世の中にはたくさんのスパイスが存在しますよね。
そんななかで料理好きな人はもちろん料理初心者が揃えておきたい、使い方を知っておきたいスパイスのひとつがナツメグです。
一般的にナツメグというとハンバーグに欠かせない香辛料ですが、逆にそれ以外の用途を思いつかない人も多いかもしれません。
けれど自炊をする人のなかでハンバーグを作らないという人も珍しいので、ナツメグは多くの家庭に常備されているスパイスのひとつなのではないでしょうか?
そこで本記事ではそもそもナツメグってどんなスパイスなのか?ハンバーグ以外にどういう使い方ができるのかについて紹介します。
じつは致死量があって食べ過ぎると危険なスパイスでもあるので、正しい扱い方を覚えて料理の幅を広げましょう。
ナツメグとは?
身近なスパイスでありながら詳しく知っている人は意外に少ないナツメグ。
まずはナツメグとはどんなスパイスなのかを確認していきましょう。
そもそもナツメグはどんなスパイス?
ナツメグはニクズク属樹木ニクズクの種子にあたるものです。
ニクズクの果実は完熟すると割れ、中から網目状の赤い皮に覆われた種子が表れます。
この赤い皮(仮種皮)を乾燥させたものがメース、そのなかの種子から仁(種子の核)を取り出して乾燥させたものがナツメグと呼ばれています。
主な産地はインドネシア、スリランカ、マレーシア、西インド諸島で、日本で出回るナツメグはほとんどがインドネシア産です。
ナツメグの味
ナツメグは爽やかな甘さをともなった芳醇な香りです。
魚や肉の臭み消しの役割を果たしながらも、ただ臭みを中和するだけでなくそれ自体が優れた香りを持つスパイスなので、うまく使うことで料理の味わいを複雑にしてくれます。
日本ではあまりなじみがありませんがメースの方はナツメグをより繊細な風味にした印象です。
色合いも鮮やかな橙色なので色付けに使われることもあります。
基本的には似た用途のスパイスですから、より手に入りやすいナツメグを知っておけばOKです。
ナツメグはnutmegと表記しますが、nutはナッツ・・・つまり豆を指し、megはムスクを指すといわれています。
ムスクといえばジャコウシカから採取される非常に高貴な香りと言われており、名だたる香水にも使われている香りの王様のひとつ。
そんなムスクの香りに近い芳香を持つと言われるナツメグはただの臭い消し用スパイスにしておくにはもったいない魅力的な風味があるといえるんですね。
ナツメグの使い方
ナツメグの使い方を聞かれたら多くの方はハンバーグを思い浮かべることでしょう。
そもそもそ日常的に料理をしない人にとってはナツメグなんて何に使うのか見当もつかないという方もいらっしゃるかもしれません。
けれどナツメグの持つ個性的な風味はじつにさまざまな食材と相性がいいんですよね。
ナツメグと相性のいい食材
・肉→ハンバーグ、ロールキャベツ
・魚→香草パン粉焼き
・じゃがいも→炒め物、マッシュポテト
・乳製品→乳飲料、製菓、チーズ料理
・卵→オムレツ、製菓
・フルーツ→ジャム、コンポート
ハンバーグやロールキャベツのようなひき肉料理はナツメグを加えることでぐっと味わいが複雑になります。それ以外にもステーキのソースに加えてもいいですね。
じゃがいもや卵料理にナツメグを加えるのはヨーロッパだと鉄板です。
また料理はもちろんお菓子にも非常に相性がよく、クッキーやパウンドケーキなどに使うとまた一味違った仕上がりになります。
フルーツの加工品に加えてもアクセントになりますね。
使い道は非常に広くて汎用性のあるスパイスなので、いままでハンバーグくらいでしかナツメグを使ったことのない人はぜひさまざまな用途で活躍させてみてください。
こだわるなら粉末ではなくホールのナツメグを使ってみよう
ナツメグを使おうと思ったら一般的に粉末タイプのものを購入すると思います。
たしかに粉末タイプは使いたいときに必要なぶんだけすぐに取り出して使えるのが魅力。
ただしスパイスは粉末状態になってしまうとしけったり空気との接触面が増えて香りが飛んでしまいやすくなるため、賞味期限は劇的に短くなります。
それに加えてシナモンなどと比べて一回の使用量や使うシーンが少ないため、粉末の商品を購入しても使いきれる自信がないという方も多いのではないでしょうか?
そんな方にはぜひ一度ホールのナツメグを使ってみましょう。
本来ナツメグはこのようなホール状で、これをすりおろして粉末にしたものを使います。粉末状の物はこの加工をあらかじめやってあるということなんですね。
ホールのナツメグは使いたいときに必要な分だけすり下ろして使えるので常に素晴らしい香りのナツメグを堪能できます。
加えて残ったホールナツメグは密閉容器に入れて高温多湿を避けて保存すれば1~2年はもつんですね。
ホールのナツメグはなかなかその辺のスーパーで見かけることはありませんが、ネット通販などを利用すれば簡単に購入できるので、ナツメグの魅力を思う存分楽しむならぜひチャレンジしてみましょう。
無駄がないので結果的には粉末のものを使うよりも安く済みます。
すりおろしにはスパイス用のおろし金を使います。
ちなみに筆者はマイクロプレーンのプレミアムゼスターを愛用しています。
スパイスのみならず様々な食品をすりおろせるので、コレ一個あればおろし器は他にはいりませんよ。
ホールナツメグ
マイクロプレイン プレミアムゼスター
ナツメグは食べ過ぎると死亡する?致死量は?
ナツメグは一度にたくさん摂取すると吐き気、頭痛、幻覚などの症状を引き起こし、最悪の場合は死亡してしまうことがあります。
致死量についてはまだ詳しい数値が判明していないとされていますが、5gを超えたあたりから中毒症状が表れるというのが一般的な見解のようです。
ただ一般的に料理に使う程度の量であれば身体に害があることはないので安心して使用しましょう。
粉末スパイスはものにもよりますが小さじ1杯でおよそ2gですから中毒症状を引き起こすには小さじ2.5杯ものナツメグを投入した料理をすべて食べる必要があります。
そこまでの量のナツメグが含まれた料理はもはやナツメグの風味が強すぎて食べるのも辛いと思われます。
3~4人分のハンバーグを作る場合でも小さじ1もナツメグを入れることはありませんから、誤って大量に加えてしまうことさえしなければさほど気にする必要はありません。
ナツメグは代用できるのか?
ナツメグを家に常備するのが大変・・・という人はほかのスパイスで代用するというのもひとつの手でしょう。
本来ナツメグを使う理由は臭み消し。
これに加えてナツメグ自体の持つ芳香を好ましく活かせる場合はその風味自体がナツメグを入れる理由になります(製菓の場合はどちらかというとこのパターン)。
ナツメグ自体の香りはナツメグにしか出せないので代用はききませんが、あくまで臭み消しとして理由するならブラックペッパー、しょうが、にんにく、セージ、ローズマリーなどがナツメグの代わりとしては適しています。
また同じく甘めの香りを持つスパイスとしてはシナモン、カルダモン、クローブが近しい香りを持っていますが、それぞれナツメグとは明らかに違う個性を持っているうえ主張の激しいスパイスなので代用として使うならごく少量にとどめましょう
特にシナモンはハンバーグやロールキャベツで使うには個性が激しすぎると思います。
またナツメグ、シナモン、クローブの香りをミックスしたような香りを持つオールスパイスという香辛料も代用としては適しているかもしれませんね。
まとめ
ナツメグは正しい使い方を理解して調理に活かすことで料理を1ランク上の本格的な味わいへ変化させることができるスパイスです。
特にホールのナツメグを使って作るとハンバーグ、ローキャベツ、オムレツ、スパイスクッキーなどがびっくりするくらいの仕上がりに!
ぜひこの機会にナツメグを使いこなしてみてはいかがでしょうか?
あわせて読みたい記事
www.oishikerya.com
www.oishikerya.com