夏のハーブといえば真っ先に思い浮かぶのがミントでしょう。
近年ではラムとミントを使ったカクテルのモヒートやミントティーの流行もあってミントの需要が伸びているそうです。
そんなミントですが、じつは数百にも及ぶ種類があると言われています。
なかでも注目を集めているのがイエルバブエナという名のミント。
特にモヒートに使うミントとしてプロがこぞって買い求めるという話もあるくらいで・・・本記事ではそんなイエルバブエナというミントについて紹介します。
イエルバブエナってどんなミント?
イエルバブエナってなに?
数あるミントの種類のうち、近年日本のミントラバーの間で幻のミントとも呼ばれ神格化されてきたミントがあります。
それがイエルバブエナです。
イエルバブエナは元来品種の名前ではなく、スペイン語で「良い薬草」という意味合いを持った広義の意味でミント全般を指す言葉です。
特にアメリカ大陸を中心とするミント生息圏には多用なイエルバブエナが生息しており、現地ではいわゆるミントの香りがする植物全般の総称(=日本では"ミント")と同義くらいの意味合いで使われているそうです。
国によってもイエルバブエナが指す品種はことなるそうで、なかにはハッカ属(いわゆるミントの仲間)ではない植物を指す場合もあるそうです
ただし日本でのイエルバブエナはモヒート人気にかこつけたものなので、基本的にイエルバブエナという場合は多くの場合キューバに生息する代表的なイエルバブエナである学名"Mentha Nemorosa"という品種を指します。
Mentha Nemorosa
スペアミントとパイナップルミントの交配品種
現地に行かれた方の話いわく、キューバでもちゃんとしたお店でもない限りモヒートに使われるミントにこだわりを持つ人は少ないそうです。
なかにはその辺に生えているミントらしき香りのする雑草を適当に使って作ることもあるそうで、高級店でもない限り日本人のように細かな品種まで気にする人は少ないのかもしれません。
外来種のミントであるイエルバブエナが日本で広がった敬意
2010年前後にモヒートというカクテルのブームが起こりました。
それまで専門店でも飲めないことが多かったモヒートはいまや居酒屋でも楽しめる定番カクテルの仲間入りをしています。
さて、このモヒートですがもともとはキューバ発祥のカクテルといわれていて、あの文豪ヘミングウェイが愛したという逸話なども相まってスノッブなカクテルのひとつとしても有名です。
その代表的なウンチクに「本場キューバではイエルバブエナというミントが使われている」というものがあります。
従来日本でモヒートを作るときは国内で多く流通しているスペアミントが用いられてきましたが、どこからかこの噂が飛び交うようになったそうです。
その後プロの方や愛好家、そこに目をつけたハーブ屋さんがイエルバブエナを日本へ輸入、育成しいまでは探せばイエルバブエナを気軽に手に入れられるようになりました。
日本人は特に"本場の味"というものに価値を見いだす傾向にありますよね。
その性質はモヒートのミントに関してももれなく発揮され、じっさいにイエルバブエナを流通させるに至っています。
筆者の記憶だとモヒートが流行った直後はイエルバブエを買うにも苗を取り寄せられるネットショップが数件あった程度で、いまほど入手が容易なものではありませんでした。
イエルバブエナの味
イエルバブエナ(Mentha Nemorosa)は広義ではスペアミントの仲間です。
そのため大まかな味わいはスペアミントと同じ。
ただスペアミントよりも野性味か強く、香りも強いのが特徴とされています。
好みにもよりますがハーブ感をより強く出してミントの加工調理を行いたいのであればイエルバブエナはおすすめの品種です。
モヒートに欠かせないミント"イエルバブエナ"
さてこのような経緯からモヒートに使うべきミントが必ずしもイエルバブエナでなければならない理由はどこにもないわけなのですが、それでも"本場の味"に憧れてしまうのは日本人の愚かさゆえなのでしょうか。
イエルバブエナを手に入れる機会も増えましたし、せっかくなのでイエルバブエナで本場の味を再現してみました。
イエルバブエナを使ったモヒートはミントの味がスペアミントよりもしっかりでます。
爽快感はもちろんですが、独特の草感(これを一般的に野性味などと表現していますね)が出やすいので甘さとラムの味を強くするのが美味しくするポイントではないでしょうか?
今回は本場キューバの味わいに敬意を示して王道のハバナクラブを使用して作成しました。
たっぷりと砂糖を加えてとっても美味しいモヒートです。
最近では夏場だけでなく年中楽しめる機会も増えてきたモヒート。ぜひイエルバブエナで試してみたいですね。
イエルバブエナはどこで買う?苗から育てる手段も
イエルバブエナは最近でこそ日本でも流通が盛んになってきましたが、まだまだ入手難易度は高いハーブだといえるでしょう。
全国のミントを栽培している農家さんもあえてイエルバブエナを選択して生育するところも増えていますが、運よく近場で栽培している人や販売所がないと狙って買うのは難しいかもしれません。
そんなときは通販で取り寄せるか、苗から購入して育てるのもオススメ。
本場のキューバではそのへんに野生のイエルバブエナが生えていて、お店の人が外に出て適当に摘んできてモヒートを作ることもあるとか。
それくらいミントは繁殖力が高く、そんなに気を遣わなくても育てることができる植物です。
自家栽培ミントでモヒートやミントティーを楽しむのも面白そうですよね。
"イエルバブエナ"というミントを知ってますか？のまとめ
本記事では注目のミント"イエルバブエナ"について特集してきました。
ご自宅でモヒートやミントティー、ミントを使った料理や製菓を楽しみたい方はミントの種類にも注目してみるとより奥深くミントの世界を楽しめるはずです。
そのさいはぜひキューバを代表する野性味あふれるイエルバブエナも試してみてくださいね。
