「サラミとハムってなにがどう違うの?」
「サラミとは?ソーセージとは?ハムとは?」
そんなことを疑問に思ったことはありませんか?
今回はサラミ・ハム・ソーセージとはそもそもどんなものかを理解していくことで、それぞれの違いについても理解を深めていきましょう。
- ソーセージ・ハム・サラミとは?それぞれの製法と違い
- 古い歴史を持つ加工肉・ソーセージとは?
- ソーセージを乾燥させたサラミとは?
- 肉塊のまま加工されるハムとは?
- ソーセージ・ハム・サラミの違いを認識する
ソーセージ・ハム・サラミとは?それぞれの製法と違い
まずは下の図をご覧ください。ソーセージ・ハム・サラミの違いを図式化してみました。
じつはソーセージ・ハム・サラミの中でまずハムだけが仲間外れです。
スライスして食べるということ、その見た目が似ていることで騙されがちですが、サラミは言ってしまえばソーセージの親戚で、ハムは全く別の製法で作られます。
ではこの三つの加工肉の具体的な製法についてもっと詳しく見ていきましょう。
古い歴史を持つ加工肉・ソーセージとは?
ソーセージの歴史はハムよりも古いとされていて、おそらく加工肉の中でもかなり古い歴史を持つものであろうと考えられています。
多種多様のソーセージ
ソーセージとは簡単にいうと挽肉に塩や香辛料を揉みこんで腸やコラーゲンなどから作られるケーシングに詰めたもの(腸詰)です。
煮たり燻製処理をすることである程度の期間において保存を可能とした保存食でもあります。
世界各国のソーセージ
ソーセージは中に詰められる肉の粗さや脂肪との比率、血液量、保存のための処理方法によって多種類が存在しています。
日本ではウインナー、フランクフルト、ボロニアソーセージが一般的に見かけるソーセージの種類ですが、これはそれぞれ発祥の国を示す名称です。
日本農林規格によって太さの指定と腸詰する際に使われる腸がそれぞれ羊、豚、牛の腸を使うと定められています。
これ以外にもその種類は世界各国に多様に存在しており、スコットランドのハギス、スペインのチョリソー、ドイツのヴァイスヴルスト辺りは聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
ソーセージを乾燥させたサラミとは?
ではソーセージの親戚であるサラミはどのように作られるのでしょうか。
サラミとはすなわちソーセージを乾燥させたものです。
いわゆるドライソーセージと呼ばれる加工肉の分野であり、日本ではお酒のおつまみとしても有名なカルパスもドライソーセージの仲間。
ちなみにカルパスはロシア、サラミはイタリア由来の加工肉です。
一度はこんなでかいサラミに被りついてみたい。サラミの代表ミラノサラミ。
製法としては挽肉に塩や各種スパイス、脂肪、酒などを加えて腸詰したものを一定の環境下で2~3か月ほど熟成・乾燥させたもので、スパイスなどによってサラミにもさまざまなタイプが存在します。
ミラノサラミとナポリサラミの違い
ミラノサラミやナポリサラミなど、イタリア国内においてもサラミは土地ごとに特色があるのが特徴。
ミラノサラミとは細かく挽いた豚肉に脂肪が霜降りになったもの。細かく赤身部分と脂部分が詰まっています。
一方のナポリサラミとは粗挽きを用いて作るのが一般的で、赤身と脂身が点在していて食べた時の味のコントラストをより強く感じられます。
クセもナポリサラミの方が強い傾向にあるとされていますが、この辺りはメーカーにもよるので一概には言えないでしょうね。
同じメーカーでミラノサラミとナポリサラミを食べ比べて違いを感じてみるのも楽しそうですね。
サラミとカルパスの違い
さきほどサラミとカルパスは発祥国が異なるという話をしましたが、それ以外にも違いはあるのでしょうか?
基本的にはドライソーセージの仲間としてほぼ同様の製法で作られるサラミとカルパスですが、厳密にはサラミは豚と牛の肉で、カルパスは豚と牛に加えて鶏肉を用いることもあるとのことで、微妙な違いは認められるようです。
このような発祥国による微妙な製法の違いが異なる食品というのは世界中に様々存在しており、特にヨーロッパ圏のように食文化が似たり寄ったりの大陸の地域には特に多い気がしますね。
例えばチーズやお酒とかも似たようなものなのに国ごとに細かい製法が定められていたり・・・。
カルパス美味しいですよね。やめられないとまらない。
これが食品の面白さでもありますが、一般消費する上ではサラミとカルパスはほぼ同じものとも言えるかも。しいて言えば、特に日本においては売り出し方の問題もあってか、カルパスはおつまみ用で安価、サラミは食事用で少し高めのイメージが強い気はしますかね(カルパス十分高いけどね)。
ハンガリーサラミとは
サラミ発祥の国イタリアと同じくヨーロッパ圏でサラミの文化を独自に高めたのがハンガリーです。
ハンガリーのサラミはイタリアと並び称されるクオリティとバリエーションでサラミファンから根強い支持を受けています。イタリアのものよりマニアックな感じがするのも食通にはウケるのかもしれません。
サラミ好きなら一度は食べたいマンガリッツァのサラミ
手作業で独自のスパイス使い、ウィンターサラミ・マンガリッツァサラミを代表とする長期熟成サラミなどハンガリーサラミは独特の香味と熟成感を持つのが特徴で、その点では好みも別れる味わい。
筆者もマンガリッツァは以前食べたことがありますが、いわゆる通好みの味わいだと思います。*1
その他の国のサラミ
サラミ(salami・英語)という言葉はイタリア語のsale(塩)を語源としていて、イタリア語ではサラメ(salame)と呼ばれています。
世界的にもサラミ・サラメという言葉が根付いているため、イタリア語圏・英語圏以外でも各国独自の乾燥ソーセージをサラミやサラメと称しているものも少なくありません。
そのいっぽうでフランスのソシソンセック*2のように、その国の言葉でサラミを言い表す言葉が存在する場合もあります。
ソシソンセックは一般的にサラミよりも脂身が少なく赤身が多いといわれています。
日本ではなかなか手に入りませんが、各国独自のサラミ文化に注目してみるのも楽しいですね。
肉塊のまま加工されるハムとは?
ソーセージ・サラミときて、ハムはどのような点で他の二つの加工肉と異なるのでしょうか。
察しの良い方はもう気づかれているかもしれませんが、ハムは挽肉ではなく塊の肉のまま加工されるというのが最大の違いです。
ハムは塊のままの肉を塩漬けにすることで、肉内部の水分を取り出し、塩を内部に浸透させて腐敗を防ぐことで保存食として加工されます。
原料も本格的な物はとくに豚(まれにイノシシ?)のもも肉がほとんどで、安いものではもも肉以外の部位や他の肉を組み合わせて使われる例もあるようです。
塩漬けしたハムは熟成され、その後に加熱や燻製処理をして保存性を高めます。生ハムはその名の通り、この時点で加熱をしないハムの総称です。
ハムの発祥についてはハッキリしないところも多いのですが、もともと古来の加工肉はソーセージやハム、サラミなどの製法をごちゃまぜにしたものであったようです。どこかのタイミングで製法によって明確な差別化が行われるようになったということでしょう。
ベーコンとの違い
ハムと混同しがちな加工肉言えばベーコンです。
ハムとベーコンの違いはどこにあるのでしょうか?
大きな違いは二つ。使っている部位と処理の仕方です。
ベーコンはブロックで買うのがオススメ。スライスされたペラペラのベコーンではベーコンの本来の味わいは味わえない。
ハムは原則豚肉のもも肉を使うのに対して、ベーコンはバラ肉を使用します。またハムは塩漬けの豚肉を燻製(場合によってはしないこともある)してからさらに過熱処理を行いますが、ベーコンは燻製した時点で完成します。
ハムは燻製した場合でも、その後さらに加熱処理されることで燻製香はそこまで強くありませんが、燻製した状態で出荷されているベコーンは封を開けてみると燻製の香りがしっかりとしているのが分かると思います。
当然部位の違いから食感にも差がありますね。
ハムの種類色々・・・
ハムの種類につても細かく分類していくとキリはありません。
ハムは特にイタリアのものに関してはDOPという国の定めた制度に則ってかなり細かく製法を規定しているものも少なくありません。
さらにハムともベーコンともつかないような際どい種類のものもハムと称して販売される事があります。
例えばクラテッロ、パンチェッタ、グアンチャーレはそれぞれ微妙に製法が異なるものの、それぞれ臀部の肉、バラ肉、頬肉を使用している点にあります。
カルボナーラに使う肉はパンチェッタかグアンチャーレか論争とかありますね。
ソーセージ・ハム・サラミの違いを認識する
ソーセージ・ハム・サラミにはそれぞれ違いがあることが分かりました。
改めておさらいしてみましょう。
ぜひ酒の席、食事の席での小話にご利用ください。
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