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紅茶のアールグレイとは、ダージリンとの違い答えられる?|味の特徴、飲み方を知る

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アールグレイといえば紅茶の一種だということは知っている人も多いことでしょう。


しかし具体的にアールグレイがどんな紅茶なのかを理解している人は日頃から紅茶に興味を持っている人を除くと意外に少ないという印象です。


ここでは紅茶の世界では常識ともいえるアールグレイと他の紅茶…たとえばダージリンやウバといった誰もが聞いたことのあるものとはなにが違うのか、アールグレイの特徴を知りながら理解を深めていきましょう。

紅茶のアールグレイとは?味は柑橘系?

アールグレイというとその名前だけが独り歩きしていて、じっさいにどんなものなのか深く知らない人も多いのではないでしょうか。


この紅茶は分類的にはフレーバーティーと呼ばれる意図的に茶葉以外の材料を用いて香りを加えられた紅茶の一種です。


フレーバーティーにはアップルティーやミントティーなど、その名から即座になんの香りがするのか想像できるものも多いのですが、アールグレイはベルガモット(ミカン科の柑橘類)という柑橘の香りが主に加えられてたフレーバーティーの名称なんですね。


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イタリアなどを主産地とする柑橘の一種。アロマオイルなどにも用いられる独特の芳香性を持っている。


柑橘と紅茶茶葉の香りが混ざった華やかでハッキリとしたフレーバーが特徴の紅茶で、はじめて紅茶を楽しむ人にも受け入れられやすいタイプの茶葉なんです。

アールグレイとダージリンの違い

アールグレイと同じくらい名前が独り歩きしている紅茶の名前がダージリンです。


よくダージリンとアールグレイがごっちゃになっている人がいると思いますが、アールグレイがフレーバーティの名前なのに対し、ダージリンは茶葉の種類を指す名前です。


アールグレイには茶葉の種類は関係なく、ダージリンで作られたアールグレイ、ウバ(スリランカを代表する紅茶葉の名前)で作られたアールグレイが存在し、ものによっては複数種の茶葉をブレンドして作られていることも多いです。


いっぽうのダージリンはインドのベンガル州北部のダージリン地方で作られた茶葉の種類を指す言葉です。*1

紅茶のアールグレイは伯爵の名前が由来?

アップルティーやミントティーのような分かりやすい名前のフレーバーティーに対してアールグレイは一見するとそれ自体が茶葉の名前にも見えてしまいます。


このアールグレイ(Earl Grey)という名前の由来には諸説あるものの、アールが英語で伯爵を意味しグレイがイギリス人の名前を指しており、グレイ伯爵という意味合いを持っていることは共通しているようです。


このグレイ伯爵という人物は一説によれば中国からもたらされた「正山小種(ラプサンスーチョン」の持つ龍眼*2に似た香りを再現するためにベルガモットを使用したフレーバーティーを考案したといわれています*3


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ライチにも似た果実である龍眼。乾燥したものは漢方にも使われる。独特のエキゾチックな香りがあり、良質なラプサンスーチョンはスモーキーフレーバーと共にこの香りを持つ。



また他にも当時紅茶の表現として用いられていたグレイに「伯爵級の」という意味合いを込めてアールを付けたという説もあり、アールグレイ誕生の歴史に想いを馳せるのもロマンがあって楽しいものではないでしょうか。

紅茶のアールグレイの入れ方と飲み方

アールグレイはフレーバーティーですが基本的には一般的な紅茶の入れ方をして楽しむことができます。


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ぜひティーポットを使って丁寧に入れてみて欲しい。ポイントをおさえて抽出すると味わいが全く異なる。特にはじめは香りがたちやすいように広口のカップを使うのがオススメ。


この紅茶の持つフレーバーを楽しむならまずはぜひブラックティー(何も加えず茶葉をお湯のみで抽出した紅茶。)で楽しんでみましょう。



またフレーバーティーの持つ香りはダージリンやウバといった茶葉そのものが持つ香りよりは強烈なため、温度が下がったり加工しても感じやすいのが特徴のひとつです。


そのためアールグレイはアイスティーや水出し、ミルクティーとさまざまな飲み方で楽しむのに適しているといえます。製菓用に使っても豊かなフレーバーが楽しめてじつに汎用性が高い茶葉なのです。


ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてみたいですね。


おすすめの一度は飲んでみたいアールグレイ紅茶

トワイニングのアールグレイ

グレイ伯爵がアールグレイの開発を命じ19世紀終わりに元祖アールグレイを製品化したのがトワイニング社かジャクソン社かという論争は紅茶好きの間では有名な話でしょう。


トワイニング社とジャクソン社は現在では同じ親会社を持つ兄弟ブランドになり論争は終結しましたが、いまなお両ブランド名義のアールグレイがそれぞれ販売されています。


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トワイニングのアールグレイ


トワイニングのアールグレイは現在アールグレイの最もスタンダードなアイテムとして有名。


渋みが少なくスッキリと飲みやすい味わいだが香りを捉えやすくクセも少ないのではじめてのアールグレイに最適です。ただ全体的にライトなので価格は多少高くても濃厚な風味を求める方はアナスタシアのほうがおすすめです。


どちらかというと日常的にどんどん消費できるコスパ系の紅茶ですね。


茶葉。

ティーバック。


フォートナムアンドメイソンのスモーキーアールグレイ

フォートナム&メイソンのアールグレイはもともとラプサンスーチョン(スモーキーな香りを持つ紅茶)をブレンドした特殊な味わいの紅茶でした。


現在では同ブランドでもシンプルなアールグレイを販売していますが、ここはブランドの個性を活かしたスモーキーアールグレイをぜひ試してみてください。


グレイ伯爵が夢見たラプサンスーチョンとアールグレイを名乗るための個性であるベルガモットのコラボレーションを楽しみたいですね。

クスミティーのアナスタシア

ロシア生まれフランス育ちのティーブランド「クスミティー」を代表するフレーバーティーがアナスタシアです。




アナスタシアはベルガモットの香りを基調に、ライム・レモンの爽やかな柑橘香とオレンジの花を想像させる蜜っぽくフローラルな香りで構成されたアールグレイの一種。


あくまでもベルガモットがベースなのですが、単なるアールグレイにおさまらない複雑で広がりのある香りが魅力的です。



柑橘豊かに香る紅茶アールグレイの魅力|ダージリンとの違い、味の特徴を知るのまとめ

紅茶に興味を持ったらまずはじめに正確に知っておきたいアールグレイについてまとめてきました。


アールグレイは非常に香りがわかりやすく、汎用性も高い紅茶なのでひとつお気に入りのブランドを知っていると重宝します。


これを機会にぜひいろいろなアールグレイを楽しんでその魅力を再発見してみましょう。


参考書籍

紅茶の教科書

紅茶の教科書

  • 作者:磯淵 猛
  • 発売日: 2012/04/25
  • メディア: 単行本


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*1:ダージリン自体は主に中国種の茶樹から作られています。ダージリンは茶葉の名称であって品種の名前ではありません

*2:東南アジアから中国南部原産の果実。独特の香りと味を持つ

*3:「紅茶の教科書」P186 磯淵猛 新星出版