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貴腐ワインはカビから生まれる!ソーテルヌ、アイスワインとの違いは?

貴び腐るワインと書いて貴腐ワイン。その名前くらいは聞いたことのある人もいるかもしれないが、いったいこれがどんなワインなのか、詳しく把握している人少ないかもしれません。


しかし、一度体験してみるとその甘美な味わいの虜になること間違いなしの貴腐ワイン。
今回はそんな貴腐ワインの基本的な知識についてまとめてみたいと思います。


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カビから生まれる奇跡のワイン・貴腐ワイン

貴腐ワインとはワインの中でも特殊な位置づけで、以下のような特性を持っています。


  • 通常の白や赤ワインに比べて非常に甘いワインである
  • 甘さは葡萄由来なので繊細かつ上品でくどくない
  • 貴腐香という特有の香りを持ち合わせている
  • 他のワインと比べても長い熟成に耐え、保管も可能なので贈答用やバースデーワインとして優れている


貴腐ワインとはものすごく端的に言ってしまうとカビた葡萄から作られたワインです。


「カビた」と聞くとぎょっとするかもしれませんが、まずはその辺の貴腐ワインの特徴とも言えるその製法を見ながら貴腐ワインとはどんなワインなのかを明らかにしてみましょう。

カビによって貴腐葡萄が生まれる

自然界には多種多様なカビが存在しますが、貴腐ワインを生み出すカビは"ボトリティスシネレア"というカビです。このカビは基本的には作物に有害なのですが、セミヨン、リースリングなど白ワイン用品種の成熟果実に付着した時のみ、その葡萄の糖度を上昇させ、特有の芳香をまとい、干しブドウのような状態になるという特性を持っています。


この状態になったブドウは貴腐葡萄と呼ばれ、貴腐ワインの原料に用いられます。貴腐ワインの原料はまさに自然界の奇跡、気まぐれによって生み出されているワケです。

貴腐葡萄が甘いワインに変身する

アルコールは糖が変換して生じます。通常の葡萄よりも糖度が上昇した貴腐葡萄を用いたワインは、ワイン中にその糖度を残した甘いワインに仕上がります。


こうして生まれた貴腐ワインは、貴腐香という特有の香りをまとい上品な甘さを持っているため、唯一無二のワインジャンルとして確立されることになります。

貴腐ワインと混同しがちなソーテルヌ、アイスワインetc...の違い

貴腐ワインと混同しがちなキーワードに、ソーテルヌ、アイスワイン、デザートワイン、トカイワイン・・・などがあります。実際にグーグルなどで検索をかけても検索候補にこれらのワードが並ぶ辺り、疑問に思っている方も多いのでしょう。


まずはこれらのワードをざっと図で説明してみます。


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まずはデザートワインという大枠について解説しておきましょう。


これはザックリ言って糖度の残った(あるいは補糖)甘いワイン全般を指します。甘さの残り方・残し方や製法は非常に多岐にわたり、国によって厳密に規格化されているものも多いのですが、基本的には食後にデザートとして楽しむワインです。


ここで注意ですが、ここでいう"甘い"とは日本酒などでいう甘口/辛口というレベルではなく、砂糖水か水かくらいの意味での甘みです。デザートというくらいですから、一言で言い表せば「めちゃくちゃ甘い」お酒に分類されます。


日本では諸々の理由*1から今まであまり飲む習慣がありませんでしたが、近年では飲みやすいという理由もあって徐々に浸透してきています。

貴腐ワインとアイスワインの違い

さて、デザートワイン全般について解説するとキリがないので、今回は系統や味わいが近しい貴腐ワインとアイスワインに限定して図式化しました。


貴腐ワインとアイスワインはどちらもデザートワインの一種になります。貴腐ワインが先述のとおり、貴腐化した葡萄を用いて作られるのに対し、アイスワインはその名の通り凍結した葡萄を用いて作ります


凍結した葡萄は水分が凍結し、残りの成分が未凍結部に集約されて味が凝縮されます。結果的に味の濃い葡萄を用いてワインにすることで貴腐ワイン同様甘みの残ったワインに仕上がります。貴腐ワインとの最大の違いは貴腐菌による貴腐香が生み出されない点。そのためアイスワインの方が香りはスッキリとしていて、軽快でシンプルな味わいになる傾向にあります


好みによりますが、熟成酒や香りの深いお酒好きには貴腐ワイン単純に甘いのが好きっていう方にはアイスワインがウケる傾向にあり、熟成に耐えうる、稀少性がより高いなどの観点からも値段的には貴腐ワインの方が高価です。*2

さまざまな産地の貴腐ワイン

今度は貴腐ワインをもう少しみてみましょう。ここからは専門的に行くとかなり細かくなってしまうため、大ざっぱに解説していきます。これ以上深く知りたい方は専門書を読んだ方が良いでしょう。デザートワインの専門書ってあんまり聞かないですけど(ソムリエ教本とかになっちゃいそう)


とはいってもコチラは先ほどのデザートワイン全般の時ほどややこしくはありません。理解すべきポイントは2点。


  • 貴腐ワインは世界中で作られている
  • 一般的に世界三大貴腐ワインという分類がある


これさえなんとなく把握しておけば、消費者的に貴腐ワインを選んだり飲んだりする上では十分すぎる知識だと言えます。図にするとこんな感じになります。

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もう少しだけ掘り下げてみましょう。

貴腐ワインは世界中で作られている

まず第一のポイントとして、貴腐ワインは特に産地の特定されたお酒ではありません。要は貴腐菌、すなわちボトリティスシネレアが存在していれば理論上は貴腐ワインは生産できるはずなのです。


主な産地としてはフランス、オーストラリア、ドイツ、ハンガリーなど。実は日本でも1970年代に生産に成功し、以来少量ながら国内産貴腐ワインも出回っています。

ただし、貴腐ワインが作られるには貴腐菌が繁殖しやすい環境下である必要があります。この適性環境が整っていればいるほど良質な貴腐ワインが完成するのですが、この条件が整っている産地は世界的にみてもわずかで、結果的に次項で説明するように偉大な貴腐ワイン産地は限られる結果となっているのです。

世界三大貴腐ワイン、ソーテルヌ・トカイ・トロッケンベーレンアウスレーゼ

人は三大○○というのが大好きです。貴腐ワインにも世界三大貴腐ワインというものが存在し、これが貴腐ワインをややこしくさせている元凶でもあります。


世界三大貴腐ワインは図にも示した通り、フランスのソーテルヌとそこに連なるボンム、フォルグ、プレイニャック、バルサックで作られるソーテルヌワイン(ソーテルヌは地名でもあり国の規格名でもある)、ハンガリーのトカイ地方とその周辺の認められたトカイ地区で作られるトカイワイン、ドイツワインで土地の制限こそないものの、クヴァリテーツワイン・ミット・プレディカート Qualitatswein mit Pradikatというドイツワインの最も格の高いランクの中のさらに最上級のワインを示すトロッケンベーレンアウスレーゼの3つ。


上記3つの貴腐ワインは、貴腐ワイン造りの歴史、ワイン造りの歴史自体も長く、かつ周辺諸国や世界に知名度があり、貴腐菌の醸成にも適した地域であるため品質も高く、かつ造り手ごとにみても世界レベルの貴腐ワインの造り手がいるため、世界三大と名づけられていると考えられます。


ソーテルヌ、トカイにはさらに細かく等級などの区分があるのですが、この辺りはややこしくなるので割愛。ここでは、貴腐ワインといえば原則、フランス、ドイツ、ハンガリーの3国。次いでオーストラリア辺りが最近では高品質貴腐ワインを作っていると覚えておきましょう。

貴腐ワインを楽しもう

日常なかなか飲む機会の少ない貴腐ワイン。飲食店で飲もうにも、基本的にはあまり取り扱いのあるお店は少なく、あるとしたらそれなりのワインバーやフレンチレストランなどで探すことになるでしょう。元値が高く、需要の面からグラス売りもあまりされないため、お店で飲む場合はボトルで高いお金を払うことになることも・・・。



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筆者が去年ボトル買いしたシャトークリマンとシャトーリューセック。普通のワインほどすぐ劣化しないので一か月くらいかけて一杯ずつゆっくり楽しんだ。手に入り易さとクオリティを考えると名の知れぬ安価な貴腐ワインよりソーテルヌのそこそこのブランドの方が外さない。


そのため、貴腐ワインこそボトルで買って家飲みがオススメだといえます。


貴腐ワイン・ソーテルヌの最上級ブランド・シャトーディケムは目玉が飛び出る価格帯。ハーフボトルでも相当な価格ですが、他を寄せ付けない王者の風格。筆者も一度だけ飲んだことがありますが、かなりうまいです。



ここまで高くなくても良いけど一流の貴腐ワインを飲みたいという方にはシャトー・リューセックがおすすめ。爽やかなアロマにはちみつのような優しい甘みが感じられ、貴腐ワイン全体のなかでみても上位クラスの味わいながら、ディケムと比べるとだいぶお求め易い価格帯。セカンドブランドのカルムドリューセックならなお試しやすいです。


シャトークリマンはソーテルヌの中でも特に繊細で甘さと酸味のバランスが絶妙。



トカイワインはプットニョスという規格でランク付けされていて、数字が高ければ高いほど上質で高級。3プットニョスくらいならデイリーワインにも使える。



オーストラリアを代表する貴腐ワインであるノーブルワン。こちらも絶対値は高いですが、クオリティから考えたらコスパの良い商品です。



アマゾンでも十分に良質な貴腐ワインが購入できますが、信頼のおけるお店で・・・というのであれば以前紹介した京橋ワインさんでの購入もオススメです。


www.oishikerya.com



あまり安価な貴腐ワインは頭が痛くなるという人も多いです。基本的には貴腐ワインは贅沢品なので買うなら少し奮発して、フルボトル5000円は超えるレベルのものを。そうでなければアイスワインをチョイスした方が無難かと思われます。

まとめ

ざっくりと貴腐ワインとはなにか?アイスワインやソーテルヌとの違いはなにか?ということを分かって頂けたでしょうか?


まとめると貴腐ワインとは特殊なカビにとりつかれた葡萄を用いた甘いワインで、特有の香りと甘みを持っていて、フランスのソーテルヌやハンガリーのトカイワインが有名。アイスワインとは味的には近いが根本的にはベツモノである、といった感じでしょうか。


正直こんなことを知らなくても、信頼の出来るお店で飲ませてもらえば問題ないとは思います。しかし消費者も知識を高め、貴腐ワインやそれに値するソーテルヌやトカイワインの価値を理解することで、より貴腐ワインの真価を楽しむことができるはず。場合によってはご自宅やプレゼントで楽しむ貴腐ワインを探すことも出来ます。


これを機会にぜひ貴腐ワインについての理解を深め、貴腐ワインを楽しんでみましょう。



漫画「神の雫」では第十二使途(40巻~)に熟成による神秘を体現するワインとして貴腐ワイン(シャトーディケム)が選ばれています。

www.oishikerya.com


また、ソーテルヌを贅沢に使用した貴腐ワインチョコレートもおすすめ。貴腐ワインのアテにも最適です。よろしければ参考までに。

www.oishikerya.com



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*1:諸説ありますが、日本酒が比較的甘さを持っていることや和食に甘みが多用されることから食後に甘味を摂取する意識が欧米より少ないというのが大きな要因でないかと個人的に推察しています。そもそもデザートワイン自体が海外でも特殊な位置づけで生産量が少ないというのもあるかと思いますが・・・

*2:例外はいくらでもありますしアイスワインにはアイスワインの良さがありますが、ここではザックリ一般論として貴腐ワインの方ランクが高いお酒くらいの認識でいきます。