冬から春にかけてさまざまな品種が売り場に並ぶ柑橘類。
栄養も豊富でおいしく、気軽に楽しめることもあって日常的にお世話になっている人も多いのではないでしょうか?
そんな数ある柑橘類の中でもこれが出回り始めると春の訪れを感じるな・・・と思うのが日向夏です。
非常に爽やかで繊細な味わいはまさしく日本のフルーツと感じさせてくれる存在ですが、この日向夏について見たことはあっても詳しくは知らないという人も多いかもしれません。
ここでは日向夏の食べ方、値段、旬を知り、時期になったら思う存分楽しめるようになってもらおうと思います。
日向夏(ひゅうがなつ)とはんな柑橘?
日向夏は1820年に宮崎県で発見されたゆずの突然変異種です。
「ひゅうがなつ」という呼び名以外にも「ニューサマーオレンジ」「土佐小夏」「小夏みかん」といった別称を持っていて、基本的には種有の品種ですが最近では種無し品種も出回っています。
握り拳くらいの大きさからそれより少し小さめくらいのサイズ感で、果皮は明るい黄色をしています。
そのまま食べるのはもちろんですが、その爽やかで繊細な味わいを活かして料理に使われることも多く、サラダやスイーツに使われる以外にもドレッシングやジャムへ加工されて楽しまれます。
日向夏の味
日向夏はアルベドと呼ばれる黄色い外皮と果肉の間の白皮も食べられるのが特徴です。
かといってこの白皮はみかんほど薄いわけではなく、むしろグレープフルーツよりも少し厚みがあります。
この白皮は苦味をほとんど持たず、ほんのりと甘味を感じることができる特殊な味わいです。
果肉部は非常に繊細で甘さも酸味も優しく、ゆずの血を継いでいることを思わせる和柑橘特有の香りがほのかに漂います。
味の想像が付きやすい柑橘ではグレープフルーツ寄りで、グレープフルーツから苦味を取って味を繊細にした感じでしょうか。
日向夏の旬と産地
日向夏はハウス栽培と露地栽培で1シーズンに大きく分けて2回の旬が存在します。
まず1~2月頃にハウス栽培の旬が訪れ、続いて3~4月に露地物が旬に入るという感じです。
生産の半分以上は宮崎県で行われており、次いで高知、愛媛、静岡と続きます。
高知県では圧倒的に強い宮崎産の日向夏と差別化するために「土佐小夏」という名前で販売されることもありますね。
日向夏は高級柑橘?値段はどれくらい?
日向夏は2~3月になってくるとスーパーなどでも見かけることができる柑橘です。だいぶポピュラーな柑橘として定着しつつあるのではないでしょうか。
贈答用で大きめサイズのものは1玉で300~400円ほどするものもありますが、小玉ならひとつ100円台で売っていることもありますね(その場合はたいてい数玉セット販売になっていると思いますが)。
せとか、デコポン、紅まどんなといった高級柑橘と比べれば低価格帯で手が出しやすく、グレープフルーツやオレンジよりは季節感があるという意味ではご家庭でも楽しみやすい柑橘といえるのではないでしょうか。
日向夏の食べ方
日向夏は白皮が食べられるのが特徴です。
白皮をしっかりと食べたければみかんのように手で黄色の外皮を取り外してからくし切りにして食べるとよいでしょう。
ただ個人的には白皮を適度に削ぎ落したほうが美味しいと考えています。
日向夏は果肉自体もさほどインパクトのある味わいではないので、アクセントとして白皮の食感と風味が感じられるくらいのほうがバランスがいいからです。
いくら食べられるといっても白皮が多すぎると皮の食感が邪魔してしまうんですよね。
白皮を適度にそぎ落として食べたい場合はナイフを使いましょう。
まずは頭とお尻を水平に切り落とします。
白皮を果皮に軽く残すイメージでぐるぐると皮を剥いていきます。
好みに応じて白皮をそぎ落としましょう。個人的には斑上に果肉が見えるくらいそぎ落とすのが好きです。適度に白皮の食感を楽しめます。
縦半分にカットして真ん中の芯の部分をV字に取り除きます。
あとは好みの薄さにくし切りにして頂きます。
種がある場合は適宜取り外しましょう。
"日向夏"の食べ方、値段、旬を知って楽しむのまとめ
冬から春にかけて旬を迎える日向夏について特集してきました。
存在は知っていても食べ方や味が分からず手が出せないと感じていた人も多いかもしれませんが、日本人には非常に親しみやすい柑橘のひとつだと思います。
ぜひ楽しんでみてください。
訳アリ日向夏を取り寄せて思う存分楽しんでみるのもいいですね。余ったらドレッシングやジャムにも挑戦してみましょう。外皮は砂糖漬けなどでも楽しめます。
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