果物の女王の異名を持つ白ブドウ「マスカットオブアレキサンドリア」。エメラルドグリーンの色合いに芳醇な味わいの果実が特徴の最高級ブドウです。
近年ではシャインマスカットに押されて見かける機会が少なくなっている印象ですが、代替のない味わいからブドウ好きからは圧倒的な支持を受ける品種としても知られています。
そこで本記事では、ブドウ好きなら一度は食べておきたいマスカットオブアレキサンドリアの味わいや値段、産地などの特徴について解説。混同しやすいシャインマスカットとの違いについても言及します。気になる方はぜひチェックしてみてください。
- 果物の女王「マスカットオブアレキサンドリア」の特徴
- マスカットオブアレキサンドリアの味わい
- マスカットオブアレキサンドリアの食べ方
- マスカットオブアレキサンドリアとワインの関係
- 旬の時期にマスカットオブアレキサンドリアを食べてみよう!
果物の女王「マスカットオブアレキサンドリア」の特徴
ここではマスカットオブアレキサンドリアの特徴について紹介します。
マスカットオブアレキサンドリアはブドウ好きなら一度は食べておきたい最高級ブドウのひとつ。特にシャインマスカットから白ブドウを好きになった方なら、ぜひ経験しておきたい品種です。
まずはマスカットオブアレキサンドリアがどのようなフルーツなのかを知って、マスカットオブアレキサンドリアに対する興味を深めてみましょう。
マスカットオブアレキサンドリアとは?
マスカットオブアレキサンドリアはエジプトが原産の種有りの食用ブドウ品種。味わいに加えて世界三大美女・クレオパトラが好んでいたこともあって「果物の女王」との異名を持つフルーツでもあります。
世界中に多様に存在するマスカット系品種の原種でもあり、日本で単に「マスカット」と表現する場合はマスカッフオブアレキサンドリアを指している場合が多い。
紀元前から栽培されてきた歴史のある品種ですが、日本では明治19年の岡山県から栽培がスタートしたブドウです。現在、日本で開発されたブドウ品種の中にはマスカットオブアレキサンドリアを親に持つブドウが多数存在します。
オスのジャコウジカがメスを誘うために発するフェロモン「ムスク」と似たアロマを持つことから、ムスク=マスカットと名付けられたとされています。
マスカットオブアレキサンドリアとシャインマスカットの違い
マスカットオブアレキサンドリアは、シャインマスカットとは異なるブドウの品種です。シャインマスカットは農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所で育成された日本生まれのブドウ。「安芸津21号」と「白南」を掛け合わせているのが特徴です。
安芸津21号は「スチューベン」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を掛け合わせた品種なので、マスカットオブアレキサンドリアはシャインマスカットの祖父母にあたります。
今を時めくシャインマスカットにもマスカットオブアレキサンドリアの血が流れていると思うと、ますます興味深く感じられますよね。
マスカットオブアレキサンドリアの産地
日本国内において、マスカットオブアレキサンドリアの多くは岡山県で生産されています。山梨県・山形県などでも少量生産されていますが、全国的にみると岡山県産以外はほとんど市場に流通しているところは見かけません。
マスカットオブアレキサンドリアは湿気に弱く、日本の気候に栽培条件が適していない果実です。そのため国内では温室栽培の技術を用いて生産されていますが、設備投資や栽培難易度の問題で手がける農家は少ない品種とされています。
マスカットオブアレキサンドリアの旬
産地によっても旬の時期は異なりますが、マスカットオブアレキサンドリアは主要な生産地である岡山県で6月から9月にかけて出回ります。
基本的にはシャインマスカットと旬の時期が被っていますが、産地が少ない分だけ出回る時期は限定されているのが特徴。希少性が高いため、食べたい方は旬の時期を見計らって購入を計画する必要があると言えるでしょう。
マスカットオブアレキサンドリアの値段
マスカットオブアレキサンドリアはその希少性から、ブドウのなかでもシャインマスカット以上に高価な品種として知られています。
インターネットで購入できる商品に関して見てみても、1房最低でも4,000円前後からの値付けが一般的です。高級百貨店などで購入する場合は5,000円を超えて10,000円前後で取引されることも少なくありません。
一般的な青果店に出回ることも少ないので、試しに食べてみたい方やちょっとした贈答用で用意したい方は楽天市場などを通してふるさと納税や送料無料の商品を探すのがおすすめです。
マスカットオブアレキサンドリアの味わい
マスカットオブアレキサンドリアの味わいの特徴は甘さと酸味のバランス、さらに他の白ブドウにはない芳醇な香りにあります。特に香水などでも使われる高貴な香り・ムスク(麝香)に似たアロマを持つことが最大の特徴だといえるでしょう。
シャインマスカットと比べると甘さは控えめで爽やかな味わいですが、繊細な味わいと芳醇な香りで食べ飽きすることのないブドウでもあります。種有りブドウならではの香り・甘さ・コクの豊かさも魅力です。
一般的に種なしブドウは種有りブドウに比べて、味わいが薄くなりがちといわれています。
一度マスカットオブアレキサンドリアの持つ奥行きのある味わいに魅了されると、他の皮ごと食べられる種なし系の白ブドウでは満足できなくなってしまう人もいるのではないでしょうか。
マスカットオブアレキサンドリアの食べ方
マスカットオブアレキサンドリアは種がある品種なので、食べる際は種を吐き出す必要があります。また、一般的には皮を剥いて食べる品種として認識されているため、皮が気になる方は剝いてから食べるのがおすすめです。
鮮度の良い個体であれば、皮ごと食べてもそこまで気になりません。皮の周りにおいしい部分が詰まっているので、新鮮なマスカットオブアレキサンドリアはぜひ皮ごと頬張ってみてください。
食べる前には軽く冷蔵庫やワインセラーで冷やし、食べる直前に食べる分だけ房から粒を取って流水で注いでから楽しみましょう。
新鮮なはずなのに表面に白い粉が吹いている場合がありますが、これはブルームと呼ばれる栄養成分の結晶です。しっかりと育った個体である証拠でもあるので、ぜひ気にせずに食べてみてください。
逆に鮮度の悪い物で白いモノが表面に付着している場合は、白カビの可能性があります。マスカットオブアレキサンドリアに限らず、ブドウは鮮度が命なので購入したら早めに食べきるのがおすすめです。
マスカットオブアレキサンドリアとワインの関係
マスカットオブアレキサンドリアは、世界中で白ワイン用の品種としても知られています。
たとえばイタリアでは「モスカート・ディ・アレッサンドリア」と呼ばれ、辛口から甘口まで多様なワインの原料として使用。マスカットオブアレキサンドリアを使ったワインは、華やかでフルーティーなアロマを持つワインに仕上がります。
日本国内でもマスカットオブアレキサンドリアを使用したワインが製造されており、例を挙げればサッポロが手掛ける「岡山マスカット・オブ・アレキサンドリア〈薫るブラン〉」は産地や収穫時期にこだわった岡山県産マスカットオブアレキサンドリアを使用した上品な甘さを持った白ワインです。
マスカットオブアレキサンドリアを使ったワインが気になる方や、フルーティーで甘口のワインが好きな方はぜひチェックしてみてください。
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旬の時期にマスカットオブアレキサンドリアを食べてみよう!
果物の女王とも呼ばれる「マスカットオブアレキサンドリア」。種なしで皮ごと食べられる品種が多く出回るブドウ市場において、マスカットオブアレキサンドリアにしかない芳醇な香りと濃厚な味わいがあることを忘れては入れません。
手軽に食べられる分かりやすい味わいが好まれる昨今ですが、紀元前から親しまれてきたマスカットオブアレキサンドリアには近年の主流の品種にはない魅力があるといえるでしょう。
希少性が高く出回る時期も短いブドウですが、ブドウ好きの方や贈答用に質のよい果物を探している方はぜひマスカットオブアレキサンドリアをチェックしてみてください。