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【目からウロコ】本物の牛乳と低脂肪牛乳や加工乳を一目で区別する"切欠き"

スーパーの乳製品売り場に行くと紙パックに入った乳飲料だけで非常に多くの種類が販売されていて、それぞれどんな違いがあるの?と疑問に感じたことのある人も少なくないのではないでしょうか。


中には生乳100%の牛乳にこだわる方も少なくないと思いますが、実は裏面など確認せずとも一発で生乳100%の牛乳か、なんらかの調整や加工が成されている牛乳かを判断できるって知ってましたか?

牛乳と低脂肪牛乳や加工乳を区別する切欠き

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それがコチラの"切欠き"という目印。
実はこの切欠きと呼ばれる切れ目がついているものが生乳100%で出来ている正真正銘の牛乳であることを示していたんです。
さらに、この切欠きが付いている方と逆の口が開け口であるという目印にもなっているんです。


ふだん何気なく牛乳を買っている人にとってはあまり意識したことのない部分で、気づいていてもなんのためについているのかは知らなかった方も多いと思います。


まさかこの切れ込みが"牛乳""手の加えられ牛乳的ななにか"を区別するためのものであったとは驚きですよね。

目が不自由な方が牛乳と低脂肪牛乳や加工乳を区別できるように

この"切欠き"、実は一般的に牛乳とそうでないものを区別しやすいから付いているというワケではないのです。


もともとはバリアフリーの実現の一環として、目の不自由な方が触って生乳100%の製品かどうかを判断するためにつけられていたんですね。



切欠きはJIS規格によって以下のように定義されています。

1.対象商品
種類別「牛乳」のみとする。

2.識別方法
扇状の「切欠き」を1個とする。

3.識別規格・位置
「切欠き」の半径Rは2.5mm又は6.5mmとし、開口部の反対側とする。

4.対象容器
500ml以上の家庭用紙パック(屋根型容器)とする。

一般社団法人 Jミルク「牛乳パックの切欠き」

なお、この切欠きシステムはメーカー側の任意で採用を決めることが出来るため、切欠きがついていれば"生乳100%の牛乳"と言えるが、ついていないからと言って必ずしも"生乳100%ではない"とは言い切れないという点には注意が必要です。

目の不自由な方に牛乳とそれ以外の飲料の区別が付かない

農林水産省が平成5年ころに実施されたアンケートによって、紙パック飲料における牛乳とそれ以外の製品の区別が目が不自由な人には出来ない、という指摘が多数あったそうです。


これを受けて多方面での協議を経た結果、2001年から切欠きのシステムが導入されたというワケなんですね。


切欠きはバリアフリー社会実現の一環として生まれたものだったんです。

牛乳と低脂肪牛乳や加工乳の違い

ではそもそも切欠きのついているような牛乳とそれ以外の商品の違いとはなんなのでしょうか?

牛乳

牛乳とは生乳100%を加熱処理して販売されている乳製品で、今回の切欠きを使用する事が許されている商品です。衛生管理のために加熱するという事以外は絞り出した牛の乳そのもので、乳脂肪3%以上で無脂乳固形分8%以上という成分の定義が存在します。


また、乳脂肪分8.8%以上で無脂乳固形分3.3%以上の規格を満たす牛乳は特別牛乳と呼ばれ、許可を受けた施設でのみ作ることが出来ます。

なぜか賞味期限の長い生乳100%の牛乳。未開封な常温保存も可能で味も良いので最近我が家ではもっぱらコレ。切欠きついてませんけどね笑

成分調整牛乳

ややこいしのが成分調整牛乳で、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳がこれに当たります。切欠きは付けてはいけません。


要はその名の通り採取した牛の乳から乳脂肪などを人工的に取り除いた牛乳のことです。取り除いた乳脂はバターなどの加工製品に使用し利益に還元できるため、低脂肪牛乳は通常の牛乳よりひと手間かけている割に値段が安くなる傾向にあります


また、脂肪分は味の濃さ、コクと関係するため、低脂肪乳は一般的に普通の牛乳よりサラリとした味になります。

加工乳

加工乳は採取した牛の乳に水および乳製品を添加したものです。


成分調整牛乳が牛の乳から脂肪分を人工的に"取り除いたもの"であるとすると、加工乳は人工的に"水分や乳脂肪を加えて"味を薄くしたり濃くしたりして作られます。"特濃"表示の牛乳などは乳脂肪を加えて乳脂肪分を高めているものなんですね。

スーパーでよく見かけるメグミルクの特濃。乳製品、ホエーチーズ、ビタミンDを添加して無脂乳固形分:8.5%/乳脂肪分:4.3%にしている。

乳飲料

ついでに乳飲料というものにも少し触れておきましょう。


乳飲料は牛乳に水や乳由来の成分以外を加えて作られる飲み物です。コーヒー牛乳、イチゴ牛乳などがコレにあたります。もはや牛乳というよりはジュースに近いイメージの飲み物ですね。

まとめ

切欠きが目の不自由な方が成分無調整の純粋な牛乳とそれ以外の乳製品を区別するために付けられている、という豆知識は知っておいて損は無いでしょう。


目の不自由な方に限らず、裏面を確認せずとも一目で見て牛乳を判別できるのはとても便利。旦那さんとかに牛乳買いにいかせる時にも、わざわざパッケージ読ませる必要が無いので間違った買い物を防ぐことも出来ます。


もちろん、加工乳や成分調整牛乳にもそれぞれ良さがありますので、牛乳に求めるもの、味や栄養価、調理用などで分けて考えて購入するとより豊かなミルクライフを愉しむことが出来るでしょう。