ちょっとお酒に詳しい人ならハバナクラブというラム酒の名前を聞いたことがあるでしょう。
ハバナクラブは無数にあるラムの銘柄のなかでも特に有名なもので、バーはもちろん街の酒屋やスーパーのお酒コーナーで見かけることも少なくありません。
ラムを語るなら避けては通れないハバナクラブの特徴を味や種類、飲み方といった面から解説していきます。
- 生粋のキューバンラムであるハバナクラブ
- ハバナクラブの味の特徴
- ハバナクラブの種類
- ハバナクラブの飲み方
- ハバナクラブとその他のキューバ産ラム
- まとめ|キューバンラム「ハバナクラブ」の味と種類|飲み方はカクテルに最適!
カクテルにしてもそのまま飲んでも美味しい珠玉のラムを厳選した「ラム酒のおすすめ銘柄15選!甘いものから辛口まで絶品ブランド厳選!」も要チェック!
ラムの奥深い魅力を知るなら飲んでみたいボトルを厳選しています。
スタンダードなアイテムから少しマニアックなものまでチョイスしていますので、ぜひ筆者注目のラムをご覧ください。
生粋のキューバンラムであるハバナクラブ
ハバナクラブはキューバのマヤベケ州サンタ・クルス・デル・ノルテで作られているラム酒のブランドです。
歴史を紐解くと1878年にホセ・アレチャバラという人物が設立し、1959年のキューバ革命によって国有化され国の所有物となりました。
その後1994年にはフランスのペルノリカールという国際的な酒販メーカーがキューバ政府と半々の割合で出資を行いハバナ・クラブ・インターナショナルが設立。
現在ハバナクラブブランドは世界的にはペルノリカールが取り仕切って販売するブランドとなっています(製造はキューバ国内で行われている)。
ハバナクラブの味の特徴
ハバナクラブにはいくつかのラインナップが存在しますが、その味わいは基本的にライト&スムースの飲みやすいラムだといえるでしょう。
ハバナクラブをはじめ多くのラムはインダストリアル製法といってサトウキビから砂糖を精製するときにできる副産物のモラセス(廃糖蜜)を原料として作られる蒸留酒です*1。
インダストリアル製法のラムは総じて風味は軽い傾向にありますが味わいに雑味が出やすく、安価なラムのなかには鼻につく嫌なフレーバーを感じるものも少なくありません。
その点においてハバナクラブは低価格帯かつ全世界に向けて出荷している大量生産のインダストリアルラムでありながら雑味が少なくクリーン、それでいてしっかりとラムらしい香味を残したバランスの良い味を保っています。
ハバナクラブと同様にラムを代表するブランドであるバカルディ(ラムのなかでも特にクリアでクセがない)と比べると、ハバナクラブはラムらしい香味をしっかりと持ちつつも飲みやすく、ラムの魅力をつかみやすいブランドだといえます。
ハバナクラブの種類
ハバナクラブのベーシックなラインナップは3年と7年の2種類です。
以前まではブランコと呼ばれた熟成を経ないホワイトラムが発売されており筆者も好んでいたのですが、2015年頃に製造を中止してしまいました。
また不定期に輸入される希少な15年モノをはじめ、たまに限定商品などが発売されてファンの間で話題になります。ここでは2019年3月現在の在庫状況を加味してラインナップを掲載します。
ハバナクラブ3年
ブランコがなくなった現在において最も熟成の短い、基本となるハバナクラブのラインナップが3年です。
オーク樽で熟成されているため、スムースですがバニラやバナナのようなアロマを携えておりほのかにスパイシーです。
カクテルのベースに使ってもラムの香味がしっかりと活きるので、おそらく多くのバーでラムベースのカクテルに愛用されているハズです。
価格帯も1000円ちょっとと3年熟成のラムとしてはかなり安価なほうで、ご自宅でも気軽に購入して楽しめるのも魅力ですね。
ハバナクラブ7年
7年間の熟成を経たハバナクラブは3年と比べるとまろやかで複雑味があり、メープルシロップのような甘みがあらわれています。
しかしラム特有の香味をしっかりと感じることができ、カクテルベースで厚みのある味わいを表現するのはもちろんロックやソーダ割りなどで楽しむのにも適しています。
個人的には樽熟成によるスパイシーさのおかげでミントとの相性がとってもいいのでモヒートのベースにもおすすめしたいハバナクラブですね。
ハバナクラブ15年
2011年頃までは日本でほぼ出回ることもなく、キューバ本国でしか手に入らなかったとハバナクラブの高級レンジ。
最近では高価ながら定期的に日本国内へも輸入されていて、ラムに強いバーなどで楽しむことも比較的容易になりました。
7年とは比較にならないくらいメローでふくよかなボディと複雑なアロマが感じられ、単純に熟成した時間だけでなく選りすぐりの特別な原酒のみが15年の歳月寝かされているのであろうことが想像できます。
特別なラムを楽しみたい人におすすめしたい一本です。
ハバナクラブ ユニオン
ハバナシガー(葉巻)のなかで最も高名なブランド「コイーバ」とコラボして作られたハバナクラブ。
葉巻との相性を考えてブレンドされており、ブレンドのサポートにはキューバで最も有名なシガーソムリエ、フェルナンド・フェルナンデスが携わっています。
非常にマニアックなアイテムながら、今を逃すと手に入れられないプレミアムなラインナップです。
ハバナクラブの飲み方
ライトでスムースな味わいのハバナクラブ。
そうはいっても最低3年からとしっかりと樽熟成による恩恵を受けたスパイシーで複雑なボディも持っているので、いろいろな飲み方ができるのが魅力です。
ハバナクラブ3年、ハバナクラブ7年はカクテルのベースとしても申し分なく、ご自宅で楽しむならシンプルにソーダ割りにしても美味しいですが、コーラで割ったキューバリバーやミントを使ったモヒートも楽しみたいところ。
どちらもラムの香味がある程度たっていたほうがおいしく作れるカクテルなので、コスト面からしてもハバナクラブは最適ではないでしょうか。
ハバナクラブ15年やハバナクラブ ユニオンのクラスになってくるとそのまま味わう以外の選択肢はありません。
ロックもいいですが、ここはやはりその芳醇な香りと味を楽しむためにストレートで飲んでみてください。熟成されたラムの魅力を感じることができますよ。
ハバナクラブとその他のキューバ産ラム
ハバナクラブとバカルディ
ハバナクラブと並んでラム界の二大巨頭として有名なのがバカルディ。
そんなバカルディももともとはキューバで作られていたラムでしたが、キューバ革命によって国有化されるのを恐れて本社をバミューダ諸島のハミルトンへ移設。
蒸留はプエルトリコ、バハマ、メキシコで行い世界中に販売しています。
バカルディの特徴はハバナクラブよりもライトでクリーンな酒質で、これは木炭によるろ過行程によって産み出されます。
ラムのカテルとハバナクラブがバカルディで作られることが大半ですが、スッキリとした飲み口を作るバカルディか、ラムらしい香味を活かせるハバナクラブかで作り手の趣向が問われる選択となっています。
ハバナクラブとキューバ産ラム
キューバはラムの聖地・・・ということで他にもたくさんのラムが製造されています。
例えば筆者が好きな「サンティアゴ デ キューバ」はハバナクラブと同様ライト&クリーン路線のラムですが、絶妙にフルーティーで甘みを感じるのが魅力。
サンティアゴデキューバのカルタブランカはハバナクラブ3年と同様の3年熟成ながら明確に味の違いを感じられる一本です。
ほかにも「レジェンダリオ」「ロンマツサレム」「マレコン」などキューバにはほかにもラムブランドがたくさんあるので、飲み比べてみるのも楽しいかもしれません。
ロンマツサレムはソレラシステムという熟成法で長期の熟成を施すラム。熟成が長い割にはじつに安くておいしい、ハイコスパなブランド。
まとめ|キューバンラム「ハバナクラブ」の味と種類|飲み方はカクテルに最適!
もっとも有名なキューバンラム・ハバナクラブの味、種類、飲み方などを紹介してきました。
お手頃に手に入るラムのなかではラムの個性が捉えやすく、カクテルのベースにも使いやすい使い勝手のいいラムです。
機会があればぜひ楽しんでみましょう。
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*1:この反対にサトウキビから砂糖を精製する過程を経ず、そのままサトウキビジュースを使って作るラムはアグリコールラムと呼ばれフランス領系の島などで多く作られています