ウイスキーの飲み方、オーダーの仕方は人それぞれいろいろとあると思いますが、ある程度ウイスキーを飲みなれてくると選択肢に入ってくるのが「ハーフショット(ハーフ)」という注文の仕方です。
ハーフショットについてはさまざまな意見が囁かれています。筆者も飲み方をたまにハーフショットを頼みますが、場面によっては選択しないようにもしています。今回はハーフショットとはどんな飲み方なのか、飲み手がハーフで注文する時に気を付けたいことは何かを考えてみましょう。
ウイスキーのハーフショット(ハーフ)とはどんな飲み方?
ウイスキーをお店で飲むときに、ストレート、ロック、水割り、ソーダ割りといった飲み方の指定をするのが一般的です。しかしそれ以外にもワンショット、シングル、ダブル、そしてハーフショットというような注いでもらう量を指定することがあります。
ワンショットの基準やシングル、ダブルの意味については上記の記事を参考にしてもらうことにしまして、今回ピックアップしたいハーフショット(ハーフ)というのはその名の通りワンショットの半分の量を意味します。
最近ではワンショットは30mlが基準になっています(たまに45mlのお店もあります)。そうなるとハーフショットは15ml(22.5ml)ということになります。
ウイスキーは決して度数の低いお酒ではないので、何種類か楽したい場合はハーフショットを選択するというのも選択肢のひとつです。また、一杯当たりの価格が高いウイスキーをハーフショットでお願いするという方法もあります。*1
ウイスキーの ハーフショットの値段はどうなる?
ハーフショットでお願いすると値段はどうなるのでしょうか?
一般的なお店であればワンショットを基準に値段設定をしているため、ハーフショットになるとワンショットの半分の値段から+50~100円くらいを割り増しでとることが多いのではないでしょうか?もちろん値段設定次第では半分キッチリの値付けのところも少なくないでしょう。
お店の一杯に対する最低価格が決まっていればものによっては割高になってしまうこともあるかもしれません。たとえば一杯最低でも700円と決めているお店であれば、1000円のウイスキーをハーフで頼んでも700円になってしまう可能性はあるでしょう。
ウイスキーのハーフショットは賛否両論?
ウイスキーのハーフショットを頼むときはお店への配慮を忘れない
さて、ウイスキーのハーフショットはいろいろなウイスキーを試す非常に便利な飲み方/オーダーの仕方のように思います。しかしハーフショットというのはあくまでお店の善意でのサービスであることを忘れてはいけないと思うのです。
そもそもお酒一杯の値段や量はお店ごとにコンセプトや仕入れ価格、その他経営維持にかかる経費などを考えて決定されているハズです。そのための基準としてのワンショットでありワンショットの値段設定になっているわけです。
そう考えれば、ハーフショットはある意味ではお店が想定している売上や利益のベースを崩してしまうものであり、本来であれば応える必要のないオーダーであるとも考えられます。
それでもハーフショットで提供してくれるのは、いろいろなウイスキーを試してもらいたい、高くてもおいしいウイスキーの魅力を感じてもらいたいといったような想いがあるからでしょう。
ですからその好意に応えるためにも、ハーフショットを頼むときは馴染みでハーフショットを了承してくれる店か、あまり馴染でない場合は事前に「3杯ほど飲みたいのでハーフでもいいですか?」とある程度杯数を重ねる旨を伝えるなど最低限の配慮をしてみると印象は悪くならないはずです。
お店側からして本心でどう思われているかは分かりませんが、やはりハーフショットというあくまでもイレギュラーな注文をする以上はこちらもそれ相応の配慮を持って頼むようにするべきだと思うのです。
ハーフショットに向いたウイスキーとそうでないものがある
お店によってはウイスキーによってハーフショットを行うかどうか決めているところもあります。
ウイスキーとひとくちにいってもその味わいやポテンシャルはさまざま。なかにはグラスに注いでからドンドン趣きを変えていくものもありますし、なるべく早く飲み干した方がおいしく楽しめるものもあります。
「時間をかけて飲んだ方がいいウイスキーについてはハーフショットでの提供を断る」というようなお店もあります。せっかくのウイスキーの魅力を最大に引き出せる飲み方の提案というワケです。
こういうシチュエーションでは素直にお店の方に従うのが一番です。たしかにハーフショットの量では本当に良いウイスキーの本領を感じることが出来ないことがよくありますからね。
ウイスキーのハーフショットはお店の人と相談して頼もう
人によっては「所詮酒なんだからそこまで本気じゃないし・・・」と思うかもしれませんが、その辺りのスタンスはお客さんもお店の人もそれぞれ異なります。
郷に入っては郷に従う。飲食店ではやはりお店の方のポリシーを尊重したほうが楽しく時間を過ごせる思います。どうしても合わないと思えば早めに退店してもうこなければいいだけですからね。
ウイスキー以外でもハーフショットは使える?
ハーフショットはウイスキーに限らず他のハードリカーにも使える飲み方でもあります。
ハードリカーとは蒸留酒のことで、ウイスキー以外にもブランデー、ラムなどがその代表。最近だとジンなども個性的なものが増えてきているのでハーフで飲み比べしてみると面白いかもしれません。
ただし先ほども述べたように、どのお酒にしろハーフショットでも注文できるか、まずは聞いてみることを忘れないようにしましょう。
まとめ
ハーフショットはいろいろなお酒を楽しむという意味では非常に便利な飲み方です。いっぽうでお店の立場からすれば必ずしも歓迎できる飲み方ではないともいえるでしょう。少なくとも珍しいお酒をハーフで一杯だけ・・・という飲み方はあまり綺麗な飲み方とは言えなさそうですね。
私たちお客さんからすれば、なるべく安価にかつなるべくたくさんの種類のお酒を飲んでみたいですし、お店側からすればなるべくたくさんのお酒を(量も種類も)最大限楽しめる形で飲んでほしいという想いがあるはずです。
こうした想いが交錯する中で、あくまでも「ハーフショットという飲み方もあるんだ」というくらいの気持ちで、シチュエーションに応じてバーテンダーさんと相談して利用することができるようになれば、より一層バーでのウイスキーライフを楽しめるかもしれませんね。
*1:ウイスキーの一杯当たりの価格は天井知らずで、最近だと1000~2000円くらいはデフォ。3000~5000円くらいのものも平気で存在しますし、ものによっては1万円を越えてくるものもたくさんあります。