トマトのなかでも圧倒的な高値で取り引きされるのがフルーツトマト。
フルーツトマトというと静岡(一部長野)のアメーラトマトが有名ですが、ほんの小さなものでも1玉(もはや粒と呼びたいくらい小さいやつも)で200円前後はする高級トマトです。
このようになかなか手がでない高級野菜として認知されているフルーツトマトですが、そんななかで茨城県のNKKアグリドリームが作るフルーツトマトは、もちろんフルーツトマトとして普通のトマトよりは高いものの、じゅうぶんに普段づかいにも耐えうるトマト。
なによりウマイ。そして変に気取って派手になりすぎたそこら辺のフルーツトマト(もはやつらはトマトといえるのか?)と比べて安心感のある味。なんだか茨城県が作ったといわれると妙に納得してしまうこのフルーツトマトをもっと広めたい!
ついつい応援したくなる素晴らしいフルーツトマトを特集してきましょう。
- フルーツトマトについておさらい
- 茨城県NKKアグリドリームのフルーツトマトがウマい
- 茨城県NKKアグリドリームのフルーツトマトを食べてみた
- 茨城県NKKアグリドリームのフルーツトマトは日常の贅沢に使いたいトマトだった
フルーツトマトについておさらい
そもそも最近流行りのフルーツトマトは品種の名前ではありません。
厳密な定義は定まっていませんが、おおよそ糖度8以上の甘さの強いトマトをフルーツトマトとして差別化しています。(一般的なトマトは糖度4~5程度)。
糖度8というのはフルーツの中に入れてもじゅうぶんに闘える糖度で、いちごやスイカの糖度低めのものに匹敵します。
たとえば有名なアメーラトマトなどは、もともとの品種は桃太郎というごく一般的な品種です。
これを徹底管理した栽培で育てることで大きさは本来の3割程度ですが、濃厚な味わいのトマトに仕上がっていくというワケです。
いうなれば徹底した教育(時にスパルタな)を受けたトマト界のエリートたちを称してフルーツトマトと呼んでいるんですね。
茨城県NKKアグリドリームのフルーツトマトがウマい
従来のフルーツトマトの基準を上回るNKKアグリドリームのトマト
今回注目したいNKKアグリドリームのトマトは茨城県のKEK(協和施設園芸協同組合)グループ、有限会社 NKKアグリドリームが作るフルーツトマトです。
このアグリドリームのフルーツトマトの最大の特徴はなんといっても大きさ。
通常、フルーツトマトと呼ばれるトマトは非常にサイズが小さく(たまにミニトマトのちょっと大きいくらいのものもありますね)、それでいて価格が高いものばかり。加えて品質の低いものだと糖度7程度でもフルーツトマトと称して販売されている実態がありました。
このあたりはフルーツトマトの規格化が出来ていないことによって生じる問題なのでしょうが、アグリドリームではここに目を付けてフルーツトマト生産を行っています。
NKKアグリドリームのトマトの特徴
NKKアグリドリームではサイズはフルーツトマトのなかでも群を抜いて大玉(はじめて見た時、筆者はフルーツトマトのなかに並んだアグリドリームのフルーツトマトを陳列ミスだと思ったほど)。
加えて糖度は9以上。フルーツトマトのなかでも高い水準を糖度センサーを使って徹底管理して保っています。
世界中のトマトを見て回り、フルーツトマトに最適な品種としてオリジナルブランド「KEK1号」を開発。フルーツトマトとして安定した栽培が可能になるまで長い年月を費やしたそうですが、いまでは徐々に知名度が高まり、百貨店や市場で積極的に取引れるまでに至りました。*1
流通は主に3~5月がメイン。1~2月ころから流通ははじまりますが、一番味がノッテくるのは春先。これはどのフルーツトマトもだいたい同じだと思います。
茨城県NKKアグリドリームのフルーツトマトを食べてみた
それではアグリドリームのフルーツトマトをじっさいに食べてみましょう。
いいツヤです。
手に持ってみると握りこぶしくらいのサイズ感。普通のフルーツトマトと銘打たれた商品でこのサイズはまずないですよ。
このサイズならトマトスライスを作ってもこのボリューム感。フルーツトマトでトマスラなんて贅沢過ぎますが、ある意味いちばん美味しく楽しめるハズ。
塩もマヨネーズもいりません。そのままパクリ。
非常に心地よい甘みと酸味。そのあとからしっかりとトマトの香りが突き抜けていきます。
これはウマイ。なんというのでしょう。このサイズだからなのか、アメーラのような高級フルーツトマトにありがちな凝縮感や強い甘みはそこまでではなく、非常に味の濃いトマトに徹しているイメージ。
あくまでもこれはトマト(フルーツトマトなんですけどね)。フルーツトマトのように改まってありがたがって食べるのではなく、トマスラはもちろんサラダやその他料理に使っていきたい。そんな安心する味の頂点がここにあるんですよね。
茨城県NKKアグリドリームのフルーツトマトは日常の贅沢に使いたいトマトだった
茨城ってトマトの生産量が全国3位なんですよね。およそ6~7%のトマトは茨城産。ほかにもメロンは1位、梨は2位、ネギは3位…ありとあらゆる農作物をトップレベルで作っている。*2
けど魅力度最下位を死守するアピールベタはここでも健在で、いわゆるブランド農作物をほとんどもっていないんです(もっていても全然有名じゃない)。
トマトならアメーラトマトは静岡。メロンもクラウンメロンは静岡。静岡は生産量はともかくとしても、ブランド化はとてもうまいですよね。
茨城は生産量があるから無理してブランド化する必要がないのかもしれないですけど、こういうふうに実直においしいものを作っているんだということを頭の片隅に置いておいてもいいのではないでしょうか。
茨城NKKアグリドームのフルーツトマト。かつてこんなに大きいフルーツトマトに出会うことがあっただろうか。至高のトマトスライス。そこには塩もマヨネーズもいらない。 pic.twitter.com/nf4GbDzoie
— おいしけりゃなんでもいい! (@bollet_jp) 2019年1月22日
こんなに絶妙にいいもの作れるのにアピールする術が弱すぎるのと、果たしてこのトマトの魅力に気づける人がいわゆるフルーツトマト好きにどれだけいるんだろうということですね。
— おいしけりゃなんでもいい! (@bollet_jp) 2019年1月22日
NKKアグリドリームのフルーツトマトは"茨城らしさ"前回の愛らしい食材です。皆さんもぜひ機会があったら召し上がってみてください。
ちなみに筆者は茨城県出身者ではありません。
※アグリドリームのトマトはネットで取り寄せできる店舗がほとんどありません。一応公式サイトから直送販売を承っているようなので、気になる方はチェックしてみてください。→NKKアグリドリームの公式サイト
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*1:参考:「KEK(協和施設園芸協同組合)グループ 有限会社 NKKアグリドリーム」(万農王国いばらき)
*2:参考:農林水産省ホームページ