冬から春にかけて、およそ半年間という比較的長い期間にわたって果物売り場を彩るいちご。
好きなフルーツの筆頭に挙げる人も少なくないフルーツですから自宅で買って楽しむという人もたくさんいらっしゃることでしょう。
そんな人気者のいちごですが、果物のなかでも特に傷むのが早いので意外に気を遣わなければならないフルーツでもあります。
今回はせっかく手に入れたいちごをなるべく美味しく余すことなく楽しむためのいちごの保存術について解説します。
いままでいちごの保存に気を遣わなかった人はもちろん、「とりあえず冷蔵庫の野菜室にいれとけば正解でしょ?」と考えていた方もぜひ一度目を通して見てください。
→いちごをふるさと納税を利用してフルーツを購入するメリットをチェックいちごは保存期間が短い鮮度が命のフルーツ
追熟することで美味しくなったり、放置することで酸が抜けて食べやすくなるフルーツも多いなかでいちごはとにかく鮮度が命のフルーツです。
その日の朝に穫れたいちごでも常温で2~3日、冷蔵庫でも1週間がおいしく食べられる限界。
保存の仕方によっては期間内でも変色がはじまって味が抜け落ちていってしまうことも少なくありません。
最近ではいちごの栽培技術も高くなり、いちばん美味しい完熟状態で出荷されることが基本となってきました。
そのため売り場に並んでから味が落ち始めるまでの期間も非常にシビアで、とにかく鮮度の良いいちごを購入してすぐ食べる・・・というのがいちごを楽しむ基本なのです。
筆者は関東住まいなのですが、どうしてもあまおうを美味しく感じることがありませんでした。
でもよく考えてみたらどれだけ急いで空輸しても、その日の朝に近隣から直送されてきた「とちおとめ」などの品種と比べると福岡からきたあまおうの方が鮮度が落ちてしまっていることが多いはずなんですよね。
もちろん直売でない限りはいちど市場を通すのでロスタイムはほとんど変わらないものもありますが・・・。
いちごを楽しむなら品種はもちろんですが、なるべく地元で採れてすぐに売り場に並んだものをチョイスするのがオススメです。
そうでなければ下手に青果店で買うよりも産地直送で発送してもらったほうがより美味しいいちごに出会えるでしょう。
保存期間を過ぎたいちごはどうなる?
おいしく食べられる期間を過ぎたいちごはどうなっていくのでしょうか?
いちごは傷み始めるとツヤがなくなってヘタが萎び、ぶよぶよにやわらかくなります。
また刺激などを受けた部分はまっさきに黒ずんでいきますね。
食べてみるといちごの最大の特徴である芳醇な香りがあまり感じられず、甘みと酸味もぼやけて味のない印象をもつことになるでしょう。
さらに劣化が進むと腐敗がはじまり、異臭が出てきたり果肉がとろけはじめます。
こうなったら腐っているといえる状態なので絶対に食べてはいけません(加工もNGです)。
ツヤがあって香り高いうちに生食し、少し傷み始めたら加工用に回す・・・といった楽しみ方が理想だといえます。
いちごの常温・冷蔵・冷凍保存法とそれぞのメリット・デメリット
以前とてもおいしいいちごを作る農家さんに「いちごは冷蔵庫にいれてはダメです。常温で保存しないと本当の美味しさがでないですよ」とアドバイスされたことがあります。
しかし筆者はいちごの常温保存は特定の条件下でなければ推奨できないと思っています。
その条件とは「非常に鮮度がよくて、冷蔵(輸送時のクール便など)保存された時間がない(もしくは限りなく少ない)いちごである」ということです。
いちごは温度変化や乾燥に極端に弱いため、たしかに冷蔵庫での保存が必ずしも適しているとはいえません。
ちなみにいちごは果糖よりもショ糖が多いフルーツなので、冷やすことで甘さを感じにくくなるというデメリットもあります。
冷えるといちご特有の華やかな香りも少し弱って感じますね。
保存性だけでなく味わい面でみてもいちごの保存方法の理想は常温だといえるのです。
しかしいっぽうで劣化も極端に早いので、なるべく劣化のおこりづらい低温化で保存しないと1~2日程度しか持ちません。
ようは採れたてのいちごをその日のうちに食べるなら冷蔵庫に入れる必要はありませんが、数日間の保存を前提とするならば冷蔵庫へいれたほうがいいということです。
いちご農家さんはすぐに食べること、そして最もおいしく食べてもらうことを前提としたうえで常温保存を推奨していたのだと思います
そうした点を踏まえた上でいちごの常温・冷蔵・冷凍保存の方法とメリットとデメリットについて確認してみましょう。
いちごの常温保存について
常温保存する場合は直売所などで購入した非常に鮮度の良いものに限ります。
温度変化を限りなく少なくすることで、口にしたさいに摘みたての果実に近い状態の一番おいしいいちごを楽しめるんです。
ただし劣化は早く、常温で保存する場合はその日のうち(せめて翌日まで)に食べきってしまうようにするのが基本です。
保存方法としては風通しのよい冷暗所(特に暖房などのあたる場所を避ける)においておくようにし、パック詰めのものは容器をタッパーなどにうつしてなるべく重なっている部分をずらしておくようにします。
パック詰めされたいちごは重なっている部分から傷み始めるので、めんどうでも買ってきたらキッチンペーパーなどでひとつひとつ包みなおした方がいいでしょう。
ひとつずつ包むのがめんどうなら一段目と二段目の間にペーパーや緩衝剤をしくだけでもダメージを軽減できます。
横の接触よりも縦の接触のほうがダメージは大きいので、特に縦方向にダメージがいかないように工夫しましょう。
いちごの冷蔵保存について
スーパーなどで買ってきたいちごは基本的には冷蔵庫での保存が安心です。
産地直送などで通販したいちごはクール便で届いた場合、常温保存すると気温差で傷んでしまうのでそのまま冷蔵庫へ入れるのがオススメです。
デメリットとしては冷蔵庫内は乾燥しやすく、場所によっては温度変化も大きいため傷みやすいという点が挙げられます。
また、先ほども触れたようにいちごは冷蔵することで甘さや香りが感じにくくなるという点にも注意したいですね。
とはいえある程度の期間保存したいとなると冷蔵庫が理想なのは間違いありません。
ですからデメリットを解消し、かつ温度を冷蔵庫のなかでは高めに保てるように冷蔵庫の野菜室にいれるようにするといいでしょう。
保存の仕方は常温保存と同様、重ならないように容器に移して並べなおしてからポリ袋などで包んで置いておくようにします。
いちごの冷凍保存について
傷んできたいちごやはじめから食べきれないとわかっているいちごは冷凍保存しましょう。
ただしいちごは一度冷凍してしまうと解凍して生食することはできません。
食感も悪くなりますし甘みと香りを抜けてしまいます。
ですから冷凍いちごはシャーベットやスムージー、焼き菓子などの加工用に利用するようにしてください。
冷凍保存の方法はあらかじめ流水で汚れを軽くとってからしっかりと水気をふき取りヘタと傷んでいる箇所をナイフで取り除きます。
使う時にミキサーにかけて使いたい場合は砕きやすいように1/4程度にカットしてから冷凍すると便利です。
あとはフリーザーバックなどにいれて冷凍庫にいれておきましょう。1~2か月程度は保存可能です。
傷んできたいちごは加工も検討しよう
傷んできたいちごはいち早く加工を視野に入れて、なるべくムダにしてしまうことがないようにしたいものです。
いちごの加工方法は多岐にわたり、簡単なところでジュースにしたり牛乳と混ぜていちごミルクにしたり、ジャムやドライフルーツ、製菓への加工と料理上手な方であれば使いどころには困らないでしょう。
お菓子作りまでするのはちょっと・・・という方には簡単にできる手作りイチゴシロップがおすすめ。
1時間もあればいちごのおいしさが詰まったシロップを作ることができます。
ソーダやミルクで割るのはもちろん、ほかにも使い道がいろいろありますし保存もきくのでおすすめですよ!
いちご保存術のまとめ
非常に気を使ういちごの保存について解説して参りました。
いちごの保存は原則として冷蔵庫、鮮度の良いものが手に入ったら常温保存で早めに食し、悪くなってきたら冷凍・・・といった感じで使い分けていきましょう。
いちごに限らず食材の保存は「なぜそうするのか」を考えて実践することが大切です。
原理原則をなるべく正しく理解し、シチュエーションに応じてベストな保存法を考えていきましょうね!
また、当ブログでは毎年たくさんのいちごを食べる筆者が厳選したいちご品種をランキング形式で紹介しています。
いちご好きな方はこちらの記事をはじめ、いちごに関する記事もあわせてチェックしてみてください!
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