ゴードンはロンドンドライジンのなかでも歴史が古く、昔からジン愛好家やカクテル愛好家に愛されてきたブランドです。
ジンとしてクラシカルな味わいはいまなお根強いファンがいて多くの洋酒を扱うお店で見かけることができるでしょう。
また価格もお手頃でご自宅でカクテルを作りたいという人にもうってつけでもあります。
そこで本記事ではジンを語る上ではずすことのできないゴードンジンの特徴を徹底解説していきます。
ロンドンドライジン、ゴードン
ドライジンを代表するゴードン
クラフトジンのブームによっていまや世界中でジンが作られる時代になりました。
しかしジンといえばもとの興りこそオランダと言われているものの、現在の地位を確立するに至ったのはイギリスで生まれたロンドンドライジンのおかげといって過言ではありません。
ドライな飲み口にハーブの香りがカクテルの素材にもそのまま楽しむのにも適しており、世界中で需要が生まれたというわけです。
なかでもゴードンジンは重厚な飲み口が多くのファンから支持され、いまなおドライジンの代名詞となっているブランドのひとつだと言えます。
ゴードンの味
重厚感溢れるゴードンの味わい
ゴードンは代表的なロンドンドライジンのなかでも特に重厚で、ジンをジンたらしめるジュニパーベリーをふんだんに使った厚みのある香りが特徴。
カクテルのベースとして他の素材やリキュールを混ぜてもジンとしての存在感を発揮してくれるため、日本でも多くのバーテンダーから愛用され続けています。
キチンと作られたロンドンドライジンとしては価格が安いのも魅力のひとつでしょう。
カクテルの勉強をする人はまずは濃厚なゴードンか爽やかなビーフィーターをチョイスして作るのが基本とされているようです。
ゴードンの味の変遷
ゴードンは微妙な変化はあったものの長い間イエローを基調としたラベルと四角いボトルで親しまれてきました。
しかし時代ごとに味の変化があり、特に2017年の春に大幅にラインナップが整理された時に味わいがずいぶんと軽くなったという意見もあったようです(詳しい変化は後述の終売した幻の47.3%のゴードンを参照)。
とはいえこうした変化は他のジンにも共通することで、世界的にドライで軽快な味わいが求められているため味わいがライトになっていっているとも考えられています。
古いゴードンのジンは保存状態がよければジュニパーの香りがいまよりも強く、味わいも野太い印象です。
しかし一方で現在のゴードンもジュニパーベリーを活かした味わいは健在です。
昔と比べるとスマートになった印象はあるものの、現代のロンドンドライジンとしてのスタンダードを貫いているのは間違いないといえるでしょう。
今のものはトップの甘みが強く、口の中での広がりもフルーティ。ジュニパーはあとからほんのり。
— おいしいを探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) December 10, 2019
対して古いものは口に含むとはじけるジュニパー、そのままぐっと荒々しい酒質が広がりずっとジュニパー。余韻に甘さが残る(古いお酒特有の感じ)とという構成。 pic.twitter.com/5Ua3j6iPJ3
こうした時代ごとの味の変遷を知るのも楽しく、それを踏まえた上でいまのゴードンの魅力を再発見するきっかけにもなりそうです。
ゴードンの飲み方、まずジントニックで飲め!
ジントニックはG&Tなどとも表記される世界的にスタンダードな超メジャーカクテルです。
ジンとトニック、ここに必要に応じてライムを絞るだけという極シンプルなカクテルながら、作り方や使う素材によって味が無限に変化することから多くのカクテルラバーに愛されているジントニック。
じつはもともとはゴードンを使ったレシピが正統派だと言われています。
というのもそもそもジンをトニックで割って楽しむという飲み方を広めたのがゴードン社だったとされており、当然その時に指定されていたジンはゴードンだったからです。
もちろんこの手の話は眉唾物的な部分もあり、当時からジンブランドとして力を持っていたゴードン社がジンとトニックの相性に目をつけ真っ先にプロモーションしたという話なのだとは思います。
元祖ジントニックの味わいを一度は楽しんでみたいところ。
ジントニックを楽しんだあとはさまざまなジンカクテルに応用して楽しんでみてほしいですね。
終売した幻の47.3%のゴードン
ゴードンジンはもともとアルコール47.3%と40%という二つのバージョンを中心に販売していました。
特に47.3%のゴードンはゴードンらしい重厚なフレーバーと味わいを表現した秀逸なジンとして長い間多くの人に親しまれてきた銘酒です。
一般的にジンはもともと60%近い高いアルコールのものに水を加えて40~50%程度のアルコールに調整しています。
つまりアルコールが高いということは必然的にエキス分の割合も増え、味も濃厚になるのです。
しかし2017年春、先程も紹介したようにゴードンブランドは47.3%を43%に、40%を37.5%にラインナップを変更しました。
特にプロが愛用する傾向が強かった47.3%バージョンはそれまで味の根幹として使っていた方も多かったため業界に激震が走ったようです。
じっさいに47.3%が終売すると聞いてボトルを大量に買い込んだバーテンダーさんも。
このこだわりの積み重ねがプロの味を生むんだろうなあ。
— おいしいを探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) December 10, 2019
「現行品は37.5%、40%、43%の3種類。でもやっぱりこの度数でないと味が決まらない、と終売前に約100ケースを、つまり1200本(!)ものボトルを買い貯めたという。」https://t.co/RA14ni9wyJ
こうしてゴードン47.3%はある意味幻のジンとしてデッドストックが当時の3~4倍の価格で取引されることもあります。
確かに味わいが変化し、良い言い方をすればスマートに、悪い言い方をすればゴードンらしい味がなくなってしまったようにも感じます。
それでもジュニパーを全面に活かした味わいとゴードンラバーの愛着は代替を許さないジンとしていまなお多くの人に愛されているのです。
47.3%バージョンのゴードンは現在海外向け製品として少量生産されており、たまに平行輸入モノとして日本国内でも流通しています。
また一部デッドストックの2017年以前のゴードン47.3%が市場に流通することもありますね。
ゴードンジンの味と飲み方のまとめ
本記事ではクラシカルなロンドンドライジン・ゴードンの味や飲み方、ブランドの変遷についても紹介してきました。
ジンを語る上でははずすことのできないブランドだけにジン好きに限らずお酒好きな方の多くが触れたことのあるゴードン。
この機会に改めてその魅力を確かめてみてはいかがでしょうか?
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