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買えないビール⁈「うちゅうブルーイング」の「宇宙ビール」とは?うまい・まずい評判が賛否両論の新世代ブリュワリー

買えないビール「うちゅうブルーイング」


いま、ビール好きやクラフト系のプロダクトに興味のある方がにわかに注目しているビールメーカー「うちゅうブルーイング」。独自の哲学を基にしたキャッチーなビールは年々知名度を高めており、「入手困難」で「買えない」ビールとしても知られています。


一時期は販売されれば即完売の幻のビールともいわれていましたが、最近では少しずつ流通が安定し、ベーシックなラインナップはビールに強い酒屋をはじめとして見かける機会も。


そこで、今回は魅惑的なビールを生み出す「うちゅうブルーイング」と、そのブリュワリーが作る「宇宙ビール」の魅力を、実際にビールを楽しみながら紐解いていきます。


「うちゅうブルーイング」と「宇宙ビール」とは?

「うちゅうブルーイング」は、山梨県北杜市でビール製造を行っているブルワリーです。また、「宇宙ビール」は「うちゅうブルーイング」で作られるビールの総称、いわばビールのブランド名といったところでしょう。



ブルワリー(brewery)


醸造所のこと。主にビールを造るビール醸造所。近年のクラフトビールブームを受け、醸造所そのモノはもちろん、ビールのブランドそのものを指し示す名称としても使われる傾向にある。


北杜市といえば、サントリーが手掛けるジャパニーズウイスキーとして知られる「白州」の蒸留所がある場所でもあり、酒造りに適した豊かな自然が広がる土地です。


同ブルワリーはアメリカ西海岸のクラフトビール文化に影響を受けており、おいしいビールはもちろんのこと、ビールを通じて生まれるコミュニケーションを大事にするという哲学を持っています。


また、農業が根幹にあることから、ビールの味わいを決める重要な素材「ホップ」を自家栽培しているのも特徴。数あるクラフトビールブランドのなかでも手作り感のより強い点が、ブランドの魅力をより高める要因になっているのかもしれません。

宇宙ビールは買えないビール?

うちゅうブルーイングでは、フラグシップビールである「宇宙IPA」をはじめ、多様なビールを醸造しています。なかには季節限定など、その時しか手に入らないスペシャルな商品が販売されることも。


販売は不定期で、ビールの仕上がりや瓶詰めのタイミングが読み切れないことから、余裕を持って販売予告されることはありません。発売が決定したタイミングでSNSを中心にお知らせが出るのがルーティーンとなっています。


しかし、非常に人気のある宇宙ブルーイングは商品の販売をいまかいまかとチェックしている人も多く、発売と同時に売り切れてしまうことも少なくありません。公式サイトの一般販売向けページは、よほど念入りにチェックしていないと購入するのが難しいのです。

思い立って販売ページを開いても、すべての商品が売り切れていることがある。


また、この入手難易度の高さは、さらなる噂を呼び人気を高める要因にもなっているといえるでしょう。事実、筆者の周りでも「一度は飲んでみたい幻のビール」として注目している方は少なくありません。

宇宙ブルーイングと宇宙ビールの魅力とは?

宇宙ブルーイングとそのビールのどこに、人々を惹きつける魅力があるのでしょうか。調べていくとそこには、うちゅうブルーイングの持つブランド性の高さがありました。

ストーリー性のある商品展開

うちゅうブルーイングは商品であるビールそのモノだけではなく、宇宙ビールというブランド自体をしっかりと確立しているブリュワリーです。


そもそも、同ブルワリーは2009年から行っている「宇宙農民」という農業活動がベースになっています。2016年からビールの命ともいえるホップ栽培を開始し、さまざまなワークショップなどを交えながら農業に対する精力的な活動を行っています。


さらに、飲食に限らずさまざまな分野でのトレンドであるサステナブルにいちはやく取り組み、「サステナブルワリー」という哲学をもって長期にわたったビール醸造を可能にする工夫にも挑戦。


宇宙の一部としての地球における自然の美しさ・すばらしさ・おいしさ・楽しさを、ビール造りをはじめとした各社活動を通して独自に表現することを目標としています。

買えないビール「うちゅうブルーイング」
ビール自体にもコンセプトを持たせているのが特徴。こちらは「PLUTO」というビールの裏ラベルに書かれたコンセプト。遊び心に溢れている。

こうした明確なビジョンと、それによって生み出される魅力的で多様な商品展開が話題を呼び、ファンを定着させる要因となっているのでしょう。

デザインにも意識を置いたプロダクト作り

日本のクラフトビールは、地酒感を前面に出したある種の素朴さがウリのひとつにもなっていると思います。ここ10年前後で生まれた新しいブルワリーには例外も多いのですが、基本的には味わいもパッケージも、ブランドデザインに至るまでが真面目、ある意味では「地味」な傾向にありました。


うちゅうブルーイングは、その点において「宇宙」というスケールの大きいキャッチーなワードを基調として、いままでお酒に興味のない方でも気になるようなブランドコンセプトやパッケージデザインを意識しているブランドです。

「宇宙」というコンセプトに即し、惑星の名前などをビールに着けている。商品名にも注目したい。


遊び心に溢れたビールのネーミングや素材の使い方など、従来のビールのイメージとは異なるオシャレで楽しい商品が多いのも、魅力のひとつだといえます。

「いつでも買えない」ことの大切さ

販売開始から早い段階でビアギークを中心に注目されていた宇宙ビール。じっさい、いまだに入手は容易なモノではありませんが、それでも丁寧で持続可能なモノ作りを大切にしていることもあってか、宇宙ビールの生産量は需要と供給をむりやりに満たそうとはしていません。


無理して作らず、おいしいモノができたら提供する。それによって売り切れが続出しているわけですが、そのことがかえって話題を呼ぶ結果にもつながります。「いつでも買えない」ビールであることが、宇宙ビールの人気の秘訣にもなっているのではないでしょうか。


宇宙ビールの評判は?うまい?まずい?

さて、肝心お味はどうのようなものなのでしょうか。

買えないビール「うちゅうブルーイング」
濁ったかすかなとろみのある液質が特徴


筆者もいままで8種類ほど宇宙ビールを飲んだ経験がありますが、味わいは総じてフルーティーで軽快。フルボディとまではいかないがライトボディともいえない、絶妙なバランスが特徴だと感じています。


濁りのある濃度の高い液質もポイントで、クリーミーなテクスチャーが楽しめるのもポイント。世界には無数のビールが存在していますが、ある程度の知名度を確立し、ある種のブームになったブランドのビールとしては今までにない個性のあるビールという印象です。

買えないビール「うちゅうブルーイング」
PLUTO


たとえば、モザイクホップとネルソンソーヴィンホップを使用した「PLUTO」。マスカットのような青い果実のニュアンスが感じられる、爽やかなフルーティーさを持つ西海岸ダブルIPA。

買えないビール「うちゅうブルーイング」
宇宙MASTER


フラッグシップ宇宙IPAをさらに濃厚に仕上げた「宇宙MASTER」は、完熟したトロピカルフルーツを思わせる仕上がり。濃厚な、それでいてただ苦くて強いだけではないビールを飲みたい方にぴったり。


なかには、いちごとバナナを大量に使って仕込んだスムージーのような「GLUON」など、いままでのビールの範疇にとらわれないイロモノ商品も展開。



うまいかまずいかでいえば、間違いなくうまいと思える完成度のビールです。飲んだことのある方からは「入手困難になるほどおいしいとは思わなかった」などという評判が耳に入ることもありますが、それはその方のビールの既成概念に宇宙ビールが拒絶されてしまっただけでしょう。


それは、たとえば「アサヒスーパードライは口に合わない」と言う方がいるのとまったく同じこと。お値段が国産ビールとしては多少高い点にネックはあるものの、宇宙ビールはビール好きな方であればもちろん、お酒が好きな方であれば一度は飲んでみるに値するビールだと思います。

買えないビール⁈「うちゅうブルーイング」の「宇宙ビール」とは?

買えないビールなどとも噂されるうちゅうブルーイングの宇宙ビール。それは、うまい・まずいの二元論でお酒という文化を語ることの愚かしさを訴えかけるような、パワフルなビールでした。


なかなか購入する機会に恵まれないビールではありますが、ぜひ見かけたら試してみてほしい注目ブルワリーのひとつ。通販でもたまに出回っているので、気になっていた方は、ぜひ1度はトライしてみることをおすすめします。



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