今や空前のチョコレートブーム。国内外のブランドや作り手問わず、さまざまな場所でチョコレートショップが生まれていますが、カフェを併設するお店も増えてきています。
チョコ菓子やチョコとあうアルコールなどが提供される中で、だいたいのチョコレートショップのカフェにオンメニューされているのが「ショコラショー」という飲み物・・・。
これって一体何?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな「そもそもショコラショーってなに?」という素朴な疑問を解消しつつも、お店で出てくるような本格ショコラショーを手軽にご自宅で試せるレシピをご紹介致します。
わざわざ一杯1000円近く払わなくても、ちょっとしたコツをおさえるだけでお店と同等の味わいを実現できるのでぜひチャレンジしてみてください!
ショコラショーとは?
ショコラショーとは端的に言ってしまえばお湯や牛乳でチョコレートを溶かしたドリンクです。
「ショコラショー"chocolat chau"」はフランス語で、英語に変換すればホットチョコレート、つまり温かいチョコレートという意味になります。
フランス語でカッコつけて言っているから小難しいだけで実はすでに経験したことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。
チョコレートの原点?
皆さんはチョコレートという単語を聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
明治の板チョコ、高級チョコブランドのボンボンショコラ、生チョコ、チョコケーキ・・・今やチョコの名を冠するお菓子は山のように存在しますが、チョコレートと聞いて飲み物を想像する人はそうはいないことでしょう。
しかし、実はチョコレートはもともと飲み物として親しまれていた歴史の方が長く、チョコレートの歴史数千年の中で固形として食べるチョコレートの歴史はわずか200年程度しかないと言われています。
もともとは一種の健康ドリンクとして重宝されていたともされるチョコレートドリンク。カカオのもつ高い栄養価は当時の人々からすればまさに秘薬のような存在だったのかも。
その後ヨーロッパの王侯貴族に親しまれるなど嗜好品としての地位を築きつつも、徐々に庶民に親しまれるものとしても広がりを見せていき、現代のチョコレート文化へと繋がっていくのです。
ショコラショーとココアとの違い
先に結論だけいいますと、ココアとショコラショーは別物です。
ショコラショーはホットチョコレートと言い換えられるようにチョコレートを溶かして作るドリンク。狭義の場合はクーベルチュールと呼ばれる製菓用のカカオ分の高いものを使って作るものです。
一方のココアはカカオ豆からカカオバターを取り除いて作られたもので、原則粉末状に加工されています。
カカオバターとはカカオ豆、すなわちチョコレートの原料に含まれている油分で、チョコレートのコクの正体でもあります。
チョコレートを板チョコなどに加工するさいには味わいを深めるためにカカオ豆の油分に加え別途カカバターを追加することも少なくありません。
つまりココアとショコラショーではそこに含まれているカカオバターの量が圧倒的に違います。
結果的に味わいもココアはあっさり、ショコラショーはこってりになると言えます。
ショコラショーはまさに"チョコレートを飲んでいる"というのにふさわしいドリンクだということです。
カカオマスやカカオバターなど、食べるチョコレートの製法に関する疑問は以下の記事にてまとめていますのでこちらも参考までに。
本格ショコラショーのレシピ
では早速お店で出てくるような味を目指してショコラショーを作ってみましょう。
本格ショコラショーの材料(一人分)
- 牛乳 100cc
- 水 20cc
- クーベルチュールチョコレート(カカオ分70%) 25g
- 砂糖 小さじ1
今回使用したのはフランスのチョコレートメーカー・ヴァローナのグアナラというクーベルチュール(製菓用チョコレート)。
カカオ70%でビター中にアロマティックな香りが広がる大人味のショコラショーを作れます。
通販でも買えますし味も抜群に良く、さらにタブレット型なので加工にも便利。
ちょっと高く感じるかもしれませんが、基本業務用なので内容量が多いので一杯当たりに換算すると一杯あたり100円ちょっとの計算なのでそんなに高くありません。
ショコラショーの味わいほぼ使用するクーベルチュールの質に依存します。
いくら作り方にこだわっても元のチョコレートが上質なものでないとお店の味は絶対に出ません。
有名店のショコラショーとかは平気で一杯1000円しますから、それを考えたら何杯も作れて安い買い物です。
余ったチョコレートは冷蔵庫で保存していれば数か月は風味も落ちることはありませんし、多少味わいが落ちても一年くらいは余裕で楽しめます。
ヴァローナは少し高い・・・という方は大東カカオもオススメ。コスパのいいクーベルチュールです。
明治やガーナの板チョコで作ってもそれなりに美味しくはなりますし、成城石井などにも廉価なクーベルチュールは売っているので各自お好みのものを選択しましょう。
本格ショコラショーのレシピ
材料を用意したら実際に作ってみましょう。
まずはお鍋に水と牛乳、チョコレートを加え弱火で温めます。
なぜ水?と思うかもしれませんが、100%牛乳で作るとせっかく質の良いチョコレートを使っても香りが乳にマスクされて、チョコレートの個性が立たないからです。
人によっては100%水で作るという方もいるようですが、個人的には牛乳を少し水で延ばすくらいが味のバランスとしてはベスト。
あの有名パティシエであるピエールエルメも自著でショコラショーに水を加えるレシピを紹介しています。
全部水にしてしまうとカカオを味わうという意味ではいいかもしれませんが個人的にショコラショーとしては少しあっさりしすぎてしまう気がするのでお好みで調整してみましょう。*1
温まってきたらへらなどでチョコがくっつかないようにかき混ぜつつチョコに火が通って溶けるで1~2分待ちます。
溶けて来たらホイッパーで撹拌します。
この作業をしないとチョコの脂肪分が分離して口どけが悪くなります。いわゆる乳化と呼ばれる工程です。
こんな感じで左右にシャカシャカとホイッパーを動かして撹拌します。
ダマ感がなくなり、色にツヤが出てきたらしっかりと混ざっている証拠です。
しっかり混ざったらカップへ注いで完成です。
茶こしなどで濾すと溶け切っていないチョコレートが濾しだされてよりなめらかな液体になります。
砂糖の量はクーベルチュールの糖度にもよりますから各自お好みの配合を付けてください。
今回載せているレシピは甘すぎない少しビターな仕上がりにしてあります。
ショコラショーのレシピは自由自在に!作り方をアレンジして楽しむ
一度スタンダードなレシピでショコラショーを愉しんだら、次からはアレンジしてみましょう。
クーベルチュールを変えるだけでも味は大きく異なりますが、小さじ1程度のブランデーやリキュールを垂らしてみたり、マシュマロやホイップクリームを浮かべてみたりしても味の幅は広がります。
黒胡椒やカルダモン、シナモンといったスパイスを加えるのもオススメです。レモンオレンジの皮を削いで加えてもGOOD。
スパイスや果物の皮はチョコと一緒に加えて煮出してから最後に茶こしで濾しとると良いでしょう。
黒胡椒は最後に上から振りかけるだけなのでラクチンアレンジ。チョコとペッパーは意外とあいます。
さまざまなバリエーションを試してショコラショーの自分だけの楽しみ方を見つけてみましょう。
本格ショコラショーのレシピはコツさえおさえれば簡単!【ココアとはベツモノ】のまとめ
ショコラショーなんていう大それた名前を聞くと、さぞかしめんどうな飲み物なんだろうと思うかもしれませんが、材料さえあれば本格的な味わいもすぐに作り出すことが出来ます。
ちょっとした手間をかければまるでセレブの飲み物に・・・!
皆さんも優雅なひとときを演出するためにショコラショーに挑戦してみてはいかがでしょうか?
お店で飲むような本格ミルクティーのレシピを紹介した記事もあわせてチェックしてみてください!
*1:もっと濃厚にしたいなら生クリームを少量垂らすというのもオススメです。