オレンジ色に輝く見た目にも派手なチーズ、ミモレット。
料理にも使いやすく、お酒との相性もよくてチーズの盛り合わせなどに入っていることも多いので食べたことのある人も多いかもしれません。
飲食店などで何気なく食べているこのチーズ、いったいどんなチーズなのか気になっている人も多いのではないでしょうか?
じつはミモレットはとってもお手軽に楽しめるハードチーズで、クセがないので食べやすく保存も容易なのでご家庭で食べるのにもおすすめできるんです。
本記事ではそんなミモレットの特徴、食べ方、切り方、味、おすすめの商品(通販)を解説していきます。
ミモレットってどんなチーズ?
ダニの力で育つオレンジ色のチーズ・ミモレット
ミモレットはフランス北部で作られるオレンジ色のチーズです。分類ではハードチーズに当たります。
特徴的なのは表面にシロンと呼ばれるダニを住まわせて繁殖させて熟成させることです。このダニはカビを食べることでチーズの脂肪分と水分をコントロールし、長期熟成を可能としています。
そのためミモレットの外皮は無数の穴が開いており、それぞれの穴がダニのコロニーになっているというわけです。
また、このチーズの色合いであるオレンジはアナトー色素によって着色されたものです。
ミモレットは熟成させるチーズ
熟成を前提としたチーズで、熟成度合いに応じて呼び名が変わります。
2~6ヶ月熟成 ジュンヌ
6~12ヶ月熟成 ドゥミ・ヴィエイユ
12~18ヶ月熟成 ヴィエイユ
18~24ヶ月 エクストラ・ヴィエイユ
熟成が進むにしたがってオレンジ色は濃くなり、水分が抜けて硬さが増します。
エクストラ・ヴィエイユあたりになると切るのは困難で、どちらかという削るという形で食べることになります。
ミモレットの名前の由来
なんだか可愛らしい響きのミモレットですが、由来はフランス語のmi-molletという言葉で、これは日本語で言うと半分だけ柔らかいという意味合いを持ちます。
もともとオランダのエダムというチーズを真似て作られたとされるミモレット。
このエダムはセミハードの柔らかさも持ったハード系チーズなので、未熟なミモレットの柔らかさも踏まえてこの名前がつけられたのでしょう。
いまではミモレットは熟成させて硬くなってから食べる人も増えたため「半分柔らかいチーズ」とは言い切れなくなりましたが、そうした文化的な背景を想像しながら食べるとより楽しめそうです。
ミモレットの味
ミモレットは熟成具合によって味がだいぶ異なります。
ヴェンヌクラスの未熟なものだと、ゴーダチーズやチェダーチーズに共通するようななめらかな口当たり、強い塩気、ミルク感が特徴的なセミハードチーズです。
しかし熟成が進むと塩気がマイルドになり、アミノ酸による旨味が増します。
乾燥も進むため口当たりはパラパラな印象になりますが、そのぶん少量口に含んだだけで満足できる味の濃厚さがあらわれます。
ヴィエイユクラスになってくるとミモレット特有の複雑な風味が立ち上ぼりますが、これは日本ではよく「からすみのような味」と表現されています。
ミモレットの切り方と食べ方
ミモレットの切り方
ミモレットは熟成具合によって硬さが違うため、切りやすさも変わってきます。
しかし基本的な切り方は一緒で、外皮から中央にむかってカットするのが基本です。
好みにもよりますが、熟成系のハードチーズは旨味が強いので薄く削って口の中で溶かすようにして食べるのがおすすめ。
はじめは物足りなく感じるかもしれませんが、口の中に入れて味わっているとじんわりと旨味が溢れ出してきてこの量でじゅうぶんだということがわかるはず。
むしろ厚く切りすぎると味が濃すぎて胸焼けしてしまいます。
残りのミモレットは切り口をしっかりとラップで覆って可能なら新聞紙などにくるみ冷蔵庫の野菜室などに保管します。
ハードチーズは保管さえしっかりしていれば1か月以上余裕で保管できます。
ミモレットの食べ方
そのまま食べる
切り出したミモレットはぜひそのまま食べてみましょう。
ミモレット特有のからすみのような味わいを堪能できるはず。特に1年以上長期熟成したものはおつまみとして最高です。
ワインやウイスキーはもちろんですが、からすみのような風味と上質なアミノ酸が日本酒とも最高のマリアージュを生むことでしょう。
お酒はもちろんですがじつは紅茶などのお茶のアテとしても優秀です。ぜひ試してみてください。
料理に使う
ミモレットは料理に使うのにも便利なチーズです。
スライスしたりすり下ろしてサラダに添えるのが定番ですが、パスタやリゾットに使っても美味しいですし応用の仕方がいっぱいあります。
そのまま食べるのに飽きてきたり、まとめて買って余っている場合はぜひいろいろな料理に応用してみてください。
通販できるおすすめのミモレット
ハイ食材室のミモレット
筆者も愛用する高品質食材店「ハイ食材室」のミモレット。
12か月と18か月の2パターンを複数のロット(量)で販売しています。
注文を受けてから切り出しているため、出荷ギリギリまで熟成続けており非常に味わい深いミモレットを楽しめます
18か月熟成150g。
オーダーチーズのミモレット
オーダーチーズドットコムも筆者が愛用するチーズショップのひとつ。
ネット通販に特化したチーズショップなので通販に対する対応が優れているのが特徴。
実店舗のように味見したりその場で切り出してもらうことはできませんが、なかなか近場においしいチーズショップがないという方にはまずオススメしたいチーズ屋さん。
ミモレット以外のチーズも実に豊富で、安価な商品から本格的な熟成士の仕上げた超高級チーズまで幅広いラインナップ。時期限定のコンセプト販売もあります。
長期熟成のミモレット
18か月を超えるミモレットはなかなか市場に出回らず、特にネット通販だと購入できるところが限られてきます。
22か月熟成くらいまでなら探せば手に入るので、長期熟成ミモレットを味わってみたい方はぜひチェックしてみてください。
ミモレットチーズの食べ方、切り方、味のまとめ
本記事ではフランスを代表するハードチーズであるミモレットについて紹介してきました。
このチーズはうまく熟成したものを食べると本当にからすみのような風味を持っていて日本人にも美味しさが分かりやすいチーズだと思います。
ナチュラルチーズ特有のクセはなく、ベースの味は万人受けするのも魅力です。
ぜひ美味しいミモレットを食べてチーズの世界の奥深さを体感してみてください。