クラフトビール、地ビールというものが定着してずいぶんと時間が経ちました。
いまなお新しいブリュワー(ビール工場、ブランド)が誕生しては消えていくビール業界ですが、20年位以上の長い歴史を持ち今なおトップに君臨し続ける箕面ビールを知らずに国内クラフトは語ることはできないでしょう。
自分たちの手で収穫した地元の桃やゆずを用いたビールを作ったり、世界で認められる黒ビールを作るなど徹底したクオリティと土地に根付いたビール造りに注目!
大阪が日本、そして世界に誇るクラフトビール"箕面ビール"の魅力に迫ります。
箕面ビールとは?
大阪府箕面市のエイ・ジェイ・アイ・ビア有限会社の地ビール醸造所及びそこで作られているビールのブランドが箕面ビールです。
箕面は都市部に比較的近い立地ながら箕面山や箕面大滝といった自然に囲まれた土地で、野生の猿が多く生息する場所として知られています。
そうした土地で作られる箕面ビールは日本の地ビールの隆盛と時代を共にしてきた箕面ビールはいまや地元だけでなくビール好きに知られる鉄板ブランドとなりました。
日本のクラフトビールブーム
90年代のはじめに巻き起こったとされる地ビールブームでしたが、当時はまだまだアサヒやキリンといった大手のビールのみがビールを名乗れた時代。
味わいも未完成でそのブームはすぐさま過ぎ去りました。
そうしたなかから世界のビールの味わいを取り入れながら進化し続けてきた日本の地ビールメーカーは世界的なクラフトビールブームと共鳴するようにして2010年代前後から第二次クラフトビールブームを巻き起こします。
箕面ビールはそんな地ビールブームの最初期からいまに至るまでこだわりのあるビール造りを継続し、多くのビアギークから認められる日本を代表するクラフトビールメーカーなのです。
世界一にも選ばれる箕面ビールの特徴
箕面ビールといえば日本らしいバランス感覚に優れた落ち着いた味わいのビールを造るのが特徴。
個人的には日本三大クラフトビールの一角だと考えており、じっさいに日本のクラフトで3つ挙げるとなったときに箕面の名を挙げるビール好きは多いのではないでしょうか?
豊田遠征する際に、伊勢角屋ビールに行くプランは建てたけど、考えてみりゃ大垣に行って金蝶園の銘菓ふわふわをゲットしたい気も…
— [H] (@xtc_5403) September 13, 2019
でもまあ、常陸野ネスト(茨城)、箕面(大阪)、伊勢角屋(三重)の現個人的三大クラフトビールメーカー地元直営店でビールを飲むという目標の最後が伊勢角屋だしね…
味、知名度、歴史、安定した生産、クラフトビール業界への貢献といった複数の要素においてしっかりと成果を残しているのがポイントでしょう。
たとえば箕面ビールのスタウト(黒ビール)。
2009年、2014年のWorld Beer Awardで金賞、2016年のWorld Beer Cupで金賞を獲得するなど、世界レベルビアコンペで最も優れたスタウトに選ばれています。
じっさいに「箕面といえばスタウト」と語るビアギーク(ビールマニア)は少なくありません。
ほかにもW-IPAやペールエールが世界レベルのコンペで賞を獲得するなど、名実ともにワールドクラスの実力を持ったブランドなのです。
箕面ビールの主な受賞歴
スタウト
World Beer Award 2009、2014・・・・・・・・・・・・金賞
World Beer Cup2016・・・・・・・・・・・・・・・・金賞
ペールエール
Brewing Industry International Awards(BIIA)2015・・・・銀賞
W-IPA
Internatinal Brewing Awards 2017・・・・・・・・・・金賞
World Beer Awards(WBA) 2013・・・・・・・・・・・・金賞
ゆずホ和イト
World Beer Cup(WBC) 2012・・・・・・・・・・・・・金賞
箕面ビールの種類
箕面ビールは現在5種類のスタンダードラインナップと2種類の準スタンダード、それ以外のシーズナブル(季節限定)ビールを展開しています。
それぞれ紹介していきましょう。
ウンチクはいらないからとくにかく飲んでみたいという方はスタンダードの飲み比べセットから挑戦してみてはいかがでしょうか?
スタウト
箕面ビールといえばスタウトとこたえる人も多い代表作でしょう。
スタウトとは黒ビールのことで、箕面のそれはクリーミィでのど越しがよく、軽めのコーヒーやチョコレートを思わせるような絶妙な飲み心地。
全体的に重くて飲み飽きしやすいものが多いスタウト系のなかでここまでひっかからない味わいを作っているのが流石です。
W-IPA
スタウトに次いで人気のあるW-IPA。
IPAとは苦みの強いビールのスタイルですが、W-IPAというだけあって苦みはもちろんアルコールも9%と飲みごたえを追及した一本。
スタウトが飲みやすい系に仕上がっていたのに対してIPAはガツンと系で攻めてくるところに意気込みを感じますね。
アルコール度数も高くガツンとした苦味と飲みごたえがある箕面のIPAは日本を代表するIPAのひとつですが、個人的に対極に位置していると思うのがブリュードッグのパンクIPAです。
南国フルーツのような華やかニュアンスと鮮烈なホップのフレーバーがあり、飲み心地のよさが特徴。ぜひW-IPAと飲み比べてみて欲しいですね。
ペールエール
ホップの香りと苦みの心地よい飲み口で女性からも人気の高いペールエール。
クラフトビールメーカーの顔となるビアスタイルだけにどのブリュワーも力を入れているところでもありますが、箕面のペールエールもまた高い評価を得ているビールです。
飲み飽きしないバランス感覚はある意味箕面らしさを最も表しているのではないでしょうか?
ヴァイツェン
小麦を使うことで生まれる独特の風味が特徴のヴァイツェン。
バナナやスパイスを思わせるようなフルーティーでエキゾチックな風味に惹きつけられるファンは多く、ヴァイツェン好きはヴァイツェンしか飲まない印象もあるほど。
スパイシーな料理や肉料理といった食事との相性もバツグンで、ワインの代わりになるうる食中酒です。
ピルスナー
日本の大手ビールの大半はピルスナースタイルで、スッキリとした飲み口と苦みが生み出すのど越しの良さが特徴です。
反面でクラフトビールにおいてはあまり人気の出ないスタイルでもあります。
しかし箕面ビールのピルスナーは麦の風味と優しいホップの苦みが生み出すコクのある味わいで、クラフトビールの造るピルスナーを見事に体現していて個人的には大好きなビールです。
麦ジュースと呼ぶにふさわしい、素材を感じるビールを楽しみたい方にオススメです。
おさるIPA、こざるIPA
常時販売しているレギュラービール5種に対して、準レギュラーとして定期的に作られているのがおさるIPAとこざるIPAです。
いずれもW-IPAと連なるIPAスタイルで、位置づけとしてはW-IPA(Alc9%)➡おさるIPA(6%)➡こざるIPA(4.5%)の順で軽くなっていきます。
W-IPAが一般のIPAより少し強めに作られているので、おさるIPAがよそでいうところの一般的なIPAに当たるボリューム感でしょうか。
こざるIPAまでいくとライト過ぎて通常のIPAフリーカーには敬遠されそうですが、逆にピルスナーやラガーが好きな方には箕面のピルスナーよりもキレがあってウケがいいかもしれませんね。
いずれにせよどちらも非常によくできたIPAで、箕面のラインナップを語るうえでは外せない存在となっています。
桃、ゆず、ぶどう…地元のフルーツを活かした限定ビール
箕面ビールでは地元近くの交流のある農家さんたちから分けてもらったフルーツを使ったシーズナブル(季節限定)ビールも有名です。
夏は桃を使った桃ヴァイツェン、秋はブドウを使ったカベルネエール、冬は柚子を使ったゆずホ和イトなどが毎年の定番となっています。
収穫時期によって異なる品種を使って仕込むという桃ヴァイツェンは箕面ビールのスタッフ自ら桃を収穫にいくこともあるというシロモノ。
あまりの人気に発売される瞬間に売り切れてしまうほどで、わざわざ桃ヴァイツェンを飲みにビアバーなどに赴くことがファンの間で「桃狩り」などと呼ばれています。
ぶどうに着いた野生酵母を使って発酵させるコンセプト
— おいしいを探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」 (@bollet_jp) November 23, 2019
ほぼぶどう感はなく、飲み口はかなり優しい。軽めのゴールデンエール的な感じ
余韻にかけてかすかに感じる酸味とぶどうの香り
素材感を前面に出さない(これはそもそもコンセプトが違うけど)らしいシーズナブルに仕上がってます pic.twitter.com/UPI69qjH83
こちらは勝沼のワイナリーからわけてもらったワイン用ブドウに住み着く酵母を使って仕込んだシリーズ。
2019年はブドウ品種別に3種類販売していました。
本日ちょっと早い時間満席かもしれません。【tententen初台今日のオススメ】カベルネエール入荷しました♪是非ともご一飲下さいませ。ポルチーニと栗のリゾットや仔羊グリルなどなどご用意してお待ちしております。 pic.twitter.com/pYXbEOnoyQ
— 立花12/31大晦日だよ!忘年会ライブ&行く年来る年DJナイト⭐ (@tachibanana3) December 3, 2014
これとは別にカベルネエールというもっと葡萄果汁感の強いビールも販売しています。
箕面ビール ゆずホ和イト 大阪 箕面ブリュワリー
— n,k (@breakshotpower9) May 8, 2019
なんじゃこれ!美味すぎる!
コリアンダーの魅惑的な香りに柚子の皮 飲むと小麦の爽やかで口当たりは柔らかながら複雑で多層的な味わい ただただ優しいだけじゃない挑戦的な味 まあ良く分からんが無茶苦茶美味い スゲーぞー! pic.twitter.com/CXwIebDQDr
ゆずホ和イトもももヴァイツェンと並ぶほどの人気を誇るシーズナブルビール。
従来オレンジピールなどを使って仕込まれるヴァイツェンにゆずを使用することで繊細で和の雰囲気を漂わせたビールに仕上がっています。
総じて箕面のフルーツ系ビールはフルーツを全面に押し出すというよりは、繊細で優しく香りをまとわせる程度にとどめているものが多いです。
そのため「甘いビールはちょっと・・・」というフルーツビールに偏見のある人でも、通常のビールの延長線上で楽しめる珠玉のビールだといえるでしょう。
他にもさまざまな試みをする箕面ビール
箕面ビールではこれ以外にも黒ビールスタイルのIPAであるボスざるIPAやヴァイツェンにホップをしっかり効かせたホッピーヴァイツェンなどさまざまな限定ビールを醸造しています。
ボスざるIPA
— hirachan (@you_hira) January 8, 2020
箕面ビール
黒いけどIPA❤️
スモーキーでホッピー💕
さすがボスですっ👍🍻 pic.twitter.com/ymTyqK4xzx
そのどれもがバランス感覚に優れた行きすぎない絶妙なバランスに仕上げられているのが特徴。
ともするとくどく感じがちな特殊スタイルのビールを、あくまでも多くの人に美味しいと感じてもらえるように仕込んでいるところに好感が持てます。
そうした点も箕面の限定ビールが発売開始と共に瞬く間に売れてしまう要因なのかもしれません。
箕面ビールの通販や購入場所
箕面ビールは大阪の地ビールメーカーなので大阪をはじめとした関西圏では比較的目にする機会は多いかもしれません。
また最近では成城石井が店舗で販売するビールとして扱っていることもあり、大阪以外の人にも認知度は高まってきています。
国内クラフトビールメーカーとしては市民権を得ているメーカーなのでクラフトビールに強い酒屋さんや飲み屋さんでも取り扱いがあって不思議ではありませんね。
ネット通販などでも気軽に取り寄せることが可能で、なかにはレギュラービールの飲み比べセットなどを商品化している酒屋さんもあります。
ぜひこの機会に箕面ビールを楽しんでみてはいかがでしょうか。
箕面ビール|日本を代表するクラフトビールのまとめ
本記事では国内クラフトビールメーカーとして確固たる地位を築き上げている大阪箕面市の箕面ビールを特集してきました。
箕面のクラフトビールはどれを飲んでも絶妙なバランスで飲み心地がよく、クラフトビールに慣れていない人でも楽しめるのが魅力です。
大阪が誇るクラフトビールをぜひ味わってみてください。
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