和食においてお米の質は料理全体の質に関わってきます。
それと同様にイタリアンにおいてパスタの質は料理全体の質に関わってくるものです。
特にご自宅でパスタ料理をする際はシンプルな味付けも多いことでしょうから、よりパスタの質が反映されてくるのです。
さて、パスタ料理をよくする人にとってはおなじみ、最近ではスーパーでも見かけることができる"ディチェコ"と"バリラ"というパスタブランド。
コスパからみて普段使いするのに最も適したブランドですが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。
本記事では改めて両者の違いを把握する事で、料理ごと、求める味わいごとにパスタを使い分けて、よりレベルアップしてみましょう。
当ブログではお好みパスタと組み合わせてお店の味を再現できる本格的なパスタレシピを紹介しています。
ディチェコやバリラはお店でも使用される信頼度の高いブランドなので、違いを理解して作ればより本格的な味を再現できます。
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- ディチェコとバリラの違いを値段で比較
- ディチェコとバリラの違いを製法で比較
- ディチェコとバリラの違いを味で比較
- ディチェコとバリラの違いを比較して用途を考える
- ディチェコとバリラの味や用途の違いまとめ
ディチェコとバリラの違いを値段で比較
まずは最も気になる値段の比較からです。
おそらく最もスタンダードであろうバリラのNo.5(1.7mm)とディチェコのNo.11(1.6mm)との比較になります。
一般的なスーパーで販売されているパッケージではディチェコが500gでバリラは300や450gが多いため単純比較は出来ませんが、今回はアマゾンで購入できる5kgの業務用パックで比較します。
ちなみにどちらも正規輸入品をチョイスしているため条件は一緒のはず。
このように、若干ディチェコが高い結果です。
筆者的にはバリラの方が高いイメージでいたのですが、スーパーなどで小分けされている300gパックと比較していたから割高に感じていたのかも・・・。
ちなみに、近所の大型チェーンスーパーで買い求めてみたところ、500gのディチェコNo.11が268円、450gのバリラNo.5が178円(いずれも税抜き)でした。
ディチェコがグラム単価0.536円に対してバリラは0.395円ですから、このお店では圧倒的にバリラが安いですね。
ディチェコとバリラの違いを製法で比較
ディチェコとバリラを比較していく上で製法の違いも気になるところです。
実際に使用する分には大ざっぱに把握しておいて結果的にどんな味になっているのか理解していれば十分でしょうが一応確認してみましょう。
まずはディチェコの特徴。
ディチェコの特徴
- 30時間に渡る長時間乾燥を行っていることで独自に麦の旨味を引き出している
- ブロンズ製の成形機械を用いることで表面にザラつきが多い
対してバリラの特徴。
バリラの特徴
- 品質の良いデュラム小麦粉にこだわって粘り気とコシを生み出している、
- テフロン製の成形機械を用いることで表面にザラつきが少ない
ということが挙げられます。これは実際にどのような味の違いを生み出していくのでしょうか?
ディチェコとバリラの違いを味で比較
さきほど挙げたようにディチェコとバリラはそれぞれがこだわりの製法でパスタを作っています。
一般的には、この違いからディチェコとバリラには以下のような味の違いが生まれていると考えられています。
- ディチェコは長時間の乾燥工程を経ることで麦のうまみが凝縮されている
- バリラは高品質デュラム小麦をふんだんに用いることで弾力があり、プリプリ感(食感)が楽しめる
- ディチェコの方が表面がザラザラしているのでソースとの絡みが良い
- バリラはソースの吸収性が低い分、茹でたてのコシを長時間キープできる
パスタというシンプルな食材だけに違いは細かな部分に表れてきます。
そのまま食べ比べた時はもちろんそれぞれの特性を知って料理に使う事で最終的に完成するパスタ料理の味わいをより正確にコントロールし、理想の味に仕上げることが可能になるのではないでしょうか?
ディチェコとバリラの違いを比較して用途を考える
さて、ここまで見てきたことを図にまとめてみましたのでご覧ください。
ディチェコはソースが絡みやすい反面で時間に弱いという特徴があります。
以前、飲食店では圧倒的にバリラ支持派が多い(こだわりのお店だとさらに別のブランドを選択するのでしょうが)と聞いたことがありますが、調理して盛り付けて配膳して実際に食べてもらうまでを完璧にコントロールするのが難しい飲食店においては、時間に強いバリラが支持されるのは分かる気がしますね。
加えて茹で加減においても多少の誤差が許される分、バリラは汎用性が高く日常使いや料理初心者にもオススメできるパスタだと言えるでしょう。
対するディチェコは味の一体感を生み出すという意味においては軍配が上がります。
麦自体の味を大切にしているため個性的な味わいの演出にも使えますが、一方でちゃんと計算して作らないと味がばらつくリスクもあると言えます。
湯揚げのタイミングもバリラよりシビアになる必要がありますしね。
この点で、ディチェコは少し玄人向け。料理慣れしていて、自分の味を追求してみたいという方に向いていると言えそう。
普段使いにおいては値段面を考慮してもバリラに若干軍配があがるかもしれません。
ディチェコとバリラの味や用途の違いまとめ
以上、両者の製法と一般的に言われている特徴から両パスタの比較を試みてみました。
なんとなく特徴は知っていましたが、改めてまとめて考察してみると、家で気軽に使うにはバリラの方が便利な気がしますね。
もちろんディチェコの麦感は特筆もので、筆者的に味だけで見たらディチェコの方がじつは好きです。
でもなんとなく食べ飽きするなーと感じていたのは、のびやすいという理由と味が強い(ソースも吸い込むし、パスタ自体の味が濃い)からだったのかもしれません。
今後は作る量やソースとの相性も加味してパスタを選択していこうと思います。
こう考えてみると、以前記事にした水パスタはバリラの方がコントロールしやすくて向いているかもしれせんね(早く作るならディチェコの方が吸い込んでくれていいのかも)。
なおディチェコ・バリラはいずれも業務用で買うのが圧倒的にお得です。例えば500gのディチェコNo.11がスーパーでおよそ250円程度とすると5kgで2500円。
業務用なら5kgで2300円程度です。実店舗のスーパーなど、お店によってはもっと差が開くこともあるので、腐るものでもないですし、ぜひ業務用で買いだめしましょう。