その見た目と強烈な味わいから敬遠しがちなチーズがブルーチーズ。
嫌いな人からは「青カビをわざと生やすなんて理解不能」という声が聞こえてきそうですが、一度その禁断の味を知ってしまうと病み付きになってしまう食べ物でもあります。
チーズのなかでも種類や熟成度合によって味わいに微妙な差が生まれることから奥深いジャンルであるブルーチーズ。
今回はそんななかでも際立って特徴的な「シュロップシャーブルー」というチーズを特集します。
味わいはブルーチーズのなかでも特に食べやすい部類に入るのですが、特徴はその見た目にありました。ぜひチェックしてみてください。
- ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"の特徴は目を引くオレンジ色の外見
- ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"はどんなチーズ?スティルトンの兄弟
- ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"の味わい、見た目に反してクセがない?
- ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"はスコッチやポートワインとの相性抜群
- シュロップシャーブルー|オレンジ色のマイルドで食べやすいブルーチーズを食す
ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"の特徴は目を引くオレンジ色の外見
ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"の特徴はなんといっても鮮やかなオレンジ色をした外見です。
数あるブルーチーズのなかでもオレンジ色をしたブルーチーズは筆者はシュロップシャーブルー意外に知りません。
一見するとオレンジ色のベースに青カビが生えているというおぞましいチーズなのですが、じつはその見た目に反して非常に食べやすく初心者向けのブルーチーズとして有名です。
ちなみにこのオレンジの色合いはアナトー色素というものによって着色されたもので、味わいには影響していません。
では具体的にブルーチーズ"シュロップシャーブルー"の特徴についてもっと堀下げてみましょう。
ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"はどんなチーズ?スティルトンの兄弟
シュロップシャーブルーはイギリス生まれてのブルーチーズです。
牛の乳から作られるスタンダードなブルーチーズで、シュロップシャー・レスターシャー・ノッティンガムシャーで作られています(つまり名前のシロップシャーとは地名を指しています)。
このチーズは歴史がまだ浅く、1970年代のスコットランド発祥で1981年に商品化されました。
イギリスでもっとも有名で、かつ世界三大青カビチーズとして認められているスティルトンの系譜にあるブルーチーズでもあり、近年ではその見た目の華やかさから徐々に人気を博しつつあります。
このオレンジ色はアナトー色素に由来するものです。アナトー色素はベニの木の種子から作られた色素で、天然色素の一種です。
イギリスを代表するチーズとして挙げられるチェダーチーズのレッドチェダーも同じくアナトー色素を使っていて、熟成や季節に関わらず色味を安定させる、見た目を華やかにさせるというメリットがあるといわれています。*1
ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"の味わい、見た目に反してクセがない?
見た目のインパクトが強いシュロップシャーブルーですが、じつはその味わいはマイルドで食べやすい部類です。
そもそもシュロップシャーブルーのもととなったといっていいスティルトン自体がブルーチーズのなかでは青カビ特有の刺激的な香味は少なく、香ばしいナッティなテイストが特徴です。
熟成した青カビにありがちなねっとりとした舌にまとわりつくような食感もなく、比較的乾燥していてキレがいい味わい。
スティルトンと比較すると個人的にはシュロップシャーブルーのほうがねっとり感とナッティ感は強いイメージですが、クセの強さはほぼ似通っていて数ある世界のブルーチーズのなかでも最も食べやすいもののひとつと言えると思います。
ブルーチーズ"シュロップシャーブルー"はスコッチやポートワインとの相性抜群
シュロップシャーブルーの適度なクセとしっかりとした塩気、乾いた食感はお酒を引き立てます。
特にこのチーズはスコッチウイスキーやポートワインと相性がいいということで紹介されることが多いのですが、これはおそらくイギリスのチーズだということに由来しているのでしょう。
じっさいはスコッチやポートワインに限らず、ブランデーや貴腐ワインなどのポートワイン以外の甘口ワインとの相性もバツグンです。
シュロップシャーブルーを食べるときはぜひお酒とのマリアージュも楽しんでみてください。
シュロップシャーブルー|オレンジ色のマイルドで食べやすいブルーチーズを食す
シュロップシャーブルーはイギリスのブルーチーズで、ブルーチーズのなかでは食べやすいチーズです。
ブルーチーズ初心者の人はもちろん、お酒との相性も素晴らしいチーズなのでアテとして良いチーズをお探しの人にもおすすめできますね。
まだまだそこまで有名とはいえませんが、ぜひ一度食べてみてほしいところです。
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*1:スティルトンはもともとチェダーチーズの系譜と考えられるチーズで、そう考えた時にスティルトン=(ホワイト)チェダー、シュロップシャーブルー=レッドチェダーという図式で見ることもできるでしょう。