罰ゲーム用のお酒というイメージが強いテキーラですが、お酒としては歴史がしっかりとある素晴らしいものがあります。
最近ではカクテルの材料としてだけでなく、テキーラそのものの味を楽しむ飲み方も定着してきました。
とはいえまだまだ正しい飲み方や楽しみ方、そしてその魅力が認知されていないのも事実でしょう。
その理由はテキーラの魅力を正しく発信する人がワインや日本酒のように楽しみ方が確立されたお酒と違って少ないことにあるかもしれません。
本記事ではテキーラを気軽にコスパよく楽しみたいという人に向けて知っておくべき「クエルボ」というブランドのテキーラを紹介していきます。これを機にテキーラの魅力の一端をのぞいてみましょう。
クエルボとは?
クエルボは1795年創業、当時のスペイン王であるカルロス4世が最初にテキーラの製造許可を与えたホセ・マリア・グアダルーペ・クエルボが立ち上げたテキーラブランドです。
クエルボというのはカラスの意味で、その昔創業者の一族がカラスによって一命をとりとめたというストーリーを背景に、守り神的な意味合いを持って命名されたそうです。
ひとくちにテキーラといってもそのブランドは膨大で、近年では日本でも大量生産のものから小規模生産の希少なテキーラまでが輸入され飲み比べて個性を楽しむ飲み方も定着してきました。
そもそもテキーラとはメキシコめハリスコ州とその周辺地域で厳格に定められた製法に則って作られたもののみに与えられるお酒の名前です。
リュウゼツラン/アガヴェと呼ばれる植物、そのなかでもアガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスルという品種を主原料として使用することが大前提とされ、その生育地域や製造場所までもがメキシコの法律で定められています。
クエルボは世界で最も人気があるテキーラブランドと言われていて、事実日本でテキーラを扱うような飲み屋さんにいけばその姿を見かけないことのほうが稀なのではないでしょうか。
クエルボの特徴
クエルボは1812年に創業したラ・ロヘーニャ蒸溜所という場所で作られています。
自社畑で6年~12年の歳月をかけて丁寧に育てられたアガヴェをヒマドールという熟練の職人さんの手によって収穫、クエルボ秘伝の酵母や伝統的な蒸留器を使ってベースとなるテキーラは製造されます。
その後、地下熟成庫で商品ごとに必要な年数を過ごしてから瓶詰・出荷されます。
最長クラスになると30年以上の熟成を経ることもあり、もはやウイスキーやブランデーに匹敵するほど芳醇で熟成感のあるテキーラに仕上がることも。
クエルボのなかでも商品によって味わいは異なりますが、全体的にライト&スムースで飲みやすくそれでいてアガヴェの甘く爽やかなな香りを楽しめるのが特徴。
熟成の短いものはテキーラのなかでもお求めやすく、テキーラの個性が主張しすぎないためテキーラカクテルのベースとしても最も人気のあるブランドなのではないでしょうか。
クエルボの飲み方
クエルボにも種類がいくつかあるので、どれをチョイスするかによって飲み方は変わってきます。
逆にカクテルにして楽しみたいのか、そのまま楽しみたいのか、キンキンに冷やしてショットグラスでキュッと飲みたいのかでどのクエルボをチョイスするか考えるのも楽しいですね。
詳しくはこのあと種類別にみていきますが、カクテルベースに使うなら最もスタンダードかつ安価なラインナップがエスペシャルか価格はさほど変わらないけれどプレミアムな味わいのするトラディショナル。
逆にロックやストレートでそのまま楽しむなら1800などが手に入れやすいところでオススメになります。
テキーラの爽やかなフレーバーは特にライムと相性がいいとされていて、ライムと塩をかじりながらテキーラをすするスタイルは定番の飲み方。
基本的にエスペシャルやトラディショナルは冷凍庫でキンキンに冷やして、1800などは常温で香りを感じながら楽しむのがオススメです。
コーラやジンジャーエール、トマトジュースといった割材にも負けない主張をするので割り材をいろいろ試してみるのもいいでしょう。
ちなみにメキシコではテキーラのお供としてとしてトマトジュースやオレンジジュースにチリソースなどを混ぜた冷静トマトスープ(ジュース?)「サングリータ」を楽しむそうです。
テキーラもさまざまな飲み方で楽しめるので、ぜひ自分好みの飲み方を探してみましょう。
クエルボの種類とその楽しみ方
日本ではクエルボはアサヒビールが正規輸入代理店としてメシキコから安定的に供給を受けています。
ここでは日本でいま手に入るクエルボのラインナップの特徴と楽しみ方を整理していきましょう。
クエルボ エスペシャル
最もスタンダードなラインナップとなるクエルボがこのエスペシャルです。
3か月以上の樽熟成を経てライトな樽香を含んだエスペシャルのレポサドと樽での熟成を経ずスムースで爽やかなアガヴェの香りを楽しめるエスペシャルのシルバー。
基本的にはカクテルのベース、ないしはキンキンに冷凍庫で冷やしてショットで楽しむのがオススメ。
パーティーシーンで使われるのもだいたいはエスペシャルでしょう。
クエルボ トラディショナル
1795年創業当時と同じ製法でつくられているブルーアガヴェ100%のクエルボ。
ブルーアガヴェはテキーラの主原料であるアガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスルのことで、ブルーアガヴェのみを使って作られるテキーラはブルーアガヴェ100%のプレミアムテキーラとして扱われます。
これに対してブルーアガヴェ100%ではないものをミクストテキーラと呼びます。
テキーラの個性を象徴するブルーアガヴェをふんだんに使うことでより香り豊かで味わい深いテキーラに仕上がっているトラディショナル。
こちらも4か月以上樽熟成したトラディショナル・レポサドと熟成していないトラディショナル・シルバーの2本柱。
エスペシャルと比べて味わいがこなれており上質な口当たりなのでロックやソーダ割はもちろんカクテルに使ってもバランスの優れた仕上がりに。
価格も大きくは違わないので個人的にはエスペシャルを買うならトラディショナルをおすすめしたいですね。
クエルボ1800
8年~12年と特別に時間をかけて育てたブルーアガヴェを100%使用したクエルボのハイレンジ。
こちらは6か月以上樽熟成のレポサド、14か月以上熟成のアネホ、そしてシルバーの三本柱。
特にアネホは1年以上の熟成をしているだけあり複雑で熟成感にあふれたテキーラで、いままで「ゆっくりと味わう」テキーラを飲んだことがない人にとっては衝撃的な味わいかもしれません。
レポサドでもじゅうぶんにテキーラの味わい深さを楽しめると思いますが、ロックなどで気軽に飲みたいならシルバーかレポサド、ストレートでじっくり飲みたいならアネホというチョイスがいいでしょうか。
クエルボ レゼルヴ・デ・ラ・ファミリア
そして!見つけてしまって思わず買ってしまった大好きなお酒!クエルボ レベルヴァ ド ラ ファミリア!テキーラをバーボン樽で3年以上寝かせたお酒! pic.twitter.com/fMD09MKEco
— ⤴︎ (@histaarmy) September 24, 2016
創業200周年を記念してつくられたスペシャルなテキーラで、最低10年育てたブルーアガヴェのみを使用した高級なラインナップです。
熟成も最低3年、最長で30年の古酒をブレンドしもはやその辺のウイスキーやブランデーでは太刀打ちできない蒸留酒の深みに到達しています。
その分価格もなかなかなのでご自宅で1本抱えるには勇気がいるかもしれませんが、バーで試しに飲んでハマったからといって購入したり贈答用に使ったりする人は少なくありません。
このテキーラを飲んでテキーラの魅力にハマったという人も少なくないのではないでしょうか。
一度は飲む価値のあるテキーラでしょう。
クエルボマルガリータ
マルガリータはテキーラベースのカクテルで、テキーラ・オレンジリキュール・ライムジュースをシェイクして塩をあしらったグラスに注いだものです。
これを1本のボトルに閉じ込めて気軽に楽しめるようにしたものがコチラの商品。
クエルボをベースにオレンジとライムの風味をプラスし、ロックなどでいつでも楽しめるように仕上げています。ソーダで割ってもサッパリ楽しめますね。
テキーラベースのリキュールで甘みがあります。
罰ゲーム用のお酒じゃない!クエルボを楽しもう
テキーラは決して罰ゲームのためのお酒ではなく、奥深い味わいとお酒の持つ歴史・文化も一緒に楽しめるんです。
飲み方に合わせてラインナップをチョイスすることで気軽に飲むこともじっくりとお酒に向き合うような飲み方もできるんですよね。
特に今回ご紹介したクエルボはテキーラ初心者にとってコスト面でも味わい面でも優秀でした。
もしクエルボを楽しんだうえでもっとテキーラを楽しんでみたいという方にはよりマニアックで魅力的にテキーラに挑戦してみることにおすすめします。
上を見ればキリがないですが、クエルボの次に飲んでみて欲しい銘柄としては価格面で安心できクエルボより洗練されたカスコビエホ、爽やかなアガヴェの風味が楽しめるカスカウィンあたりが面白いでしょう。
さらにもう一段階深みにハマりたい方は複雑さと濃厚さがわかりやすく感じられるフォルタレサも絶品。
いずれもシルバーから熟成タイプのレポサド、アネホなど複数の商品を展開しているのでクエルボとの飲み比べにも挑戦してみましょう。
まず知っておくべきテキーラ「クエルボ」を学ぶのまとめ
本記事ではテキーラを知る上で外すことのできないクエルボについて紹介してきました。
クエルボはテキーラの入り口としてとても優れたパフォーマンスを発揮します。
カクテルなどで楽しみたいならこれ以上コスパのいいブランドはないでしょうし、熟成の進んだものはさすが大手の作るだけあり価格は高くとも完成度の高さが素晴らしい。
これを機にテキーラの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
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