カマンベールというチーズを食べたことがあるという人は多いことでしょう。
しかしそのなかに"本物のカマンベール"を知っている人がどれくらいいるでしょうか?
じつはいま一般に出回っているカマンベールは本家本物のカマンベールを模して作ったチーズが多いのです。
本物のカマンベールは「カマンベール・ド・ノルノンディー」と呼ばれ、生産国フランスではAOCという厳密な規定に則って生産されたもののみをこの名で呼んでいます。
本記事では魅惑のカマンベールチーズ「カマンベール・ド・ノルノンディー」の魅力についてご紹介しましょう。
- カマンベールチーズの元祖「カマンベール・ド・ノルノンディー」とは?
- 「カマンベール・ド・ノルノンディー」の味
- 「カマンベール・ド・ノルノンディー」の食べ方
- 「カマンベール・ド・ノルノンディー」を通販するなら専門店で
- 「カマンベール・ド・ノルマンディー」チーズを楽しむのまとめ
カマンベールチーズの元祖「カマンベール・ド・ノルノンディー」とは?
一般的にカマンベールチーズというとスーパーで販売されている6ピースチーズのようにクセがなく食べやすいチーズを想像する人も多いかもしれません。
これらのチーズは日本人に食べやすいように加工されたプロセスチーズの一種であることが多いです。
しかしカマンベールチーズはもともとフランスのカマンベール村で1791年にマリー・アレルという人物が産み出したナチュラルチーズだといわれています。
当時カマンベール村ではフランス革命によって亡命してきた修道士が匿われていました。
なかでもブリー地方出身の修道士たちは故郷のチーズの作り方をカマンベール村に伝えたと言われており、この製法をもとに産み出されたのがカマンベールだと考えられています。
このチーズはその美味しさからたちまちフランス国内、さらには国外にも広がりました。
しかしフランスの製品を保護するAOCという制度の認定を受けたのが1983年と知名度に反してかなり遅かったために、世界中にカマンベールを名乗る類似品が出回ることになってしまいます。
本来AOCの保護下にある製品はその名を冠するために厳しい規定をクリアしなければならないが、上記のような理由からカマンベールは似て非なる同名の製品が世界中に氾濫している
そこで本家本元の製法に則って作られたカマンベールチーズを「カマンベール・ド・ノルマンディー」という名称とし、厳しい検査をクリアしたもののみをフランスの伝統的なカマンベールチーズとして認めることとしました。
「カマンベール・ド・ノルマンディー」の要件はかなり細かいが、ノルマンディー地方で作られていること、厳格な審査を経た無殺菌乳を使うこと、外側の梱包に木製の容器を使うことなどが定められている
「カマンベール・ド・ノルノンディー」の味
「カマンベール・ド・ノルマンディー」以外のカマンベールチーズを食べたことのある人は、カマンベール=食べやすいチーズという認識かもしれません。
しかし本家の「カマンベール・ド・ノルマンディー」は熟成系のコクとクセがあるフランスらしい本格的な白カビチーズです。
未熟な状態では中身もかたく、クセもさほど強くありません。若干きのこを思わせるフレッシュな香りも感じられます。(そのぶん味も薄いのでこの段階なら調理に使うのがオススメ。そのまま食べる分にはプロセスチーズのほうがおいしいと思う)
しかし熟成が進むと外皮が赤茶色がかってきて、中身がトロっとしてアミノ酸由来のコクが増します。香りも立ちはじめ、完熟してくると大根おろしに似たような刺激を伴う香りが広がります。
カマンベールドノルマンディーは熟成するとねっとり濃厚な味わい。
— Jorge(ホルヘ)@おいしいをゆるーく探求するメディア「おいしけりゃなんでもいい!」運営中 (@bollet_jp) July 26, 2019
大量のきのこでとったかのようなダシ感ときのこ香が楽しめるチーズだと思う。
クセも強くナチュラルチーズが苦手な人には受け入れられないかもだけどバケットなどと一緒に食べると最高。
もちろんお酒のつまみとしても至高
「カマンベール・ド・ノルノンディー」の食べ方
ホールで買ってそのまま食べるのがおすすめの食べ方
「カマンベール・ド・ノルノンディー」は熟成度合いによっては少しクセのあるチーズですが、ぜひ一度そのまま食べてみてほしいチーズです。
おつまみとしてはもちろん、パンに添えて食べるのもオススメ。
非常に味のしっかりとした旨味のあるチーズなので、少量食べるだけで満足感がありますよ。
ホールで購入した場合はホールケーキのように切り分けて食べます。
白カビの部分は食べられますが、熟成の進んだものはピリッ刺激を感じたり香りがキツい場合があるのでお好みで取り外してもOKです。
残った部分は切り口にぴったり着くようにラップでくるみ、もともと入っていた木箱にしまって冷蔵庫の野菜室へ。
保存環境や元の状態にもよりますが1~2週間程度は美味しくたべられるはずです。
原産地のノルマンディー地方では同じく特産品であるシードル(リンゴの発泡酒)と楽しまれるそうで、さわやかなりんごの香りが濃厚なチーズの味わいと合わさって最高のマリアージュが楽しめますよ。
料理に使うのもおすすめ
カマンベールチーズは料理にも合わせやすいチーズで、それは「カマンベール・ド・ノルマンディー」でも同じです。
特に未熟なうちはチーズ自体の香りも旨味もさほど強くないので、サラダに混ぜたりカナッペに使ったりするのもオススメ。
逆に少し熟成しすぎて食べにくいものはトースターで焼くとクセがなくなって香ばしく楽しめます。ポテトや明太子とあわせてもいいですね。
今日もポテトサラダです( 'ω')
— こ ゆ ぴっぴ ( 'ω')🐩 (@LR5xXx3robin) July 23, 2019
流石に飽きてきたからカマンベールチーズたっぷりのせてトースターで焼いてみたらめちゃくちゃ美味しくて無事完食( 'ω')笑 pic.twitter.com/piglt5fc6I
「カマンベール・ド・ノルノンディー」を通販するなら専門店で
「カマンベール」を取り扱っているお店は少なくありませんが、「カマンベール・ド・ノルマンディー」を売っているお店となるとその数はぐっと減ります。
輸入食材屋さんやちょっと高めの食料品店(紀伊国屋のような)であれば取り扱いはあるかもしれませんが、「カマンベール・ド・ノルマンディー」のようなナチュラルチーズは管理熟成が大切。
特にホールで売られることの多い「カマンベール・ド・ノルマンディー」は試しに買うには大きいので外れはひけません。
そこでオススメなのがチーズ専門店。
日頃からナチュラルチーズを楽しまない人には馴染みは少ないかもしれません。
日本でもお店の数は限られていますが、フレンチやイタリアンのようなレストランへの卸売も行うケースが多く、専用の熟成施設を持っているはずなので品質には信頼がおけます。
最近ではネット通販でナチュラルチーズを販売するチーズ専門店も増えてきました。
「カマンベール・ド・ノルマンディー」もちゃんと管理されたものを楽しむと味わいの深さに驚くはずです。
筆者がよく利用しているオーダーチーズドットコムさんはじめ、良質なショップは多数存在しますのでぜひお気に入りのチーズショップを探してみてはいかがでしょうか。
チーズ専門店オーダーチーズドットコムでカマンベールドノルマンディーを探す
「カマンベール・ド・ノルマンディー」チーズを楽しむのまとめ
本記事ではフランスを代表するチーズ「カマンベール・ド・ノルマンディー」の魅力に迫ってきました。
カマンベールという名前は浸透していますが、本家本元「カマンベール・ド・ノルマンディー」の存在を知っている人は意外と少なかったのではないでしょうか?
ちょっとクセはありますが本当に美味しいチーズで、ここからナチュラルーズの世界にハマる人も少なくないと思います。
ぜひ状態の良いホールで手に入れて、自宅で贅沢に、お友達を呼んでパーティーに、グルメな方への贈り物に「カマンベール・ド・ノルマンディー」を楽しんでみてください。