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ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い【楽しみ方が違う2つのチーズ】

「チーズが好き!」

そんな人も少なくないと思いますが、そのなかに「ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い」を知っている人はどれくらいいらっしゃるでしょうか?


このふたつのチーズは同じチーズでありながら楽しみ方に大きな違いがあります。もちろんチーズであることに変わりはないのですが、違いを明確に知っておくことでチーズの楽しみ方や食べ方にバリエーションを持たせて、もっとチーズを楽しめるハズ・・・。


ぜひ一緒に「ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い」を学んで、奥深いチーズの世界を覗いてみましょう!

ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い

まず最初に結論からお伝えしておきましょう。


いろいろと細かい違いはあると思いますが、ものすごくザックリと説明すると「ナチュラルチーズ」は生乳などを原料に成形し水分を抜いてできたもの、「プロセスチーズ」は「ナチュラルチーズ」をベースに再加工したものです。


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世界中を見回してもプロセスチーズをこれほど日常的に食べる国は日本くらいといわれていますが、これはナチュラルチーズの多くが商品化されてからも熟成を続ける発酵食品であり、そのために強いクセを持っているものが少なくないことが関係しています。


もともとチーズ文化のない日本はチーズの持つ特有のクセに慣れていなかったワケですが、味は間違いなく美味しいということでチーズを再加工してクセをなくしたプロセスチーズが主流になったのでしょう。


しかし考えてみてください。日本人は納豆、漬物、味噌、醤油…少し特殊なところでくさや、鮒寿司etc...と世界を見回してもトップレベルの発酵食品を食卓に並べる国でもあります。ナチュラルチーズの持つクセもきっと楽しめるハズ、そしてその奥にあるチーズの奥深さを知ればチーズがより好きになるハズなのです。

ナチュラルチーズについて詳しく知る

ナチュラルチーズは嗜好性の高い食品

ナチュラルチーズは発酵食品です。製品化された時点でも菌が生きていて発酵を続ける過程にあるものも多く、意図的にカビがつけられるものがあったり、表面に特殊な菌を繁殖させるものがあったりと、仕上がりは基本的にクセの強いものになります。


しかし発酵の過程で旨味成分が得られるため、クセの強いチーズほど旨味が強い傾向にあるともいえます。


全体的に日本人にはクセが強くマニア向きのチーズとして認識される傾向にあるナチュラルチーズですが、味の多様性、旨味の濃さという点ではプロセスチーズを引き離すポテンシャルを秘めています。


そのためナチュラルチーズは嗜好性の高いチーズだといえるでしょう。


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ナチュラルチーズの定義

ナチュラルチーズをはじめ日本において乳製品は乳等省令*1という法律でその区分が指定されていますが、まずはその原文を引用しておきましょう。

16 この省令において「チーズ」とは、ナチユラルチーズ及びプロセスチーズをいう。

17 この省令において「ナチユラルチーズ」とは、次のものをいう。

一 乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう。以下同じ。)、クリーム又はこれらを混合したもののほとんどすべて又は一部のたんぱく質を酵素その他の凝固剤により凝固させた凝乳から乳清の一部を除去したもの又はこれらを熟成したもの

二 前号に掲げるもののほか、乳等を原料として、たんぱく質の凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであつて、同号に掲げるものと同様の化学的、物理的及び官能的特性を有するもの


「乳等省令」第二条より抜粋


ミルクに乳酸菌や凝乳酵素といったものを加えると、ミルクのたんぱく質がしだいに凝固していきます。ここから乳清(ホエイとも呼ばれる)をある程度取り除いてより固くしたものがナチュラルチーズです。多くのナチュラルチーズは乳清除去のあとに熟成されて味わいを深めます(熟成しないナチュラルチーズもあります)。


もう少し分かりやすくイメージする例えを出せば、ヨーグルトから水分(乳清、ホエイ)を取り除いてより固くしたものがナチュラルチーズです。ヨーグルトはナチュラルチーズの一歩手前にあたる食品*2なんですね。

ナチュラルチーズの種類

ナチュラルチーズは産地、原料となる乳、使用する乳酸菌などの種類、加工方法によって世界中で1000以上の種類が存在します。しかし大まかな製法によって大きく分けて白カビタイプ、青カビタイプ、ウォッシュタイプ、シェーブルタイプ、セミハードタイプ、ハードタイプ、フレッシュタイプに分類されています。


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リコッタチーズやマスカルポーネチーズは世界的にはチーズの一種として括られていますが(実際にチーズとして括って問題の無い食品だと思いますが)、日本の法律に則して分類すると『濃縮ホエイ』ということになり、厳密には『チーズ』ではないということになります。


まず食べたい種類別におすすめのナチュラルチーズをまとめた記事はコチラ
www.oishikerya.com

プロセスチーズについて詳しく知る

プロセスチーズの定義

再び乳等省令から、今度はプロセスチーズの定義を引用してみましょう。

18 この省令において「プロセスチーズ」とは、ナチユラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したものをいう。


「乳等省令」第二条より抜粋


要するにプロセスチーズはナチュラルチーズを加熱、溶解、場合によっては複数のチーズをブレンドして混ぜ合わせてから成形したものです。


ここでいう乳化とはなんでしょうか?ナチュラルチーズは加熱するとタンパク質、水分、脂質が分離します。これを再び繋ぎ止めるのに必要なのが乳化剤です。


乳化剤によって一度バラバラになったチーズの成分は再び安定した状態で固まります。そのためプロセスチーズの成分表示にはおおもととなるナチュラルチーズのほかに乳化剤の文字が記されているのです。


ちなみにベースとなるナチュラルチーズはクセの少ないゴーダやチェダーチーズが使われることが多いといわれています。

プロセスチーズは汎用性がとても高い

プロセスチーズは非常に優れたチーズです。ナチュラルチーズの持つ魅力とはまた別に、プロセスチーズもまた非常に魅力にあふれたチーズであることに間違いはありません。


プロセスチーズの素晴らしさは子供から大人まで好きなことからわかるようにクセが少なく加工に適していて汎用性が高い点にあります。


加熱にも強く、臭いも少なく、かつ過熱によって菌が死んでいるため発酵が止まっていて保存性に優れているプロセスチーズは、日本人にとって扱いの難しい一面を持つチーズを非常に身近なものへと変えてくれた存在なのです。

ナチュラルチーズとプロセスチーズ楽しみ方の違い

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ナチュラルチーズは見てきたようにとても嗜好性の高い一面を持っています。特に日本では比較的高価なこともあり、通好みの食べ物としてレストランやバーで提供されることが多い傾向にあります。


しかしとてもコクがあり風味の強いナチュラルチーズは、たとえばパンに少量乗せて食べたり、お酒のおつまみに少量用意するだけで日々の食生活を豊かにしてくれます。


一度に大量に食べるものではないのでコスパもじつはそこまで悪くありません。一度手を出してみるとそんなに難しいチーズじゃないことがわかるはずです。


プロセスチーズは食べやすさと加工のしやすさ、価格の安さがウリです。気軽に料理に使用したり、晩酌のお供にしても良いですし、お子さんにも抵抗なく受けいれられる心強いチーズですね。

ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いのまとめ

ナチュラルチーズは歴史も古く、ヨーロッパを中心に世界中で作られている多様性が魅力です。管理や熟成の仕方、食べ方、味のバリエーションといった面から食品としての嗜好性はとても高く、非常に奥の深いジャンルだといえます。


一方のプロセスチーズはナチュラルチーズを食べやすく加工したもので、ナチュラルチーズほど味のバリエーションや深みはありませんが、扱いやすくは万人受けするテイストで便利な食材です。


もちろんどちらが良い悪いというのはありません。どちらにも特徴があり、需要があるので、この機会にぜひいろいろな種類のチーズを試して、チーズへの見識を深めてみると世界が広がるはずですよ!


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筆者はいままでさまざまなチーズ専門店に通って数百種類のチーズを食べてきました。


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*1:乳及び乳製品の成分規格等に関する省令

*2:乳等省令では『発酵乳』という分類で定義されている