真夏になると青果売り場に並び始める和梨。シャリシャリとした食感とみずみずしい果汁、サッパリとした甘さを楽しめる好きな人の多い果実ではないでしょうか?
最近では和梨にもさまざまな品種が現れ市場に出回っていますが、なかでも根強い人気を誇る品種が幸水でしょう。
本記事ではそんな幸水の特徴、選び方、時期、日持ち、保存方法を解説していきたいと思います。
和梨の代表品種「幸水」の特徴
和梨のなかでも高い人気を誇る幸水。いったいどんな梨なのか、その特徴を探ってみましょう。
古くからある梨の代表格「幸水」
幸水は1959年に菊水と早生幸蔵の交配種として登録された梨です。
現在主要品種として活躍するフルーツのなかでは特に古くから活躍しているのがポイント。1959年当時は、まだ現在の品種登録制度が整っていなかったため「なし農林3号」として登録され、後に幸水として登録されたという流れがあります。
いわゆる赤梨と呼ばれる梨で、見た目は少し潰れた球形のモノが多く、うっすらと緑色の果皮をしているのが見た目の特徴。
赤梨と青梨
和梨には赤梨と青梨の2種類があります。
赤梨は幸水をはじめ豊水、南水など。皮が赤茶色でザラザラ、甘さが濃い梨。一方の青梨は、果皮が青緑でツルツルしており、赤梨と比べるとスッキリとした味わいが特徴です。
幸水の味
幸水の特徴は和梨特有のシャキシャキジャリジャリした食感と甘さです。
和梨のなかでは比較的硬めの果肉ながら糖度は高くて水分量も多いので、噛めば噛むほど味のある品種。梨好きのなかではシャキっと感が強い幸水派と水気が多くやわらかい豊水派にわかれますが、甘みがあり食べ応えのある食感を持つ幸水は特に根強い人気を誇る梨だといえるのでしょう。
幸水の旬の時期
梨のなかでも旬の時期が早い品種で、早ければ7月半ばくらいから市場で見かけることができるのが特徴。もっとも多く出回るのは8月半ばから後半にかけてで、9月に入ると徐々に幸水と並んで和梨を代表する品種である豊水とバトンタッチします。
日本ナシのなかでは日持ちがさほどよくないこともあり、出回る時期は短めなので見かけたら早めに購入して食べるようにしたい品種です。
幸水。
— おいしけりゃなんでもいい人 (@bollet_jp) August 12, 2021
いよいよ本格的に梨が出回ってきた。
いまは幸水がメインだけどあと1〜2週間もすれば豊水、あきづきと主要品種が入れ替わっていく。
移ろいを楽しみながら、楽しめるものは楽しめるうちに。 pic.twitter.com/eT3euHgY1K
幸水の有名な産地
農研機構の平成30年度「ナシ(日本ナシ)品種別栽培面積」によれば、国内で栽培されている日本ナシのうち、39.9%が幸水とされており、日本ナシの品種のなかではもっとも栽培量が多い品種です。
日本全国で栽培されている梨ですが、なかでも千葉県や茨城県で盛んに栽培されています。なかでも千葉県では梨の生産に力を注ぐ地域が多数存在しており、「しろいの梨」「市川のなし」などといったブランド化を図っているのが特徴。贈答用などにも喜ばれる、高品質な梨の産地として名を馳せています。
白井の梨
市川の梨
幸水の選び方
幸水のような赤梨は、果皮が薄い茶色から赤みがかってきた瞬間がもっとも味のバランスが優れています。
和梨は追熟はしませんが、果皮の色の移り変わりで味と食感に変化があらわれるのでお好みのタイミングを見つけるといいでしょう。
赤梨の場合は薄茶色の鮮度がいいときはシャキっと感が強い反面甘さが少し弱く、赤茶色になってくると果肉が少しやわらかくなりジューシーで甘みが増します。ただし、そのポイントを過ぎると味がぼやけていくので、タイミングをはかって楽しみましょう。
幸水に限らず和梨は日本中で栽培されているのであまり産地にこだわる人は少ないかもしれません。
基本的には鮮度のいいものが良いので地場の幸水を買い求めるのがオススメですが、お取り寄せするならぜひ梨処である千葉県の幸水にチャレンジしてみてください。地域によってはブランド化されているモノもあり、おいしい幸水にありつけることでしょう。
幸水の保存方法と日持ち
買ってきた幸水は、食べる直前一時間前くらいに冷蔵庫にいれて冷やします。ずっと冷蔵保存すると甘さが損なわれてしまうので可能な限り食べる直前に冷やすのがオススメです。
保存するさいには新聞紙やポリ袋に包んで乾燥しないようにし、野菜室におきます。1週間程度は味も落ちずに保存することが可能です。
赤梨のなかでも幸水は日持ちしない品種で傷むのが早いです。
南水のように赤梨のなかでも秋に入って出てくる品種は日持ちが長く、冷蔵であれば3ヶ月ほど貯蔵できるといわれています。
切りかけの梨はラップで断面をしっかりと包んで冷蔵保存します。表面が変色していなければ2~3日程度は食べられますが、早めに食べきるようにしましょう。
梨「幸水」の魅力|旬の時期、選び方、保存方法を解説のまとめ
本記事では初秋の代表的なフルーツ、幸水について特集してきました。
筆者も和梨のなかで一番好きな品種を聞かれたら迷わず幸水と答えますが、幸水の持つ食感、幸味の濃さ、ジューシーさは和梨の良さが詰まった品種だといえるでしょう。
和梨のなかでは日持ちせず流通時期も限られていますので、ぜひ一番おいしい時期を見逃さずに楽しんでみてくださいね。
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