箱根といえば数多ある観光名所からルートを考えるのも楽しみの一つですが、もし行く場所に悩んでいるのであればぜひ候補に入れて欲しいのがラリック美術館。
ガラスアートに興味のある人はもちろん、あまり興味がない人でも行ってみると十分に楽しめる魅力で溢れています。今回はラリック美術館の基本情報と共に魅力をお伝えして参りましょう。
ルネ・ラリックの作品を展示する箱根ラリック美術館
そもそもラリック美術館とはなんなのか?箱根の観光名所としても比較的上位に挙がってくる場所ですが、ラリックとはなにかを知らないとなかなか興味は持てないでしょう。
ラリック美術館は、フランスを代表するジュエリー/ガラスアーティストであるルネ・ラリックの作品をテーマにした美術館です。ラリックはアール・ヌーヴォーとアール・デコ*1の過渡期に活躍した作家で、作風の変遷はあるものの、生涯通して芸術性の高い宝飾品やガラス製品を作り続けました。
>>参考「ラリックの世界」
同美術館では約1500点の作品を収蔵しており、200点を越える作品を常設展示しています。ラリックは宝飾デザイナー期、ガラス作品作家期、建築装飾デザイナー期と、大きく分けて3つの分野に携わっており、その全てを一度に見られるのはラリック美術館だけだといえるでしょう。
香水瓶のデザイナーとしても知られるラリック。同美術館にもさまざまな香水瓶が展示されていて女性も楽しめる内容となっているラリック好きの筆者が実際に箱根ラリック美術館を訪れてみた
ラリック好きでありながらラリック美術館には訪れていなかったのですが、先日満を持して遊びに行ってきました。
結論からいえば「非常によかった」。この一言に尽きます。ラリックラバーとしてはわざわざここに来るために箱根に訪れる価値があると感じるくらいに魅力的な内容でしたね。ガラス製品や宝飾品、建築に興味のある人にはかなりおすすめです。
まず本美術館の特徴として、先ほども挙げたようにラリック生涯通しての仕事を網羅して楽しむことができる。これが非常に魅力的です。もともとラリックのグラスについては好きでいろいろと調べていたのですが、初期の宝飾デザイナーや晩年の建築装飾家としての仕事についてはなかなか目にする機会もありませんでした。
それをまとめて展示していて見ることができるので、ラリックに興味のある人にはたまらない内容です。
また、改めてラリックそのものの芸術性の高さを認識することもできました。ラリックのデザインは非常に神秘的で繊細、それでいて非常に緻密な仕事が施されています。グラスを通してそれを感じてはいたのですが、ランプや香水瓶、その他のガラス作品や建築装飾を通して改めて素晴らしいアーティストだったんだな、と感じたわけです。
ラリックに興味がない人でも、まずロケーションを存分に活かしたミュージアムの造りそのものも最高ですし、カフェやミュージアムショップも併設されていて十分に楽しめる内容となっていますので、箱根にお出かけの際にはぜひ行ってみたい場所のひとつですね。
グラス好きの筆者的にはラリックといえばグラス。芸術性を追求したラリックのグラスは実用性を多少犠牲にしてでも美しさを持たせる造りが特徴箱根ラリック美術館の基本情報
施設情報
【開館時間】午前9時~午後5時(美術館入館は4時30分まで)
【営業日】年中無休(展示替のため臨時休館あり)
【駐車場】無料駐車場二カ所あり
【住所】神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186番1
【TEL】0460-84-2255
【料金体系】大人 1500円/大学生・高校生・シニア(65歳以上)1300円/小中学生 800円/障害者手帳ご持参の方とお付添いの方 750円
箱根ラリック美術館の施設
箱根ラリック美術館内には大きく分けて4つの施設が存在しています。
メインとなるのはラリックの作品を数多く展示するミュージアム。ちょっとしたお土産を買うのに適したお土産屋さん(ショップ)。「自然の恵み」をテーマにしたレストラン。
そして地味に第二の目玉ともいえるのが、あのオリエント急行の車両を改装して使用している時間制のカフェ。ラリックが装飾を手掛けた室内は豪奢で非日常的な空間に・・・。ここで楽しむお茶は最高でしょうね。
箱根ラリック美術館へのアクセス
車で行く場合はカーナビにでも案内してもらえばいいのでしょうが、公共交通機関を使うとなると事前調べが重要ですね。箱根は観光名所ですからバスの路線が非常に豊富。それ故にしっかりと路線チェックして計画を立てていったほうが良いでしょう。
ラリック美術館へは箱根湯本駅から箱根登山バス「湖尻・桃源台」行きにておよそ30分「仙石案内所前」下車して徒歩数分のところにあります(徒歩すぐと表記されているケースが多いのですが、すぐというほどすぐではないです。もちろん徒歩圏内ですが目の前とは言えない気がしますね)。小田急箱根高速バスで新宿から乗ると仙石案内所前まで直接行けるルートもあるようです。
箱根ラリック美術館の周辺施設は?
箱根に行ったら何カ所かスポットをめぐりたいものでしょう。気になるラリック美術館周辺の施設ですが、ギリギリ徒歩圏内(といっても結構歩きますが)に星の王子様ミュージアム、箱根ガラスの森美術館、箱根湿生花園といった施設があります。もちろんバスの便も良いので、バスを利用するのもアリでしょう。
まとめ
箱根ラリック美術館でますますラリックへの興味が高まった筆者・・・あれから何脚かラリックのグラスを購入してしまいました。ラリックの商品は観賞用としてもいいですし、じっさいに使用しても特別感を出せるので大切な日に使用するのもいい感じですね。
みなさんも機会があればぜひラリック美術館に足を向けてラリックの魅力を堪能してみてください。
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*1:20世紀前後の装飾様式の特徴的な時期。さまざまなデザインに影響を及ぼした当時の流行のようなもの。