じつはディサローノは時代にあわせてボトルのデザインを大きく変更してきた歴史があります。
もともと1900年代に入ってブランド化されたばかりのディサローノのアマレットはトール瓶と呼ばれるような一般的なウイスキーなどが入っている瓶に形が近いものでした。
しかしより個性を強調すべく1940年代に入るとディサローノの特徴的なスクエア型のボトルデザインに切り替わります。
70年代に入るとイタリアにおけるガラス工芸の名所ムラーノ島の職人による透明なガラスのスクエアボトルが完成。
さらに2000年代に入ってamarettoの表記をラベルから取り去り、DISARONOというブランドネームを強調させたデザインに変化します。
時代に応じてデザインをも切り替える巧みな戦略でディサローノはアマレットのなかで確固たる地位を維持し続けているのです。
ちなみに左が90年代くらい?のもので右が今普通に売っているもの。
— "おいしい"を探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) October 3, 2019
時代を追うにしたがってラベルからAMARETTOの文字が消えていくのも面白い。
写真のふたつはさほど大きくは違わない印象でしたが、これより古いものは明らかに酒質が異なってて製法が違うんだろうなと思ってしまう。 pic.twitter.com/kJaKcNYRza
ディサローノのアマレットリキュールは今のものもじゅうぶんに高品質を保っていますが、機会があればぜひ透明瓶以前のものを試してもらいたいですね。
愛から生まれたディサローノのアマレットのまとめ
本記事ではイタリア生まれの魅惑のリキュール・アマレットを代表するディサローノブランドの歴史と魅力に迫ってきました。
アマレットといえばディサローノというイメージが強いですが、ブランドの持つストーリーや企業努力が人気につながっているといえるでしょう。
甘いもの好きでお酒好きな方であればご支度に一本あっても損はしないと思うのでぜひ一本用意してみてはいかがでしょうか?
アマレットの楽しみ方・飲み方については「甘美なリキュール"アマレット"とは?|カクテルから寝酒まで幅広い飲み方で楽しむ」もチェックしてみてください。
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