おいしけりゃなんでもいい!

身近にある美味しいものを探したい。おいしけりゃ、なんでもいいんだけれど。

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バーでとりあえずマティーニは間違い!その美味しさと飲み方を考える

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マティーニといえばカクテルの王様などという異名を持つ、おそらく世界的に見ても日本で見ても、知名度だけなら上位にくるであろうカクテルです。


それが故に寿司屋の玉子よろしく「これを飲めばバーテンダーの腕が分かる」「ツウならマティーニを飲む」と思い込んでいる人が多いカクテルでもあります。


今回はそんな名の知れたカクテルが、じつのところは「作り手ではなく飲み手を試すカクテルなのだ」ということを訴えて参りましょう。

マティーニとは飲み方を問われるカクテル

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マティーニはジンにベルモットという白ワインに香草などのフレーバーを移したお酒を混ぜて作られるカクテルです。多くの場合はオリーブを添えて提供されます。


非常に古典的なカクテルで、材料が少ないシンプルなレシピゆえに作る人の個性や技量、もっと言えば思想がもろに反映されるカクテルだとも言われています。


小説や映画でも頻繁に小道具として登場するため、その界隈の人々から認識されているのも高い知名度の要因かもしれません。


マティーニスノッブ*1と呼ばれる人がいるほど、マティーニというカクテルは多様性を持った存在で、作り方やレシピ、グラスに至るまで指定する人がいるとかいないとか・・・。


このカクテルにまつわることだけで一冊の本が出来てしまうほど、語り始めたら止まらないカクテルなのです。


マティーニの起源に迫る朽木ゆり子氏の書籍はマティーニファン必読の一冊


本当に「マティーニ」を飲みたいの?

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その昔、筆者が飲みに行ったバーでマティーニを注文したところ、「本当によろしいんですか?」と聞かれたことがありました。


当時背伸びをしてバーへ通っていた自分の挙動を見て飲みなれていないと判断されたのかもしれません。


「とても強いカクテルで、人によっては飲みきれないこともあります。マティーニ自体は飲まれたことはありますか?」といった感じで質問されたのを覚えています。


それから10年ほど定期的にバーに通っていて、何度もマティーニを頼んだことがありますが、そのような質問をされたのはあの一回限りでした。


きっと明らかにマティーニを"恰好"だけで飲もうとしていると見抜かれてしまったのでしょう。確かにその時、筆者は小説や映画に出てくるイメージだけでマティーニを注文していたんです。


マティーニはものすごく強いカクテルです。ジンをおよそ2杯分、お酒とお酒を混ぜるカクテルですからアルコールも非常に強い。ウイスキーをダブルで飲むのとあまり変わりません。


バーテンダーとして初めて「現代の名工」を受賞した岸久氏の著書にもこうあります。


たとえば女性四人で来られて、マティーニ四杯となったとする。それを若い子が注文を取って僕に告げる。僕は待てよ、と思います。ほんとに皆さんがマティーニを好きなのかなと。

岸久「スタア・バーへ、ようこそ」(文藝春秋) P21より抜粋

マティーニはバーテンダーも注文を受けて気を遣うカクテルの代表だと聞いたことがあります。


その理由はまず第一に美味しく作るのに非常に気を遣うことがあるそうですが、それ以上に注文したお客さんが本心からマティーニを飲みたいと思っているのか、それとも単に名前だけで注文したのかを見抜く必要があるからなのだとか。


非常に強いカクテル、しかも口に合うかどうかも分からなければ、次の一杯に繋がらないどころか、バーそのものを「こんなものか」と思わせてしまうリスクがあるということなのでしょう。


マティーニを美味しいと感じるには経験値が必要

そう考えると、マティーニは作り手の技量が試されるのはもちろんですが、じつは飲み手の技量も試されているのでは・・・と最近は思うようになりした。


まず出されたものを残さず食べる・飲むという飲食店の基本マナーに沿うのであれば、自分がマティーニを飲み切れるのか?ということを推測する必要があります。


自分のキャパシティと現在の飲酒量などを考慮し、マティーニを飲むのに十分な余裕があるのかどうか。これを判断するというのは、やはりある程度飲みなれていないと出来ないことだと思います。


今までマティーニ自体を飲んだことが無いから分からない・・・というのであれば、前述のとおりウイスキーダブルを飲むのと大体同じと考えてみてください。もしくは単純なアルコール量で考えればビール350ml缶2本程度ということになります。



さらに、マティーニを美味しいと思える感性が備わっているかという問題もあります。マティーニはその大半がジンで作られるカクテルです。こう言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、味としては「限りなくジンそのものに近いものになる」ハズ。


つまり、ジンそのものを楽しめない人にマティーニを楽しむことは難しいと言う事ができると思うのです。




マティーニ自体にしても、筆者は正直はじめは誰のマティーニを飲んでもほとんど区別が付きませんでした。


何回も飲んでいるうちになんとなく個性が見えるようになってきて、最近ではマティーニを頼む店は決まってしまっています。自分の好みの味で作ってくれる人が分かってきたということなんですね。



こういう違いを楽しめるようになるのは何度も繰り返し経験したからこそであって、「映画や小説で見たから」とか「有名だから」とかいう理由でマティーニを飲んでも十中八九いきなり「美味しい」と思えることはないと思いますし、むしろそれこそがマティーニの面白さなのではないかな、と。


お酒そのものがそうであるように、マティーニというカクテルもひとつの"嗜好品"であり、嗜好品を楽しむにはそれ相応の経験が必要になるのです。

バーでとりあえずマティーニを注文するのは大間違い!飲み方を知れ!

さて、ここまで見てきたことによってあるひとつの真理が見えてきます。


それは、バーに行って「とりあえず名前知ってるからマティーニ」を頼むのは大間違いだという事です。特にメニューから注文しようとする人は要注意です。どうしても知っている名前を探してしまいがちですからね。


筆者もマティーニをノリで頼んで撃沈したり、後悔したりしている人も何人も見てきましたが、非常にアルコールが強く味も決して分かりやすくないマティーニなるカクテルを有名だから、本で読んだからという理由でチョイスするのはナンセンスなんです。


もちろん、マティーニを飲むなということではありません。これほどまでにさまざまな議論を醸すカクテルだからこそ、楽しめるようになればその魅力に憑りつかれてしまう人がいるのも頷けます。


ただ、筆者が思うにマティーニは単に「美味しい」を求めるだけのものではなく、飲むシチュエーションや経験、作って下さる方への信頼など、さまざまな要素を加味して楽しむものであり、いきなりなんとなく頼むものではないのです。


もし、これからバーに行ってみようと思う人や小説や映画でマティーニという存在に興味を持った人は、ぜひまずは行きつけのバーを作りましょう。


そしてそこでマティーニを飲んでみたいと相談してみましょう。相手はプロです。マティーニを楽しむためのプロセスをきっと知り抜いているハズ。その人にあわせてマティーニ道を示してくれるのではないでしょうか?


マティーニはとりあえず置いておいて、まずは自分の知らないお酒にチャレンジしても良いのです。分からないことは店員さんに聞いてオーダーすればいいのです。自分の知らないお酒に出会えるという事も酒場の楽しみではないでしょうか?


オリーブはいつ食べる?知っておきたいマティーニの飲み方

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マティーニはショートカクテルというタイプのカクテルに分類されます。ショートカクテルには飲む際のマナー的なものが存在します。


また、マティーニが他のカクテルと異なる点して挙げられるのがオリーブが添えられる点。このオリーブはいつ食べるべきなのか?そもそもなんで添えられているのか?知っておくことでより楽しめるようになるハズですから、最後に少しだけマティーニの飲み方をまとめておきましょう。

マティーニは3口で飲む?

マティーニに限らずショートカクテルは出来立てが美味しく、そこから徐々に味わいが変わっていくと言われています。人によっては3口で飲むのがマナーと言う人もいますが、基本的にお酒の弱い日本人にとってマティーニを3口で飲むのはリスキーです。


この「3口で飲む」というのは「せっかく作ってもらったカクテルを美味しい状態で飲むべき」と言い換えることもできます。つまり「出来立ての料理を美味しい内に食べよう」とか「淹れたてのコーヒーを冷めないうちに飲もう」というのと同じ原理なんですね。


そう考えてみると、マティーニを必ずしも3口で飲む必要はありません。自分のペースで飲めばいいんです。


けれど、せっかく提供されたカクテルを写真撮影やおしゃべりに夢中になって放置するのは頂けません。特にマティーニは冷たい方が美味しい傾向にありますし、当然時間が経つとお酒同士が分離がして飲めたものではなくなってしまいます。


そういう意味では自分の許容範囲内でなるべくスマートに飲みきるのが理想だといえるでしょう。

マティーニのオリーブは何のために入っている?

マティーニといえばピンに刺さったオリーブがグラスに入っているイメージも強いかもしれません。


このオリーブ、起源は諸説ありますが、基本的にはマティーニには付きもののガーニッシュ(飾り付け)です。


筆者お気に入りのアルノー社のオリーブ。いままで何軒かのバーでもアルノー社のオリーブを使用しているお店に出会ったことがある。そのままおつまみとして食べてもおいしく値段もお手頃なので家で買い求めることもできる。



オリーブの油分が胃に膜を作ってアルコールの刺激を和らげるなんていうもっともらしい説明をされることもありますが、単純にオリーブとジンの相性が良いことに注目するべきでしょう。確かに、オリーブを食べた後にマティーニを飲むとことのほか味わい深く感じることもあります。


一方で、最近ではあえてマティーニにオリーブを入れずに別に添えたり、オリーブ以外にマティーニに合うつまみを添える店舗を見かけたこともあり、必ずしもマティーニにオリーブが必要なのか?という意見もあるようです。これもまたマティーニの奥深さなのかもしれません。

マティーニのオリーブはいつ食べる?

では、オリーブが添えられたマティーニの場合、オリーブはいつ食べるのが正解なのでしょうか?意見はさまざまでしょうが、筆者的には飲んでいる途中におつまみのようにして食べるのが正解かなと思います。


まずはマティーニだけで味わい、続いてオリーブをかじってマティーニとのハーモニーを楽しみ、再びマティーニを口に含んで余韻を楽しむ事で1度に3回の変化を楽しめるというワケです。


オリーブを刺すのに利用するカクテルピン。自分自身でマティーニ作りに興じてみるのも面白いかもしれない。

まとめ

マティーニは非常に強烈で、玄人向けのカクテルです。ある種罰ゲームのような使われ方をしている場面にも遭遇したことがありますが、マティーニを頼めるようなお店は必然的に大人のお店でしょうから、そういう使い方はしたくないですね。


まずは謙虚な心持ちで、マティーニを楽しめるかどうか自問自答してからオーダーしてみてはどうでしょうか?迷ったのり不安に思ったら、正直にプロの方にぶつけて対応してもらいましょう。きっと気持ちの良いお酒を提案してもらえるハズです。


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*1:知識や教養をひけらかす人のことをスノッブと呼ぶ