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ニッカウイスキー竹鶴が終売へ|原酒不足によりエイジング製品がなくなる!?

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ここ一ヶ月ほどウイスキー好きな方々の間では囁かれていたニッカウイスキー竹鶴の終売情報。


正確な情報が入ってきていなかったため当ブログでは様子見をしてきましたが、メーカー側のプレスリリースにより2020年1月12日にラインナップ整理の情報が公にされました。


それにともない、本記事では竹鶴の終売情報の整理を行っていきたいと思います。


竹鶴終売情報のまとめ

なにはともあれ、まずはプレスリリースを中心に竹鶴の終売情報についてまとめていきましょう。


今回販売終了が発表されたのは「竹鶴17年」「竹鶴21年」「竹鶴25年」の熟成年数が表記されているエイジングタイプ3種。


終売理由は「原酒が不足しているため」とされ、3月末をもって販売が終了されます。


またそれと同時に販売が継続される「竹鶴ピュアモルト」がリニューアルされるとのこです。



ピュアモルトに関してメーカー側では終売後のリニューアルによる再販売という形をとるようで、実質現状のピュアモルトと同じものとしては3月末までの販売。


さらに再開後も出荷量を30%程度に抑えていくというような話も酒屋さんの間では出回っているようです。


竹鶴終売の影響

竹鶴の終売情報はここ一ヶ月くらいの間、コアなファン層を中心にSNSなどで噂されていたものでした。



じっさいに情報が公式に発表された1月12日には竹鶴終売の情報を知った多くのファンから終売を惜しむ声が呟かれています。




もともと熟成年数の入ったラインナップはここ数年は幻のウイスキーと化しており、バーなどでも卸すことが困難なお酒となっていました。


しかし終売ということになると3月末までの入手競争はさらに激化、さらに4月以降はオークションや在庫のある酒屋で値上げ競争がはじまることが想像され、名実ともに幻のお酒となることは間違いありません。


さらにピュアモルトに関しても今よりさらに出荷規制がかかるとなると、いままでの17年クラスのレア度になることも考えられます。



ここ最近ではサントリーの白州12年、響17年が終売した2018年9月以降この2種類の取引価格は大幅に上昇し、いまなお当時の正規価格とは著しく解離した価格で取引されている。


近年の国産ウイスキー市場で竹鶴は最後の良心でもあり、大手メーカーの長期熟成原酒を楽しめる貴重な存在でしたが、やはり余市・宮城峡の熟成原酒の確保が難しいことが終売に繋がったのでしょう。



竹鶴は宮城峡と余市を混ぜて作っているため、必然的に竹鶴17年には宮城峡と余市の17年クラスが使われている。

長引く国産ウイスキーの原酒不足

ここ10年ほどのスパンで国産のウイスキー原酒、特に大手メーカーの長期熟成原酒が著しく不足しています。


日本のウイスキーが世界的に認められていくなかで、そもそも量を仕込んでいなかった国産ウイスキーはその需要に耐えられず販売を縮小せざるをえなくなっているというわけです。


最近ではラベルは国産仕様でも中身は海外から仕入れたウイスキーを使っていたり、ワールドブレンデットという形で自社製ウイスキーに海外のウイスキーを混ぜたブレンドウイスキーを作るなどして、なんとか製品を販売しようと四苦八苦しています。


こうした動きに賛否はあるものの、メーカーとしての利益を保ちつつ、コアなファン層にも納得してもらえるおいしいウイスキー造りがどれだけ大変なことなのか、ということを今ウイスキーを楽しんでいる我々は改めて認識しなければいけないかもしれません。


そのためにもただ酔っぱらうための道具ではなく、一杯一杯を大切に楽しむウイスキーをはじめとするお酒への感謝を常に感じていきたいですね。


国産ウイスキーラインナップ整理情報に関する記事
www.oishikerya.com
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終売する竹鶴の次に飲むべきウイスキー

ウイスキーにはそれぞれの味の個性はもちろん、その銘柄に対する思い入れのようなものが詰まっているものです。


特に竹鶴はここ10年のジャパニーズウイスキーブームのきっかけを作った銘柄のひとつでもあり、事実竹鶴からウイスキーに興味を持った人も少なくないはず。


竹鶴のベースとなっている余市と宮城狭も長期熟成のアイテムはほぼ発売されていないため、ニッカが発売するモルトウイスキーを楽しんでいた人にとっては竹鶴終売のニュースは非常に悲しいものになるはずです。


しかしブランドにこだわらなければ楽しむべきウイスキーは他にたくさんあります


竹鶴をはじめとするニッカウイスキーに思い入れのある人におすすめできる銘柄を挙げるとすれば、たとえばスコッチシングルモルトのベンネヴィスがあげられるでしょう。


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ベンネヴィス


ベンネヴィスは1989年にニッカウイスキーが取得している蒸留所で、スコッチのなかでは比較的地味な銘柄ながらここ数年ではマニアからも注目される良質なボトルも多く見られ、人気のある蒸留所として認知されつつもあります。



ファンの間では竹鶴をブレンドするうえでもベンネヴィスを使用しているというのは有名な話です。


ベンネヴィス自体が竹鶴と似ているわけではありませんが、比較的入手も容易で、20年以上熟成した原酒でも1万円台~2万円弱で購入できることを考えるとコスパ的にはニッカの造る国産ウイスキーとは比較にならないといわざるをえません。


ウイスキーの魅力は作られた時代×熟成年数×使用する樽×豊富な蒸留所という公式によって生まれる多様性にあります。


ぜひひとつの銘柄にこだわらず、広くウイスキーというお酒の魅力を楽しんでいってほしいと思います。


ニッカウイスキーが手掛けるスコッチ・ベンネヴィスの10年熟成



長期熟成モノがまだまだ手ごろに探せるベンネヴィス

竹鶴ピュアモルトのリニューアル情報※2020.1.29追記

終売は免れるもののリニューアルされる竹鶴ピュアモルトの情報も出そろってきました。


今回のリニューアルでは余市原酒の使用比率を高めてピーティーでコクのある味わいを表現することが明かされており、ラベル自体も一新されるようです。


価格は700mlで4,000円が希望小売価格、安定供給するために出荷を年間2万2,000ケース(700ml×12本)に制限する予定。


一説では従来使用されていたベンネヴィスなどの国外モルト原酒の使用を取りやめるとされており、これは今後制定が見込まれているジャパニーズウイスキーの定義化に向けた対策ともみられています。



現在ジャパニーズウイスキーは、国内で生産していないウイスキーでも国内メーカーがそれっぽく販売していれば名乗れてしまうという現状がある。


世界的なジャパニーズウイスキーの地位向上もあってこうした販売の仕方を問題視しする流れがみられるようになったため、近い将来国内で生産しているウイスキーのみをジャパニーズウイスキーとして認めるなど、ジャパニーズウイスキーを定義する動きが活発化すると予想されている。


いずれにせよ新生竹鶴ピュアモルトは現在とは大きく味わいを変えてくるのは間違いなさそうで、新しい味わいにも注目していきたいですね。

ニッカウイスキー竹鶴が終売へのまとめ

本記事ではニッカウイスキーの竹鶴が2020年3月末にラインナップ整理するという情報についてまとめてきました。


国産ウイスキーのラインナップがどんどん整理されていくなかで市場に残っている製品は少なくなってきています。


いっぽうでここ数年の間に誕生した新しい蒸留所の原酒がもうすぐ楽しめるところまで来ているというのも事実です。


www.oishikerya.com


竹鶴の終売はウイスキーファンにとって非常に辛いニュースですが、今後はより一層ブランドバリューにこだわるだけでなく、ウイスキーの持つ本来の味わいは自分の好みと向き合ってウイスキーを楽しんでいくことが期待されることでしょう。