ウイスキーが日の目を浴びて多くの人に理解されはじめている昨今、その裏で不遇の立場にあるのがブランデーです。
バブルの頃流行ったお酒、カッコつけるためのお酒、太りやすいお酒などなど・・・まことしやかな噂が流れているブランデーですが、ウイスキーに負けずとも劣らない非常に魅力的にお酒です。
そこで今回はブランデーにまつわるさまざまネガティブな噂について検証。逆にそこから見えてくるブランデーの魅力について考えてみましょう。
ブランデーに偏見のある方にこそご覧になって頂きたい内容となっています!
- ブランデーとは果物から作られる蒸留酒
- ブランデーのアルコール度数はおよそ40%前後
- ブランデーはアルコール度数が高いから飲みにくいのか?
- ブランデーは甘いから太るお酒というのはウソ!
- ブランデーは高くて気取ったお酒なの?
- ブランデーのアルコール度数は高い?甘いから太る?高級?真実は果たして!?のまとめ
ブランデーとは果物から作られる蒸留酒
まずはブランデーとはそもそもどんなお酒なのかということを理解しておきましょう。
ブランデーとは果物を発酵させてできたアルコールを蒸留して作られる蒸留酒です。
ザックリとしたイメージで説明すると果物を発酵させてワイン(のようなもの)を作り、これを蒸留することによって作られます。
ブランデーとよく混同されがちなウイスキーとの最大の違いは原料で、ブランデーは果実から、ウイスキー穀物(麦やトウモロコシ)から出来ています。
果物から作られた蒸留酒であるブランデーは非常に華やかで芳醇な香気成分を放つものが多く、繊細で上品なお酒になります。
果物は多くが葡萄を用いたもの(代表的なものはフランスのコニャックといわれるブランデーで、有名な銘柄にヘネシーやカミュといったものがある)ですが、りんごや洋ナシを用いたブランデーも多く、さらに桃、プラムなど世界中で種々様々な果実からブランデーが作られています。
ブランデーのアルコール度数はおよそ40%前後
ブランデーは多くの商品においておよそ40%程度のアルコールに調整されて商品化されています。
もともと蒸留した時点では60度を超えるような強力なアルコールを有していますが、熟成の過程で揮発したりまろやかにするためにお水を加えて(加水)度数を下げたりしてアルコールをやわらかくし、瓶に詰める直前にさらに微調整するなどして製品化されていきます。
結果的にブランデーは37~43%程度のアルコール度数に落ち着いていることがほとんどです。
なかには樽出し原酒(カスクストレングス)などといって、アルコールをわざと調整せず自然のままの味わいを重視して製品化している通好みの商品も存在します。
ブランデーはアルコール度数が高いから飲みにくいのか?
ブランデーは基本的に氷を入れて飲まない
ウイスキーと違ってブランデーは氷を入れて楽しむことが少なく、ストレートでそのまま飲むのが一般的な楽しみ方とされています。それはなぜなのでしょうか?
ブランデーは香りが命と言われるほど、非常に繊細で芳醇な香りを放ちます。
この香りを楽しむ事こそがブランデーを味わうということにおいて最も大切なことなのですが、氷を入れて温度を下げてしまうと、揮発性の香り成分は感じられなくなってしまうのです。
また熟成したブランデーの持つタンニンなどの成分が温度の低下によって苦味を感じさせてしまうことも氷が向かない要因のひとつだといえます。
もちろんなかにはロックで楽しめるライトな飲み方が適したブランデーもなくはないのですが、ブランデーの真の魅力を感じるのであればストレートで蒸留酒を楽しむコツを覚えておきたいものです。
ブランデーはアルコール度数が高いから酔いやすいとはいえない
ストレートでアルコール40%もあるお酒を飲むと聞くと、ブランデーはさぞかしお酒に強い人向けのお酒なのだと思ってしまうかもしれません。
しかしじつは一概にはそうは言えません。
ストレートでゆっくりとお酒を嗜む人はそんなにグビグビと飲むことはしません。じっくり時間をかけて舐めるようにして味わいます。
こうして時間をかけて一杯のブランデーを飲むのと、グビグビとビールやワインを飲むのではどちらがたくさんアルコールを摂取してしまうことになるでしょうか?
お店で飲む生ビール一杯とブランデーのストレート一杯では含まれているアルコール量に大差はありません。結果的には早く飲んでしまう方が身体への負担は大きくなります。
そう考えてみるとブランデーが一概にお酒に強い人だけが楽しむお酒ではないことが、なんとなくわかって頂けるのではないでしょうか?
むしろ時間をかけても不味くならない(むしろ美味しくなることすらあります!)ので、お酒に弱い人こそゆっくりとブランデーを嗜んでみて欲しいですね。
ブランデーは甘いから太るお酒というのはウソ!
「ブランデーは甘いから太りやすい」こんな話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これは基本的に真実ではありません。
ブランデーは果実から作られているということから"甘い"というイメージを持つ人もいますが、製造工程において蒸留されていますので糖質は限りなくゼロに近い状態になっています。
同じお酒でいえばビールや日本酒のほうがブランデーよりははるかに太りやすいです。
もしも"太りやすい"という理由からブランデーを敬遠しているのであれば、この機会にその迷信を忘れてブランデーにチャレンジしてみましょう。
心配であれば糖分などを添加しないことを謳っている造り手も存在します。
ぜひ良質なブランデーを選んで気兼ねなく至福の時間を堪能してみてはいかがでしょうか?
ブランデーは高くて気取ったお酒なの?
ブランデーは決して特別に高いお酒ではない
ブランデーは高くて高価だから気軽に飲むお酒じゃない。そんなイメージを持っている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かにブランデーは決して安いお酒ではありませんが、同じく蒸留酒で樽で熟成させるタイプのウイスキーやラムと比べて必ずしも高いとはいえません。
ブランデーとウイスキーでは原料や作り方以外にも製造に対する取り決めが違うので一概に比べるのは困難ですが、ブランデーの特徴は最低価格が比較的高い傾向にある半面で、長期熟成された20~40年クラスのお酒がウイスキーなどに比べてまだまだ安い傾向にあるのです。
たとえばポールジローと呼ばれるブランデーのなかでも高品質で有名にブランドの35年熟成品は2万5千円前後ですが、スコッチでこのクラスのものを探せば5万10万を超えてきてしまうこともザラにあります。
理由はいくつか挙げられると思いますが、最も大きな理由はブランデーにはまだまだウイスキーほど爆発的な需要がないため、今の段階ではこのくらいの値段でイイモノが出回っているということが挙げられるでしょう。
ブランデーはワインのようにがぶがぶ飲むものでもありませんし、1日1杯飲んだとしても一か月近くは楽しむことも可能です。
いま現在で他のお酒のジャンルを圧倒するコストパフォーマンスを発揮するといえるのです。
ブランデーは気取っていて飲みにくい?
ブランデーというと大きなグラスにちょっとだけ注いで手で温めながら飲む・・・というイメージが定着しています。
またドラマ『太陽にほえろ!』で石原裕次郎さんがブランデーグラスを片手にブラインドを覗いたあまりにも有名なシーンの影響で、ブランデー=石原裕次郎=ダンディな男のイメージがついてしまっている側面もありますね。
こうしたイメージからブランデーは気取ったお酒の印象を持たれがちですが、別にそんなことはありません。
手で温めながら飲む・・・というのも、ブランデーの命である香りをより立たせようということなのでしょうが、今日本に出回っているブランデーは良質なものばかりなので基本的にはそこまでして温度を温めずとも香りは愉しめます。
むしろ温度を上げ過ぎるのはよくないので、なるべくグラスのステム(脚)を持ってブランデーに余計な熱を与えないことが推奨されているほどです。
たまにブランデーを楽しんでいると「石原裕次郎のようだ」「セレブですね」などといわれることがありますが、偏見もいいところでしょう。
もちろん言っている側に悪気はないのだと思いますが、こうした偏見のせいでブランデーを楽しむ事へのハードルを上げているとしたら、それはとても勿体ないことだと思います。
ぜひそうしたイメージを気にせずにブランデーに気軽にチャレンジして欲しいですね。
ブランデーのアルコール度数は高い?甘いから太る?高級?真実は果たして!?のまとめ
今回はブランデーという、まだまだ認知度の低いお酒に対する負のイメージをひとつずつ払しょくすることに挑戦してきました。
まとめていくとブランデーとは・・・
ということで、ぜひ興味のある方にはどなたでも気軽にチャレンジして欲しいお酒だなという結論に至ります。
とっつきにくさはあるかもしれませんが、一度ハマるときっとその魅力に捉われてしまうこと間違いなし。
いまの価格帯でこれだけ上質なブランデーが楽しめる時代もいつまで続くか分かりません・・・。ぜひ今のうちに思う存分ブランデーを楽しんでみましょう。
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