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知っておきたい有名なフランス伝統菓子の種類と名前一覧

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フランス系のお菓子屋(パティスリー)に行くと、そこに並ぶお菓子の数々に目移りしてしまうもの・・・。


しかし、名前が小難しくてなかなか覚えられない・・・名前から味の特徴が分からない・・・別の場所で美味しかったお菓子を別のお店でも食べてみたい・・・そんな風に思ったことは無いでしょうか?特に焼き菓子類は日本では生菓子ほど一般的ではないため、名前と特徴が一致していないものも多いのでは?


そこで、今回は代表的なフランスの焼き菓子の名前を特徴と共に一覧にしてみました。必要に応じて随時更新して行きますので参考にしてみてくださいね。


※あいうえお順

ガトー・バスク


その名の通りバスク地方の菓子。クッキー生地にチェリーやカスタードなどを挟んで焼き上げて作られる。バスク地方の名産であるスリーズ・ノワールというサクランボを使うのが本流で、旬の時期でない時はジャムなどで代用して作られる。


カヌレ


蜜蝋をいれた専用のカヌレ型にラム酒、バター、砂糖、薄力粉、全卵、卵黄、バニラなどで作った生地を入れてオーブンで焼き上げる。ワインで有名なボルドー発祥の焼き菓子で、その昔ワインの澱を除くために使われていた大量の卵白に対して、余ってしまった卵黄を有効利用するために生まれた菓子。


ガレット・デ・ロワ

1月6日の公現祭(こうげんさい)に食べられるフランス菓子。フランスの一年の始まりを祝う国民的なお菓子でもある。ガレットにアーモンドリームが入ったものが一般的だが、中にはブリオッシュ生地にドライフルーツなどをあしらったものもあり、地域によっても差がある。


ホールケーキ型で供される事が多く、家族や親せきで切り分けて食べる。その中に「フェーブ」と呼ばれる小さな陶器が隠されていて、これをあてた人はその日一日王様として祝福される、という楽しみ方をする。


ガレットブルトンヌ

ガレットは平たくて丸いお菓子の総称。ブルトンヌはブルターニュ風の意。ブルターニュに伝わる伝統菓子で、ベースは厚みのあるサブレだが、ブルターニュの特産であるゲランド塩を使用し、塩気を活かしているのが特徴。


似たようなタイプで産地の違うものにガレット・ナンテ(ナンテ地方の菓子。素朴な味わいが特徴)、ガレット・ペルージェンヌ(ペールジュの菓子。中がかんわりしていてレモンピールをアクセントにあしらう)などもある。


クイニーアマン


日本ではどちらかというと菓子パンとして愛されているクイニーアマン。フランスはブルターニュのお菓子で、アマンはバターの意。その名の通りバターをふんだんに用いて作られる芳醇な風味が特徴。


キャラメリゼされた砂糖がパリっとした食感を生み、その分かりやすい味わいからもファンが多い。


クグロフ

もともとはドイツやオーストリアの菓子。フランスではドイツ文化を色濃く持っているアルザスで食べられる。


クグロフの起源は諸説あるが、いずれにしろ交友の証として用いられたいう説が濃厚で、今でもおもてなしのお菓子として利用されている。


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赤坂リベルターブルのクグロフ


作られる地域や作り手によってレシピが異なり、お菓子寄りのものとパン寄りのものがあり自由度が高い。


ケークオーフリュイ


フリュイはフランス語でフルーツ。そのままフルーツケーキを意味する。パティスリーでは一般的にパウンドケーキにドライフルーツやコンポートしたフルーツなどをあしらったものがケークオーフリュイとして販売されている(生フルーツやクリームを使用していないタイプが多く、割と日持ちもする)。


スライスしたミニサイズとホールサイズで展開していることも多く、パティスリーのケーク系焼き菓子の代表格とも言えるだろう。

サブレ


フランス版のクッキーの一種。一般的にビスキュイ(ビスケット)と比べて小麦粉に対するバターの使用量が多く、ビスケットよりもふんわりかつバターの風味が強い仕上がりになっていることが多い。


サブレとは「砂で覆われている」という意味を持つフランス語で、食感が砂が崩れるような繊細さを持っていることから名付けられたと言われている。

サバラン(ババ)

美食家として名高いブリヤサバランにちなんで名づけられたお菓子。もともとは歯を痛めていた貴族が前述のクグロフに酒を浸してやわらかくして食べたことからババというお菓子が生まれ、このババがオーギュスト・ジュリアンという菓子職人の手によって改良されてサバランになったと言われている。


現在ではババとサバランは同一のお菓子として捉えられることも多いが、ザハランは円形の記事にクリームやカスタードをあしらうのが基本となっていて、ババはレーズンの入ったコルク型の生地をベースに作られていることが多い。

ダックワーズ


卵白とアーモンドパウダーを使って作られる焼き菓子。実は今知られているダックワーズは日本生まれ。もともとはフランスでホールケーキの土台として使用されていたが、三嶋隆夫という日本人パティシエがダックワーズを日本の"最中"のような形で表現できないかと考案したのが小判型ダックワーズである。原料や製法的にはマカロンに近い。


タルト・タタン

型にキャラメリゼしたリンゴを敷き詰め、そのうえに生地を流し込んで焼き上げた物を逆さにして食べられる林檎の焼き菓子。その昔、タタン姉妹というホテル経営者が考案したことからタタンという名が付けられた。


キャラメリゼされたリンゴの風味がたまらないお菓子として今ではフランスの代表的な焼き菓子のひとつに数えられている。


パン・デピス

スパイスとハチミツをふんだんに用いて作られる菓子。クッキータイプやケーキタイプ、小麦主流のものライ麦を使用するモノなど、地域によってバリエーションが存在する。


フランスではアルザスとディジョンのものが有名。


ビスキュイ

フランス版のビスケット。小麦粉とバターを用いて作られる焼き菓子。後述するサブレと比べて使用する小麦粉の量が多い傾向にあり、食感もそれともなってしっかりとしたものとなる。



フィナンシェ

バター・アーモンドパウダー・小麦粉・卵白から作られる代表的な焼き菓子。後述するマドレーヌと似て非なる物で、アーモンドパウダーと焦がしバターの香ばしい香りにふんわりとした食感が紅茶やコーヒーと抜群に合う。


フィナンシエとはフランス語で「金融家」・「金持ち」を意味する。フィナンシェの代表的な型(フィナンシェ型)が文字通り金塊に似ていることからその名が付いた。


プチフール・セック


プチフールは小振りの菓子類の詰め合わせや盛り合わせを意味する言葉。セックはこの場合"乾いている"という意味を持ち、つまり焼き菓子の詰め合わせや盛り合わせを意味する。


多くのパティスリーではここで紹介してきたような単体の焼き菓子を販売すると同時に、プチフール・セックといった形の詰め合わせを用意している。


フロランタン

"フィレンツェの"という意味を持つ菓子で、ドイツではフロレンティーナという名で親しまれている。クッキーの生地にキャラメリゼしたアーモンドスライスなどを乗せて焼いて作るナッツ系のお菓子。


フランスでも有名だがドイツやオーストリアでの人気が非常に高いお菓子でもある。

マカロン

カラフルで可愛らしい外見から見た目重視のお菓子と軽視する人もいるが、実は美味しく作るのが難しいパティシエの腕が出る菓子のひとつとも言われる。


固く泡立てたメレンゲに砂糖、アーモンドプードルを焼き上げたものにジャムやクリームを挟んだものが一般的だが、これはパリのマカロン
呼ばれ、正式にはマカロン・ムーと言う。マカロン・ムーは"ラデュレ"というパティスリー考案の比較的新しい菓子で、日本でもラデュレのマカロンは非常に人気が高い。


焼き菓子としては日持ちが極端に短い。


マドレーヌ

フィナンシェとよく似た形状や味わいながら①全卵を使う②焦がしバターではなく溶かしバターを使うという2点において違いがある。特に全卵か卵白かという違いは食感に違いを与えていて、マドレーヌはフィナンシェよりも基本的にしっかりとした食感になる。基本的にはパウンドケーキと同じ。


ホタテの貝殻を模った特徴的な型で作られることが一般的。初めて作った女性・マドレーヌの名を冠してその名が付いたと言われている。


まとめ

フランスにはさまざまな伝統菓子が存在します。日本人にとっては馴染の少ないものも多いですが、本場で修業したパティシエなどによってフランスに負けず劣らずのフランス菓子を提供するパティスリーは日本にもかなり多くなってきました。


そうしたパティシェ達は、華やかなケーキ類をスペシャリテとして提供する一方で、本場で学んだ地味めな伝統菓子もしっかりと作っている印象。生菓子よりも日持ちもしますし、贈り物などにも使いやすいので、焼き菓子についても知っておくと損はないですね。


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www.oishikerya.com
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