シャンパンというと「とにかく高いお酒」というイメージですよね。
たしかにワインに限らずお酒全体のなかでもシャンパンは高いお酒ではあるのですが、それは「造り方に厳格な決まりがある=ハズレが少ない」ことの裏返しでもあります。
日常のちょっとした贅沢に、大切な人への贈り物に、美味しい食事やおつまみに合わせて・・・シャンパンを楽しみたい瞬間は少なくありません。
そこで本記事ではシャンパンを名乗るお酒のなかでは最低価格帯となってくる3000円~5000円のという範囲のなかで多くの銘柄を楽しんできた筆者が2020年の今だからおすすめしたい銘柄を厳選しました。
ぜひ参考にしてシャンパンの魅力を楽しんでみてください。
安くて美味しいシャンパンの選び方
シャンパンのなかで特に安いレンジになってくる5000円以下という価格帯。
基本的にシャンパンを名乗っている以上そうまずいシロモノに出くわすことはないのですが、この価格帯のシャンパンは基本的に「名が大きく売れていない造り手のシャンパン」か「製造コストや宣伝費など諸経費を削って作っているシャンパン」のどちらかが多いです。
そのため個性に乏しく「おっ!」と思える銘柄は正直少ないと言わざるを得ないんですよね。
しかし「名の売れていない造り手のシャンパン」は玉石混交で、なかにはこの価格でこの品質はコスパがいいというものもあります。
「製造コストや宣伝費など諸経費を削って作っているシャンパン」にも製造費は削らずに宣伝費などを減らしているパターンでは実力よりも安く販売されるケースがあるんですね。
本来なら5000~8000円くらいで売りたいけどブランドバリューが弱くて弱気の値付けだったり、必要以上にコストをかけず安価に販売したいという造り手の想いからこうした魅力的なボトルに出会えることがあるんですよ。
- 新進気鋭で名の知られていない造り手
- 製造費の代わりに宣伝費をコストカットして実直に作っている造り手
経験上5000円以下の美味しいシャンパンはこうした造り手のものに多い傾向にある。
5000円以下の安くて美味しい辛口シャンパン4本
5000円以下で美味しい銘柄は気付いたら人気に火がついて価格が高騰したり、小規模生産だけに時期ごとの味のムラが激しかったりするデメリットも・・・。
そこで今回はここ半年以内に飲んでおいしいと思えた、2020年の今だからこそおすすめしたい5000円以下のシャンパンを厳選しました。
いつ飲めなくなってしまうかわかりませんから、ぜひ早めに挑戦しましょう!
安くて美味しい辛口シャンパン1「グルエ ブリュット セレクション」
ピノ・ノワール(黒ぶどう品種)が栽培面積8割以上のコート・デ・バール地区で家族経営されているグルエ。
1975年に現オーナーが「グルエ」の名で発売して以来多くのシャンパン愛好家の評価を獲得。初年度はわずか2500本だった生産量は1990年には10万本に、2000年代に入ってからは年間200万本にも達するそうです。
ブリュットセレクションはピノ・ノワール70%、シャルドネ20%、ピノ・ムニエ10%のセパージュ(ぶどう品種の配合比率)。
最低15ヶ月の熟成義務があるシャンパーニュのなかで、この価格帯で24ヶ月という長期熟成を行っています。
マロラクティック発酵(乳酸菌を用いた発酵方法)にこだわり、長期熟成と合間ってこの価格レンジでなかなか味わえないまろやかな口当たりを実現。
黒ぶどう主体の配合による厚みのあるボティも嬉しく、抜栓2~3日後でも美味しく楽しめるハイコスパなシャンパンだといえるでしょう。
グルエのブリュット。
— Jorge(ホルヘ)@おいしいをゆるーく探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」運営中 (@bollet_jp) 2019年5月8日
大手輸入(メルシャン・キリン系列)と侮るなかれ、3000円台で買えるなかで安定感がある銘柄。
リッチでふくらみがあり、ピノノワールが利いた酒質。前菜はもちろん食後のチーズや甘いものとも
減り方しだいでは抜栓して2日目でもうまい(というか2日目のほうが個人的に好き) pic.twitter.com/JEZhxougFs
いまはネゴシアンとして自社以外の葡萄を用いて多くのシャンパンを安定供給する術も身に付けているため、他の小規模生産者と異なり味のブレが起きづらいのも魅力です。
安くて美味しい辛口シャンパン2「シャルルプジョワーズ ブランドブラン」
4世代にわたって葡萄栽培から瓶詰めまでを自社で行う家族経営のメーカー。
各国のフランス大使館御用達のシャンパンでもあり、非常に繊細で品のあるシャンパーニュらしいシャンパーニュ。
ブランドブランは白ぶどう・・・すなわちシャンパンの場合はシャルドネのみを使用して作られた白ぶどうワイン。
非常にスッキリと軽口で、柑橘のアロマとミネラルを楽しめる味わいが特徴です。
特に梅雨から夏場の暑い季節に楽しみたい珠玉のシャンパンで、料理との相性もバツグンです。
ただ小さな造り手なので流通量には限りがあり、市場の在庫が切れてしばらく飲めなくなってもおかしくない銘柄です。
これを書いてる時点(2019.5)ですこし前に確認したときより取り扱いショップが少なくなっているので、おさえるなら今のうちでしょう。
安くて美味しい辛口シャンパン3「ギ・チボー ブリュット グランクリュ」
シャンパン産地のなかでも異色の土地と呼ばれるモンターニュ・ド・ランス地区のヴェルズネイ。
ギ・チボーはレコルタンマニピュランと呼ばれる葡萄造りからシャンパンの瓶詰めまでを一貫して行う小規模生産者のひとつで、ヴェルズネイの土地の特徴=テロワールを活かしたワイン造りに定評があります。
ギイチボー ブュット
— Jorge(ホルヘ)@おいしいをゆるーく探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」運営中 (@bollet_jp) 2019年5月12日
モンターニュドランス地区ヴェルズネイのブドウを使用するギイチボーのスタンダードライン。
ピノノワールらしい厚みある酒質にかすかな苦味とヴェルズネイらしい酸味が加わり心地よいシャンパン。
飲ごたえのある一本でコストパフォーマンスも良好。 pic.twitter.com/Rtik1EsKr5
ピノノワールの聖地と呼ばれ、厚みのあるワインが多く作られるモンターニュ・ド・ランスのなかでも、ヴェルズネイは酸味が強めに出た上品な味わいが特徴。
そのいっぽうで黒ぶどうらしい濃口でふくよかな果実感を表現し、良質なシャンパンにしか現れないトーストのような香りをかすかに楽しめる一本がこのシャンパンです。
奥行きのある味わいはシャンパン単体で飲んでも楽しめるほか、食後にチーズやお菓子、チョコレートなどと共に味わうにも最適な贅沢な味わいです。
このクラスの味わいを3000~4000円で楽しめる期間はそう長くないでしょう。
安くて美味しい辛口シャンパン4「アンリ・グートルブ キュヴェ トラディション」
アンリ・グートルブはシャンパーニュ地方で最も骨太のピノノワールを産出するといわれるアイ村に多くの畑を持つ生産者です。
収穫は手作業で行い、古典的な醸造方法を踏襲しつつも現代的手法も取り入れる意欲的な一面も持ち合わせ、最低でも3年の瓶内熟成を待ってからリリースする徹底ぶり。
葡萄や地質に対する知識量で業界内でも厚い信頼を受けるグートルブはシャンパン好きには定番となりつつある造り手ですが、一般的にはまだまだ知名度の低いシャンパンでしょう。
実直で芯のある味わいで、派手さはありませんが飲んでいてとにかく安心感があるのが嬉しい。
数年前と比べると徐々に値段も上がってきているので、低価格帯として楽しめるのはもうそろそろ終わりかもしれませんよ。
今のうちに飲んでおきたいシャンパンのひとつです。
5000円以下の安くて美味しい辛口シャンパン4本のまとめ
本記事では2019年に筆者が注目しているコスパの高いシャンパーニュを4本ご紹介してきました。
年間に100本近いシャンパンを開ける筆者でも「もう一度買いたい」と思える銘柄はそう多くありません。
そういう意味では今回ご紹介したボトルはどれもリピート買いしたものばかりなので、安く飲めるうちにぜひ飲んでみて欲しいですね。
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