豊水といえば日本梨を代表する品種です。
市場にはさまざまな種類の日本梨が並んでいますが、みなさんはその特徴を答えることができるでしょうか?
本記事ではよく目にする日本梨・豊水の選び方、味といったことから、同じく代表的な日本梨である幸水との違いを解説していきます。
豊水とは?
豊水は農研機構果樹研究所で誕生し、1972年に登録された赤梨の一種です。
赤梨とは日本梨の分類のひとつで、皮が赤茶色系のものを指します。日本梨の6割ほどは赤梨で、このあと比較する幸水も同じ分類です。
豊水の交配に関しては長い間議論が続いていますが、現在ではDNA解析によって「幸水」×「イ-33」という組み合わせで誕生したという説が濃厚になっています。
現在では、幸水とあわせて日本で生産される日本梨の半分以上を占める代表的な品種であり、秋になると必ず売り場でみかける身近なフルーツだといえるでしょう。
豊水の特徴
豊水は果汁をふんだんに含んだジューシーな日本梨です。
身をカットすると果汁がしたたり落ちるような個体も少なく、果汁が豊富な品種の多い日本梨のなかでも特にジューシーな品種だといえるでしょう。
糖度はものによってバラつきはあるものの12度を超えてくるのが基本で、甘みが強いのも特徴の品種。いっぽうで、酸味も比較的しっかりとしているため、ベタつかずキレがあり、複雑で濃厚系な味わいです。
日本梨は品種によって明確な味の違いがあるため、ハッキリと好みが別れるところですが、豊水を一番にあげる人は少なくないはずです。有名ながら希少種にもひけをとらない完成された味の日本梨ですね。
豊水の産地
農研機構の平成30年度「ナシ(日本ナシ)品種別栽培面積」によれば、国内で栽培されている日本ナシのうち、39.9%が幸水で26%が豊水です。
それほど豊水は生産量の多い梨のひとつ。主な生産地は千葉県・福島県・茨城県・栃木県などですが、日本ナシの栽培が行われている日本全国さまざまな場所で栽培されているのも特徴です。お気に入りの産地を探してみるのも楽しいかもしれませんね。
豊水梨と幸水梨の違い
豊水は幸水を親に持つ品種だ考えられていますので、ベースの味は近いものがあります。
しかし日本梨といえば幸水派、豊水派とまっぷたつに意見がわかれるフルーツでもあるでしょう。
おそらく皆さんもなんとなく好みをお持ちではないでしょうか?
豊水と幸水の見た目の違い
幸水と豊水を比べると、まずはその大きさの違いに気づくはずです。
幸水は250g前後の中玉、豊水は350g前後の大玉で、特に大きい豊水は400gを越える重量級の大きさです。
また幸水の方が若干青さのある皮で、豊水のほうがしっかりと赤茶色の傾向に。さらに、幸水はザラつきのある斑点が果皮に表れていますが、豊水はツヤのある果皮である点にも違いがあります。
豊水と幸水の流通時期
豊水と幸水は流通する時期にも違いがあります。出回る時期は幸水のほうが早く、7月の下旬から流通がスタート。豊水は8月下旬からの流通が一般的なので、おおよそ一か月ほどタイムラグがあります。
同じ日本梨でも幸水は夏のフルーツ、豊水は秋のフルーツと分類してもよいかもしれません。季節の移ろいを感じながら楽しめる、風情のあるフルーツともいえるでしょう。
豊水と幸水はどっちが甘い?味の違いは?
味わいは、豊水がさきほども述べたように甘味と酸味がどちらもしっかりした濃厚系の味わいなのに対し、幸水は酸味はほぼなく甘さが立っているのが特徴。さらに、幸水のほうがシャリシャリとしていて繊維感が強く、豊水は比較的なめらかで柔らかい食感です。
糖度だけでみれば豊水の方が甘い個体が多いといわれていますが、豊水は酸味がのっている分幸水の方が甘く感じる人も多いかもしれませんね。
甘さと酸味のバランスが整っている味を好む方や柔らかい食感が好きな方は豊水、甘さがハッキリとしていて食べ応えのある食感がよい方は幸水が好みに合うのではないでしょうか。
豊水と幸水の保存性の違い
幸水と豊水とでは、豊水のほうが物持ちがいい品種です。
幸水は収穫から1週間もすれば味が落ちていってしまい、ちょっと気を抜くとすぐに腐ってしまいます。いっぽうの豊水は、一週間以上保存することも容易で、味の劣化も遅めです。
ただし時間のたった豊水は日本梨特有のシャキッとした食感がより薄れ、かなりやわらかい食味になってしまいます。好みにもよりますが時間の経った豊水は個人的に食味がよくないので、品種に限らず日本梨は早めに食べてしまうというのが鉄則です。
おいしい豊水の選び方
豊水に限らず、日本梨は人によって好みが違うので選び方も一概にまとめることはできません。
ここでは筆者の主観から豊水のベストな選び方を紹介していこうと思います。
色合いの違い
まずは画像をご覧ください。
これはどらちも豊水ですが色合いが異なることに気づくでしょう。左側のほうが赤茶が強く、右側は少し青さが残っています。
赤梨は基本的に色が赤茶系になるほど熟しています。熟しているということは甘みが強く果肉のシャリシャリが弱め、果汁感が強いということです。
したがって、濃い味がお好きであれば色がより赤茶色になっているものを選び、爽やかさを求めのであれば青色のものを選ぶようにします。
ただし色が極端に赤茶系ないしは青色系に偏っているモノは味にムラがあり、場合によっては味が薄かったり、中が部部的に変色していたり(写真左側のものは少し変色していました)、腐る寸前だったりするので、バランスの良い色味のものを選ぶことをオススメします。
表面のザラザラを触る
豊水は、まだ未熟なうちは表面のザラザラがしっかりとしていて、時間が経つにつれてしだいにツルツルに近づいていきます。赤茶色に近づいていればそれに伴いザラザラ感も薄れているはずです。
ただし経験上、あまりにもツルツルになってしまっている豊水は過熟なのか時間が経っているのか、味がぼやけている傾向が多い思っています。そのため表面のザラザラが少しだけ残っているものを探した方が、味わいのバランスが整っていておすすめです。
原則として大きいものを選ぶ
フルーツは大きいと大味だという人もいますが、日本梨は大きいものの方が味が濃く物持ちも良い傾向にあります。そのため値段に差がないのであれば、なるべく大きいものをチョイスするというのが基本です。値段に差がある場合も、基本的には大きいサイズのモノのほうが上等なケースは多いといえます。
また、重量も重ければ重いほど中身が詰まっている証拠になるので、同じような大きさなら手で持ってみて重い方を選ぶようにしましょう。
豊水梨の特徴、選び方、味のまとめ
豊水は日本の秋を代表するフルーツです。秋のフルーツの走りになる存在でもあるので、ぜひ幸水はじめ他の日本梨との味の違いにも意識を置きながら豊水を楽しんでみてください。
日本梨は基本的に獲れたてに近いほうが美味しいので、下手にスーパーで陳列されたものを買うくらいならネットでの購入がオススメです。
和梨は全国どこでも栽培されていますが、どうせ購入するなら梨処の千葉県や茨城県産の高品質な豊水を狙ってみてはいかがでしょうか?大玉でたっぷりサイズをお手頃価格で購入できますよ!
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