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バーや居酒屋の席料やチャージとは?必要なシステムだと思うという話

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みなさんはバーや居酒屋の明細でチャージや席料といったものがお代に含まれていることを疑問に思ったことはありますか?なかには意味もわからずとられるこれらの代金に不満をもっている人もいるかもしれません。


そこで今回はこの席料やチャージといった料金はいったいどんな意味を持っていて、何に使われているのかについて考えてみましょう。


もちろんお店によっても考え方の違いはあるでしょうし、お客さん側も理解できる部分、できない部分はあるでしょう。本記事おける意見はあくまでバーや居酒屋をこよなく愛する筆者の立場としての意見でもあります。あしからず。

バーや居酒屋でかかるチャージや席料とは?

チャージ料や席料とは、飲食店(特に酒類をしっかり提供するタイプの店に多い)に入店してサービスを受けた時点で発生する代金のことです。これはオーダーした料理やドリンクに関わらず一律1人あたり○○円と決められています。


このシステムは日本独自のものとも言われ、外国の飲食店には基本的に存在しません*1。近年では海外からの観光客が日本の飲食店を利用してこのシステムにビックリするケースも増えているようです。


また、個人店などでも明朗会計がより厳格に好まれるようになってきた背景から、近年では席料なし、ノーチャージをうたう店舗も少しずつ増えてきているような気がします。


しかし、席料やチャージのかかる飲食店をよく利用する筆者としては、これらの代金に対してある程度は肯定的な意見を持っています。今後、席料やチャージが不要という考えが浸透すると、飲食店のレベルはどんどん下がっていってしまうおそれもあると思っているからです。


そこで、まずはどうしてチャージや席料が必要なのか、という点について考えてみましょう。

バーや居酒屋ではチャージや席料がなぜ必要?

お通し代≠チャージ、席料

チャージや席料にまつわる話でよくあるのが「これはお通し代だよ」という意見。たしかにバーや居酒屋では頼んでもいない"お通し"なるものが提供されることも多く、慣れていない人は「こんなの頼んでない!」と驚くことも少なくないでしょう。


これらのお店で提供されるお通しは、たしかにチャージや席料から原価を捻出しているケースも少なくないのでしょうが、実際にはこの考え方は逆だと筆者は考えています


それはどういう事かというと、チャージや席料を頂いたせめてものお返しとしてこれらの品物は提供されているという事です*2


そもそも、本当にこの代金がお通し代であれば、それこそ頼んでもいない商品のためにお金を無理やり払わせている事になりますし、それは問題です。しかし、実際にはこれらの代金はもっと別の意図をもってお客さんから頂いているのではないでしょうか。そして、それに対するせめても形あるお返しとして、お通しなどをサービスしていると考えると分かりやすいと思うのです。

じゃあチャージ、席料ってそもそもなんなのだろう?

では、いったいこの代金はなんなのでしょうか?いろいろな考え方があると思いますが、筆者が考える一番納得のいく答えは2つあります

店内設備を整える為の代金

ひとつめは『店を利用するすべての人が使う事になる"店"そのもののスペースを維持するため』の代金です。


前提として、みなさんは飲食店にいった時に食べ物や飲み物を注文しますよね。これらの代金は当然、お店側がその商品に対してかかる原価を計算して決定されています。ここからお店の利益が生まれてくるわけです。


しかし、少し考えてみてください。お店を運営するには料理やドリンクにかかる材料原価と人件費以外にも、家賃、食器代、おしぼり代、清掃代、照明、空調、トイレの水道代等の直接料理に関わらない光熱費、設備の補修費etc...およそ想像を絶するほどのコストがかかります。


特に居酒屋やバーは店内の設備や内装にオリジナリティを要求される部分も多いですし、酔っている人も多いのでトイレへ行く回数が多くてトイレットペーパーが異常に早く減るなんていう話も聞いたことがあります。


こうした代金をお客様に負担してもらうためのシステムが席料やチャージのひとつめの意味です。ちゃんとした飲食店としての空間を維持するうえで、全てのお客様に少しずつ負担してもらっているイメージですね。


そんなの品代に含めればいいじゃないかとも思いますが、特にお酒を提供するお店では一人当たりに注文する品数に驚くほどの差が出てきます。筆者も居酒屋の経験があるので分かりますが、これらのお店は客単価が全く計算できません。もし、商品にこれらの金額を上乗せすると、たくさん飲んでくれるお客さんが損をすることになります。だから、来店したすべての人から一律で金額を頂くというわけです。

客層を大まかにコントロールするため

ふたつめは『席料やチャージをとることによって客層をコントロールする』ために席料やチャージを設定するというものです。城アラキ原作の漫画バーテンダーにこんなセリフがあります。

ナッツの値段じゃないわよ アンタみたいな怪しい客を追っ払うため!*3


これはヒロインの行きつけのバーに、みすぼらしい格好のお客さんが来店しチャージに難癖をつけた時のセリフです。結果的にこのとき来店した客は主人公の接客によりバーを楽しむための術を身に着けていくワケですが、チャージそのものが一種のハードルを作り出し、この金額を支払う事が難しいと考えるお客さんを来店前に弾いているという考え方ですね。



見方を変えれば、この考え方は非常に身勝手な考えのように思えます。しかしお酒を飲むタイプの店はバーにしろ居酒屋にしろ、店によって値付けもさまざま、扱う品もピンキリで下町の千ベロから銀座の高級バーまでさまざまです。


席数も限られていて長居するお客さんも多いのでラーメン屋のように回転を期待する商売ではないため、極端な話をすれば興味本位だけで来た人、お店をちゃんと使ってくれない人、ロクに食べ飲みしない人で席を埋めることはできるだけ避けたいワケです。端的に言えばお客さん全てを平等に扱う事が難しい商売だと思うんですね。


もちろんドレスコードを設定するとか、騒がしいお客さんを断るとかいったことはお店ごとのコンセプトによっても異なりますし、席料の具体的な金額設定はお店のランクや土地によって差がありますが、最低でも席料でこれくらいは頂きますよという店側の一種のハッタリとして作用している面もあるのではないでしょうか?

さまざまな形態をとるチャージ

チャージや席料がややこしくなる要因に、変則的なチャージシステムが存在することも挙げられるでしょう。


たとえばミュージックバーといった形態のお店では、生演奏を行う日が設定されているところもあります。こうしたお店では演奏中に店内にいたお客さんからミュージックチャージと称した代金を別途発生させることがあるのですが、これは演奏を聴いたことによって発生する代金で、一部もしくは全てが最終的にお店側から演奏者に支払われるのが基本的なシステムです。


演奏なんて聞きたくなかったのに・・・という意見もあるでしょうが、ジャズバーやロックバーを選んで入ってしまっている時点で仕方のないことと言えます。そうならないためにも、特に飲み屋のお店選びは入念にしておいた方が無難なのです。

www.oishikerya.com



これ以外にも時間制でチャージが割り増しされていくタイプのお店やチャージはとらないけれど、サービス料という形で会計から10%頂くというシステムをとっているお店もあります。

気になる席料やチャージの相場は?

席料やチャージ、サービス料の設定はお店の場所やスタイルによっても異なります。


一般的に人数を多くさばくお店ほど安く、少ない人数に洗練したサービスを提供するお店ほど高くなります。また、提供する商品の単価が高い高級店や地価が高い場所、繁華街にあるお店ほど高く設定される傾向にあると言えるでしょう。


ある程度の規模の居酒屋であれば300~500円、バーや割烹などカウンター中心のお店であれば500~1500円くらいが相場でしょうか?


この他にも、カウンター中心のお店ならテーブル利用の場合は高く設定されていたり、個室料金、深夜料金といった形で追加で席料やチャージがとられるパターンもあります。いずれにせよ各店がなるべくストレスなくお店を維持していくために計算されているハズです。


はじめて行くお店ではこれらの料金をしっかりとリサーチしたうえで、疑問点があればお店に尋ねてみると言うのもひとつの手段かもしれませんね。サービスを提供する側はお客さんに対して分かりやすいシステムを提示する必要があると思いますが、一方で消費者もまた利用するサービスに対して出来うる限り調べて使用すべきなのです。飲食店もまた例外ではありません。

席料やチャージは飲食店の飲食物以外への対価

「店内の設備や内装なんていいから安くして欲しい」


「自分は綺麗に使っているんだから清掃代をとられるのは不本意だ」


もちろん、こうした意見が出てくるでしょう。でも、そこは考え方を変えて、チャージや席料によって「こんなに素敵な空間で飲食出来ているんだ」と思う事はできないでしょうか?


よく海外経験豊富な人に聞くと、日本の飲食店は店内の清掃も行き届いているしサービスもしっかりしている、というような話を聞きます。これは日本人の気質的な部分ももちろんあると思うのですが、チャージや席料を頂いているぶんのサービスをしっかりやろうというスタッフの心構えもあるのではないでしょうか?(これを言うと、じゃあファミレスはどうなんだ?と思うかもしれませんが、さきほども述べたようにファミレスや定食屋のようなお店は一人当たりの単価の見当がつくので、必要経費を商品の代金に乗せてしまうことも容易なのです。)


なかにはサービスや店内設備は二の次にするお店もあっていいんです。そういうお店は席料やチャージをとらなければ良いだけですから。


ここで提案なのですが、飲食店が提供したい商品をサービスと料理飲物にわけて考えると分かりやすいのではないでしょうか?料理や飲み物に対しては当然商品の値段を支払うわけですが、飲食店の場合はその空間や設備、スタッフの接客を受けることになりますから、それに対する代金としてチャージや席料を払うという考えです。


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席料やチャージを貰っているのにサービスや店内の設備管理に難のあるお店はどうかと思いますが、この代金に不満や疑問を持っている人は、良質な飲食店を維持していくための必要経費であることを認識してみて欲しいと思います*4

まとめ

筆者は飲食店を使う際に、席料やチャージを気にしたことがあまりありません。それは別にその金額が大した額ではないということではなく、結果としてお会計を貰った時の金額がその飲食店で過ごした時間にふさわしければ何とも思わないという事です。


1000円の支払いでも高いと感じることもありますし、10000円の支払いで安いと感じることもあります。飲食店での支払金額は食べた料理、飲んだお酒、一緒にいた人と過ごした時間、お店のスタッフの気配りや雰囲気作り・・・そうしたものが全てあわさっての金額であり、決して提供された食べ物飲み物だけに対するものではありません。


結局のところ、席料やチャージはお店の人が自店の経営にさいして必要であればとればいいし、必要なければとらなければいいのです。そして客側である私たちも、それが納得いかなければそのお店を使わなければいいし、それを踏まえて納得できる金額で飲食したりサービスを受けれるのであれば自然とお店に足が向くことでしょう。

*1:ただし海外にはチップの文化があります。チップは席料のようにに強制されるものではありませんが、払うのが暗黙の了解です。払い手の良心に任せているという点では素晴らしく粋な文化だと思います。ただしチップはサービスしてくれた人への賃金の意味合いが強いですね。

*2:厳密に言えばお通しは日本固有のおもてなし文化のひとつで、お客様が席にとおったことを歓迎する意味で提供されたのがはじまりとされている

*3:バーテンダー1巻(原作:城アラキ 作画:長友健篩 集英社)より

*4:近年席料やチャージをなくしたお店のなかには、料理やドリンクの代金へ上乗せするなどして対応しているところもあります。結果的にはお店の維持に必要な代金なので、結局はどういう形で頂戴しているかの違いなのです。